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沈黙

沈黙 みんなのレビュー

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みんなのレビュー14件

みんなの評価4.2

評価内訳

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14 件中 1 件~ 14 件を表示

紙の本

中高生の皆さんには、主人公自身も無謬ではないことに気づいてほしい

2004/11/27 09:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る

 飛行機を待つ間、「僕」は同行の大沢さんから中高時代の苦い体験談を聞くことになる。同級生の青木によって大沢さんは周囲の信頼を一切失ってしまう事件に遭遇していた。今の大沢さんの心根を作ったともいえる、その苦しい半年とは…。

 全集にも収録されている村上春樹の掌編を、副読本の体裁で出版したものです。中高生が国語の授業で議論の対象とするために作られたのでしょうが、「○頁の主人公の気持ちについて考えてみよう」といった設問がないぶん、自由に読むことが許されるといえます。

 証拠もないまま大沢さんは「疑わしい奴」として、周囲の人々から遠ざけられることの恐怖をとことん味わい、そして今もそのことに苦悶しています。彼の体験は学校社会のみならず、今も世界のどこかで日常的に起きています。猜疑心が人の心や人生をいとも簡単に壊してしまうことの怖さと哀しみを、まずは見つめるべき小説といえるでしょう。

 しかし中高生の読者にはさらに奥まで見つめてほしいと思います。
 実は大沢さん自身も無謬ではありません。彼は自身が蒙った災厄の源に「青木がからんでいるなと」(21頁)思い込んでいるだけです。大沢さんにとって青木は「要領の良さと、本能的な計算高さのようなものが最初から我慢できなかった」(9頁)男です。大沢さんはこのように青木に対して、気に入らないというだけで冷静さを欠き、青木の関与を示す証拠がないにも関わらず、迷うことなく猜疑の目を向けるという過ちを犯しているのです。

 読者はだからこそ村上春樹が、大沢さんの前に「僕」を対置したことの意味を読み取る必要があります。読者は無批判に、そして無邪気に、大沢さんに自分を重ねるだけで満足してはなりません。むしろこの「僕」にこそ読者は自分を重ね合わせ、いかに大沢さんを見つめるべきか、それが問われているといえます。

 漱石の「こころ」の構図にも似た、実に手強い小説です。

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紙の本

沈黙

2002/03/20 12:04

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:シュジュギュイ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 出版社がマイナーなだけにあまり知られていない本作品だが、短編の中では一番好きな作品だ。濃密な時間が流れる描写にひきこまれる。ラストの「ビールが飲みたくなったね」という、村上作品にありがちな部分がなければパーフェクトである。

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紙の本

本当に怖いもの

2015/10/13 04:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

「沈黙」は1996年刊行された「レキシントンの幽霊」に収録されている短編小説だ。それ以上に1980年代生まれの人にとっては朝の10分間読書として馴染み深いはずだ。平凡で目立たない高校生がクラスの絶対的な存在「青木」と衝突することで悪意あるデマに巻き込まれていく。おそらくスマートフォンやパソコンが普及した今の時代だったら、もっと陰湿な目にあっていただろう。何よりも恐ろしいのは、いつの時代も人間の心そのものだ。

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2004/10/14 00:35

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2005/06/09 23:57

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2005/10/26 02:53

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2006/10/28 20:19

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2006/07/13 23:40

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2007/03/09 00:19

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2013/02/04 14:54

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2008/04/10 23:38

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2009/12/08 20:19

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2014/06/12 01:00

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2013/05/12 13:47

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