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大絶滅時代とパンゲア超大陸 絶滅と進化の8000万年 みんなのレビュー
- ポール・B.ウィグナル (著), 柴田 譲治 (訳)
- 税込価格:2,750円(25pt)
- 出版社:原書房
- 発売日:2016/02/25
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紙の本
大量絶滅の原因に挙げられた「パンゲア超大陸の悪夢」とは?
2019/06/19 21:59
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投稿者:永遠のチャレンジャー - この投稿者のレビュー一覧を見る
恐竜たちが威嚇するSFタッチの表紙カバーとは裏腹に、本書は生真面目すぎる研究書だ。それは、本書の考察対象が所謂「五大絶滅」のうち、三番目(ペルム紀末:252百万年前)と四番目(三畳紀末:201百万年前)に絞られ、恐竜絶滅で有名な五番目(白亜紀末:65百万年前)にないことからも明らかだ。
二つの大絶滅の前後を含む四つの小絶滅(キャピタニアン階(260百万年前)、スパシアン階(250百万年前)、カーニアン階(232百万年前)、トアルシアン階(180百万年前))に言及し、この間の「地球史上最悪の8000万年」を「パンゲアの悪夢」と呼んで考察対象に含めている。
ペルム紀末と三畳紀末の大絶滅では「天変地異の間隔としては最も短く、わずか5000万年しかない。生命が復活できる十分な時間はなく、実際 三畳紀そのものが危機の連続に悩まされた時代だった」と著者は指摘する。小絶滅との間隔は、更に数百万年と短い。
ここでの天変地異とは「隠れるところなどどこにもない地球規模での壊滅」、即ち大量絶滅を指し、「天変地異に対して生命が非常に強靭になった理由を明らかにしたい」という古環境学者である著者の思いが溢れる。
LIPs(Large Igneous Provinces:巨大火成岩岩石区)と呼ばれるマグマの海や溶岩の風化地形(火山活動の名残り)を有力証拠として示し、パンゲア超大陸の凄まじい火山活動こそが二つの大絶滅、そして四つの小絶滅の主原因だと著者は主張する。
古代にゴンドワナ大陸(南半球)とローラシア大陸(北半球)が衝突合体し、パンゲア超大陸が形成されたが、ジュラ紀にこの超大陸が一体化から分裂に転じ、アフリカと南北アメリカを隔てる裂け目が生じたとされる。
この分裂の結果、沿海域が増大して炭素量と湿度が上昇し、高温温暖化や海洋酸性化(無酸素化)のような「絶滅に繋がる気候の暴走」を食い止めるレジリアンス(耐久力)が発揮され、生命の絶滅危機が回避されたと説く。
小規模すぎるクレーターを理由に排除された隕石衝突説に素人の私は未練が残るが、状況証拠に照らせば、有力仮説「パンゲア超大陸での火山活動説」に膝を折るほかなさそうだ。
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