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江戸時代の暮らしがどのようなものであったかを考える場合、当時の収入が現在の貨幣換算でどの程度であったかを知ると、より身近に感じれると思います。
江戸時代には地方や身分により、使っていた貨幣が異なっているようで、関東は「金」、関西は「銀」、いわゆる庶民は「銅」、江戸時代も後半になってくると、紙幣と色々あります。
この本では、1両=1石(180リットル)のコメを買える価値として、現在では5,6万円で買える量ですが、当時の賃金(1石のコメを買うのに20日の労働必要)で考えると、30万円となるようです。これをベースに、生活するのに必要な費用について詳しく書かれていて、興味を持てた本でした。
以下は気になったポイントです。
・名古屋と金沢を結んだ線より東側の東日本は金の貨幣、西日本では銀の貨幣が流通していた。東日本は、佐渡・伊豆・陸奥・甲州の金山があったことと、徳川家康が武田信玄の甲州金の貨幣制度を採り入れた。西日本は、生野・石見等の銀山があった、中国・東アジアの貿易に銀が使われていた(p3)
・米1石=金1両=銀60匁=銭4000文=63000(現在価格)、しかし当時の賃金(大工見習=15000円)から考慮すると、30万円程度(p8)
・将軍に仕えるのは、大名(親藩・譜代・外様)、旗本(100石以上)、御家人(100石以下)、旗本は、勘定奉行・町奉行、遠国奉行、目付・大目付、両番、使番、御家人は、与力・同心等(p12)
・上級武士は、主に知行地という領地を与えられ、その土地の年貢から支払われ、知行取といった。下級武士は直接米が支給される、蔵米取(切米取)であった。武士は石高に対応して常時、家臣を雇わなければならなかった。家禄200石で、5人(p19)
・町人の仕事では、出職(道具を持って出かけて仕事する)の、大工・左官・鳶は、江戸の三職と呼ばれた花形職業であった(p26)
・吉原で、高級遊女の花魁(揚げ代相場:1両1分=37.5万円)を呼び、幇間や芸者も一緒に酒や肴を振舞って豪遊すると、一晩で1000万円もかかった(p35)
・二八蕎麦とは、つなぎのうどん粉とそば粉の割合が2:8、1杯=16文(250円)、にぎり1貫=8文、天婦羅1串=4-6文、鰻かば焼き1皿=172文(2712円)(p64)
2016年5月1日作成
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歴史小説を読んでいると様々な職種の人が登場する。彼らの年収をこの本で知り、暮らしの背景や生活の豊かさ、多忙さなど職種による色が分かり、歴史小説の面白さ(理解度)が上がった。もっと早く手にしたかったが、既読の歴史小説を改めて理解を深めるの役立っている。
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江戸時代の物の価値を現代のお金で見ようとしていますが、260年の間に現代のお金に比べるのが難しい。基本はお米の値段と労働賃金を基準にしていますが、1両6万3千円から30万円の差があるので、比べられないですね。
海外赴任者の賃金を算出する方法(約300種類位の物の値段を参考にしている)を参考にしてみたら、どうなるんでしょう。例えば、そばの値段とか駕籠とタクシーの値段とか、着物の値段とか、、、、。
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江戸時代の暮らしぶりが 収入や物価からよく分かるようになってます 農民の収支 あら 現代の私の家とそっくり 親近感湧くわぁ~~