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のっけから都合よく話が進んでいくけど、それがまた小気味良くて面白い。
流石宇江佐さんの世界だなぁと一気に読み進めた。
クライマックスが近づき大団円の兆しが見え始めた辺りで突然終わってしまった。
なんとも悲しい限りだ。
魂を削って書いていたんだなあと改めて感じた。
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家族、親戚、ご近所、助け合って暮らす江戸の人々の足音やお喋りが近くに感じられるようでした。人々の付き合いを深くするのにも役立つ梅干しの存在感が良いです。口の中にきゅんと広がります…。
生き生きとしていながら死や病が全体的に漂っていたようにも思います。祝言の翌日に葬式、疲労で倒れるうめさん、回復してこれからどう暮らすか楽しみにしていたところで未完。著者の遺作なのだと思うと何とも無念で寂しいかぎりですが、うめさんの元気な声で終わったから少し救われました。
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思いっきり現代に置き換え可能な,うめ婆の旦那なくしての顛末.大いに笑ってホロリとする,妙手の冴えに感服.
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元気がなくなるどころか、「一人暮らししたい!」と家を出た主人公。
実家のこと、子どものこと、兄弟のこと、親類のこと、ご近所のこと…楽隠居できると思ったのに、ちっともじっとはしていられない。
そんなうめ婆の痛快(?)物語。
また一人、惜しい人を亡くしました。
もう読むことができないのは、残念。
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宇江佐真理さんの遺作の未完の作品。同心の夫を亡くし、商家出のうめは憧れの気ままな一人暮らしをすることになるが、甥っ子の隠し子騒動や隣人の死を経験し、逞しく生きていこうと決意するが・・・
宇江佐さんらしい江戸人情物。未完ではあるが、爽やかな風が吹いている作品。
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L
作者の遺作。未完。
これぞ、宇江佐真理!な内容。きっと何度読んでも楽しめると思う。
商家の大店の娘から、武家の養女という 体裁を経て八丁堀の同心の妻になったうめ。夫を亡くし子育てにひと段落したため、念願の町屋での一人暮らしを実行する。
うめ、が商家武家双方の家族と関係を持つことで生まれた親戚付き合い。
これまた宇江佐真理ならではだなぁと。
未完なのが本当に惜しい!
諸田玲子さんの解説も必読。
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<未完>の文字が、なんとも重い。
主人公の人生を、どう導こうと思案されていたのか。
時代小説の良いところは、時間を経ても古びず(あたりまえか)、末永く読み継がれていくところにある、と思う。
なので、またちょくちょく戻ってきて(再読ですね)、これからも楽しませてもらいたいと思います。
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宇江佐真理さんの遺作。多分、連載1回ごとに、次は書ききれないかもしれない覚悟とともに書かれた、とんでもなく1話ごとに精魂込められた言葉がちりばめられた作品。命がけで発語するとは、このような行為なのだな。
初めて星を5つつけさせていただく。
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商家育ちで同心の妻だったうめは、夫の急死後念願の1人暮らしを始める。が、親類や小姑とのごたごたに巻き込まれのんびりとはしていられなくて…。
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著者の未完の遺作。50歳前の夫に先立たれたばかりのうめが「婆」!今の70歳ぐらいのイメージ。著者の年齢に近かったのか?私自身が定年を間近にしているし、著者が自分自身の心境をうめに映したような、意味合いを感じる。商人から武家に嫁いだうめが、夫の四十九日を終え、かねての願いどおり一人住まい。近所、親族との付合いの楽しさ、そして小姑などの不愉快さが明快に描かれ、溜飲を下げる思いで楽しい。登場人物がみんな身近で、生き生きして魅力的。甥の事件から全ては解決で平安な毎日と思ったところで、絶筆。残念とはいえ、日常を描いた本なので、これも一つの終わり方か?人生とはこのように突然終わりを迎えるかも知れないのだから。
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朝日新聞2016年1月から3月まで掲載された未完の絶筆の単行本化。
未完の事情を解説で友人の諸田玲子が書いているが、宇江佐真理が自身をうめ婆に託して語った遺言だという。ありがたく頂きます。
描かれた人情の機微に幾たびも泣かされてきたが、それぞれに欠けを抱える人物たちが、一生懸命相手を思う心根に心地よく涙を流せる、そんな作家を失った読者の痛手は大きい。
あの世とやらでも、書いていてくれたらうれしい。合掌
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商家のお嬢さんだったうめ、北町奉行同心の武家の妻となり、義父母を見送り、息子娘を結婚させ、家は安泰。夫の死後、夢だった気ままな一人暮らしを始めるも、実家の甥の隠し子騒動に巻き込まれる。江戸の商家、武家の暮らし。
窮屈だった武家の暮らしをすっとばして、商家のより自由な、江戸での暮らしが描かれる。商売や借家や身の回りのあれこれ。娘や息子、兄弟や甥・姪たちとのしっかりした人間関係の中に居場所がある。
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最初に、家系図が、罹れているので、登場人物が、理解しやすいです。
大好きな作家宇江佐真理さんの遺作、今の現代の事柄に通じるものがあります。
裕福な商家の娘うめが、好感も抱かず、引かれたレールにそのまま流されて武士と、結婚相手、北町奉行所臨時廻り同心の霜降三太夫は、つつましい生活。
それでも一生懸命尽くし、嫡男も家督相続するまでに育ち、孫までできたのに、三太夫は卒中で、亡くなってします。
残ったうめは、今、昔口には、出さなかったが、一人になりたいと思っていたことを、実行しようと、これまで使わなかった持参金の一部を使用して、一人住まいをする。
良妻賢母を演じきっていたわけではないが、武士の家に嫁いだ時から、その場所で、一生懸命に身を置いた後、何をすればよいのか?
ただ、自分の為だけに、楽しく老後を過ごすため、気ままな生活を送りたいが為に、一人住まいなのか?と、思いつつ読み進んで行った。
先ずは、庭の梅の実から梅干しの漬け方。
今まで、経験したことのなかったことを、隣人から教わり、もくもくと、仕上げながら、出来たらどの人へ差し上げようかと、、、自分の事より人の喜ぶ顔が、見たいのである。
私もその通りの人間である。
梅干しではないが、料理やお菓子の品など、沢山作って、きれいにできたのを、人にあげ、ちょこっといびつやら失敗作は自分用にと、、だから、うめのすることがわかる気がする。
一人暮らしをしても、冠婚葬祭へと、至るまで、難問が、登場する。
年上女房で、格式の差の結婚相手、そして、結婚前にできた子供、今までの憎しみを抱いていた人も、その人の立場を鑑みると、じぶんのしたことも大人げないように思える寛大さが、年齢と共に培ってきているうめに、こちらも、こころの視野が、広がってくるように思われた。
人情味溢れながらも、今の時代の世相も繁栄した出来事や悩み、人とのつながりが、ハラハラ・ドキドキ・ウンウンと納得できる話をもっと読みたかった。
作者が、元気なら、この主人公うめのシリーズが、読めたのかもしれないと、思うと惜しいと、思う。
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来た町奉行同心の夫を亡くした商家出のうめは、
気ままな独り暮らしを楽しもうとしていた矢先、
甥っ子の隠し子騒動に巻き込まれ、ひと肌脱ぐことに…。
著者の遺作となる、未完の長編時代小説。
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遺作。残念ながら未完ではあるが、現代にも通じる出来事・心情の数々、この作者にしか書けないであろう人間の優しさがしみじみと心に沁みた。
どんな人にも様々な事情があっての行動・言動がある。
すぐに決めつけるのではなく、いろいろな方向から考えるようにしたいと改めて思った。