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アフリカ大陸。これは、紀行文?なのだろうか?表面を見るのではなく、深く潜って景色を見ているようだ。
人種のるつぼに積み重ねられた歴史。
様々な要因が幾重にも重なりあって、そのなかで人は生きる。悲しみながら、慈しみながら、蔑まれながら、狂いながら。
淡々とした文章なのに、そこに生きたものが刻みこまれている。
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カヌーで太平洋を渡り歩いた人々。勇気という言葉では言い表せない。それは衝動。新しい島で生きることを始める人々。「土地を所有しない。その土地で暮らし、楽しむ。死者たちの霊からその歴史を受け継ぐようにと与えられた」土地とともに生きる人。人とともにある神。本当の信仰。南洋の知恵。西洋の文明がいかにも小さいものに思える。
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素晴らしかった。地球上で最も大きな'見えない大陸'を生きる逞しく、しなやかな'水の人々'の物語。遠く海を越えてやってきた野蛮な侵略者たちはいくつもの深い爪痕を残していった。しかし、'水の人々'たちはその傷跡を癒すかのように侵略者の言葉を改変して自分たちの言葉にしたり、様々なやり方で奪い取られ、歴史の闇に葬り去られた'失われた時間'を取り戻そうと抵抗の意思を示し、ひたむきに新しい文化から学び、歩みを進める。確かにそうだ。'素晴らしいグローバル化'を押し付けられた私たちにとって一番必要なのは、「自国をもう一度偉大にする!」と声高に叫ぶ熱狂の中に身を投じることではなく、変化し生き延び自らを再発明する彼ら'水の人々'の思想なのかもしれない。そんなことを考えさせられた。