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読書術という題名だが、本に関するエッセイ集のようなもので、殆ど役に立たないし、内容的にも面白くない。当たり前の事しか書いてなくて、人生経験も感じられない。ここまで凡庸な読書本もある意味珍しい。
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著者の永江朗は、法政大文学部哲学科卒業後、洋書店勤務、雑誌『宝島』などの編集・ライターを経て、1990代からフリーのライターとなり、現在は「週刊朝日」等の雑誌で書評やコラムも連載している。
本書は、1958年生まれの著者が、幸若舞の「敦盛」で歌われる「人間五十年」を超えて(夜の京浜東北線で20台の女性に席を譲られて、とまどった話は笑える)、「そうか、こういうことだったのか」と思った、若者にはまねできない読書について、徒然に語ったものである。
私も言うまでもなく50歳を越えた本好きのひとりであるが、物書きたる著者の本・読書に対する視野はさすがに広く、「確かにそうだよな」と実感できることに加えて、新たな発見もとても多かった。
50を過ぎて和歌や漢詩が面白いと感じるようになった/歳をとって時代小説や歴史小説の楽しさに気付いた/何を読むか迷ったときは、ベストセラーよりも文学賞受賞作(それも、芥川賞や直木賞より、野間文芸賞、谷崎潤一郎賞など)/1年間のテーマを決めて読むのも面白い/日本の近代出版史上最高の発明品とも言える「新書」の中でも最大のお勧めは岩波ジュニア新書/今の自分の年齢で死んだ作家の本を読むのも面白い(山田風太郎の『人間臨終図絵』は、歴史上の著名な人々の最期が死んだ年齢別に紹介されており、便利)/ブックガイドは、著者の特色が出ているものなどは面白い(人文書院の『ブックガイドシリーズ 基本の30冊』など)/哲学書は、20台に読んでピンとこなかった文章が、50台でスラスラ読めてしまうこともある/文学全集は、選者の特色が出ているものなどは面白い(池澤夏樹個人編集の「世界文学全集」、「日本文学全集」など)/岩波少年文庫は大人が読んでも楽しめるものが少なくない/絵本にも大人に勧めたいものも少なくない(子供の頃に読んだものを再読するのもいい)/あのとき(お金がなかった若い頃)買っておけばよかったと思う写真集がたくさんあるが、今では入手できないものも多い/漫画を大人買いするのもいい/山川出版社の『詳説世界史』、『詳説日本史』、筑摩書房の『ちくま評論選~高校生のための現代思想エッセンス』、『ちくま評論入門~高校生のための現代思想ベーシック』など、高校生向けの教科書・参考書には安価で非常に充実した本がある/そのほか、電子書籍、古本屋、地図、文学館、図書館の利用法など。。。
私は、本書を読了した後、早速神保町で『ちくま評論選』と『ちくま評論入門』を購入してしまったくらいである。
おじさんに限らず、若い本好きにとっても、肩肘張らずに読める、楽しい読書術である。
(2017年6月了)
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共感できるところがたくさんありました。
まだ、タイトルの年にはなっておりませんが、アラフィフとして私もこんな51歳として本と向き合っていきたいです。
今度、湘南の茅ヶ崎まで出かけようと思いました。
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客観的にはもはや若いとは言えない50代を迎えて,大人なりの本の読み方を模索する。
若いときにはわからなかった読書の楽しみもある。和歌や漢詩,時代小説をしみじみと読めるようになったり,金銭的には昔より余裕が(多分)あるので漫画の大人買いも可能。1年間のテーマを決めてそれを追求するとか。読まねばならない本(ベストセラーとか)よりも自分が読みたい本を読む。悲しい本は読まなくてよい(歳をとると鈍感になるどころか,かえって感じやすくなる)。読書を楽しもう。読書時間の確保,読書環境の保守,本を収納する空間の確保(必然的に本を手放すことになる)も念頭に置きながら。
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『「本が売れない」というけれど』の内容が非常によかったので、この永江さんの本を手に取った。しかし、私にとっては残念な内容。
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永江朗の本は何冊か読んでいるけれど、この本に関して言えば作者買いではなくタイトル買い。
読書術といったって、読書っていうのは文字を目で追って、内容を脳に送るというだけのことなので、要は人生の残り時間から逆算して、どのような本を読めばいいのかということなのだと思う。
まず、ベストセラーは読む価値なし。
少し前まではベスト30の11位以降には、たまに面白い本もあったらしいけれど、今は30位まで見渡してもほとんど読む価値のある本はないそうだ。
「1Q84」と「火花」は褒めてたけど。
権威ある賞を受賞した作品も、新人賞は読まなくていい、芥川賞・直木賞も功労賞的な感じになってきたからわざわざ読まなくていい。
「野間文芸賞」「谷崎潤一郎賞」「泉鏡花賞」「大佛次郎賞」辺りが良いらしい。
私はあまり作品にくっついている冠は気にしないけど、いよいよ寿命が近くなったら効率優先で読む本を選ぶのだろうか。
文学全集は意外といける。
これは私も実家から文学全集を引き取った時に感じたことだ。
文学全集とは違うが、ちくまの選書もなかなか面白い。
ただ問題なのは、歳をとると文学全集の文字が小さくて読みにくくなることと(札幌の図書館で借りた芥川龍之介全集は5弾組だった!)、装丁が同じ本を続けて読むと、どこまで読んだのか何を読んだのか覚えきれない、またはすぐに忘れること。
歳をとればそれなりに装丁や文字の大きさが大事だと痛感。
山川の教科書は日本史・世界史ともに私も買った。
ブックガイドは昔から大好き。
少年文庫、絵本は今でも時々読む。良書多し。
地図の面白さは最近はまり中。時代小説のおともにぜひ。
旅先での図書館、時間がある時立ち寄ることままあり。
歳をとってからの読書がなぜ面白いかというと、知識が点にしかならなかった若い時と違って、その後の読書や自分の経験によって、点と点が繋がって線になり、さらには面になっていくことを実感できることがあるからだと思う。
「あ、そういうことだったのか」とひざを打つのは結構快感。
だから読書はやめられないんだなあと思う。
いや、単純に面白いから本を読むのだけど。
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「一年間テーマを決める」これは早速真似したい。「文学賞は野間文芸賞、谷崎潤一郎賞、泉鏡花文学賞、大仏次賞がオススメ」「新書は重版されているもの」「文学全集」「若い頃読んだが、忘れた本を読み返す」「歯磨き読書のススメ」は面白かった!ながら好きの私には考えつかなかったので取り入れたい。