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紙の本

情報開示・公正な市場・適合性原則

2016/07/14 22:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る

「金融商品取引法」(金商法)とは、「企業内容等の開示制度の整備」、「金融商品取引業者に関し必要な事項」を定め、公正な「有価証券の発行及び金融商品等の取引等」、「金融商品等の公正な価格形成等」を図り、「国民経済の健全な発展及び投資者の保護」を目的とする法律。わかりにくいが、要は健全な投資市場育成と投資者保護を目的とするもので、株式や投資信託を購入した人は経験したことがあると思うが、証券会社などから、いろいろ説明されたり、分厚い説明書類をもらったり、というサービスの根拠となっている法律。法律名からはピンとこないが、実は関係することも多い法律。
「新潮流」とあるので、昨年出版された「金融商品取引法制の潮流」の続編かと思ったら、別の研究機関の出版であった(「潮流」は日本証券経済研究所刊)。わずか一年で「新潮流」があるとも思えないのだが、こちらは、現在直面している社会・経済の課題に対し、金商法がどう対応している・すべきなのか、また、問題はないのか、を扱う論文集なので、「新潮流」ということなのだろう。
本書が扱う社会・経済の課題は、大別して「インターネット社会」と「高齢化社会」であろう。前者では、スマホからネット証券に簡単に注文ができるようになって、投資判断に必要な情報開示をどうするのか、また、複雑でリスクの高い証券商品を情報開示で理解できているのか、という投資者保護の新しい局面、「クラウド・ファウンデイング」という少額投資を広く募集する手法の情報開示のあり方も扱われる。また、ネットによるミリ秒単位で頻繁に売買を繰り返して利ざやを稼ぐHFT(高頻度取引)が、相場操縦や空売りによる価格操作などが証券市場の公正な価格形成機能を阻害していないか、その規制はどうあるべきか、が論じられる。情報開示規制では、投資判断のために多くの情報を必要とするプロには情報開示義務はないものの、読む気もなく分析・評価することもできない素人に手厚い情報開示義務が定められている、というパラドックスがあるというのも面白い。
複雑でリスクの高い証券商品を投資者は理解しているかどうか、これは「適合性原則」と言われ、「顧客の知識、経験、財産の状況、金融商品取引契約を締結する目的に照らして、不適当な勧誘を行ってはならない」という規制のこと。本書を読んでいるときに、高齢者が勧誘した証券会社に対し、この「適合性原則」違反、リスクをきちんと理解していない者が被ったとされる投資損失の損害賠償請求裁判で、立て続けに証券会社敗訴の判決がでた(2016.6.17.みずほ証:認知症女性に高リスク仕組債を販売、2016.6.30.野村証:判断能力低下の高齢者に元本割れリスクのある投資信託を販売)。高齢者といえば、「振り込め詐欺」で巨額の金を騙し取られる被害が報道されるが、このような報道を見ると、リスクを理解できないまま、高齢者が投資で多額の損失を被り、大事な老後資金を奪われている可能性もある。本書では高齢化社会を前面に出しているわけではないが、これも高齢者問題ということがわかる。まだ「振り込め詐欺」のように、社会問題化していないようであるが、タイミング的に「振り込め詐欺」と同次元の問題では、と考えさせられた。近い将来もしかしたら「過払訴訟」、「未払賃金訴訟」に次いで、高齢者による「適合性訴訟」が増えるかもしれない。
金商法では、違反行為に対して、刑罰・行政処分・課徴金・過料などの「エンフォースメント」が多く定められているが、強制措置相互の関係、制裁の強度・実効性をどのように考えるか、という一般的な刑罰理論を考える参考になる。

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