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突き抜けて面白いとかはないんだけど、中毒性があるんだよね、朝倉さんの作品は。
今回は不思議なことに巻き込まれる? 少女たちの話。
表題作のあたしたちは無敵、が、結構腑に落ちない。過去に遡れるとして一体どこに遡れば修正されるのだろうかと思うこと、生きていれば何度も遭遇すると思う。震災と不思議な能力を身につけることになった三人の少女たち。なんかもやもやしました。
無難だけど「おもいで」がすきかな。無難すぎるけど
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「XX奇譚」とすれば何書いてもいいんかいな?と思えるようなオープニング。
でも、後半持ち直しました。
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このことは、あたしたちだけの秘密よ
朝倉かすみが挑む 少女×ふしぎの物語
小学校の帰り道、きらきら光る乳歯のようなものを拾った東城リリア。同級生の清香と沙羅も、似たような欠片を拾ったという。ふしぎな光を放つこれはきっと、あたしたちに特殊な能力を授けてくれるものなのだ。敵と闘って世界を救うヒロイン。あたしたちは、選ばれた――。でも、魔法少女だって、死ぬのはいやだ。(「あたしたちは無敵」)
少女たちの日常にふと覘く「ふしぎ」な落とし穴。表題作のほか、雑誌『Mei(冥)』、WEBダ・ヴィンチに掲載されたものに書き下ろしを加えた全5編を収録。
◆収録作品「留守番」「カワラケ」「あたしたちは無敵」「おもいで」「へっちゃらイーナちゃん」
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どれも朝倉さんらしさが存分に出ている物語である。表題作の女子たちの心の動きは、おそらく女の子だったことのある人ならだれでもわかるのではないだろうか。どこまでが現実で、どこからが妄想なのか、判然としないところが一興なのかもしれない。あの無敵感、結構解る。そしてほかの作品も、思春期の女子の微妙で複雑でアンバランスな心と躰、そして周りの大人――ことに身近な男性である父親――との関わり方の変化の描き方が、極端な部分も多々あるが、絶妙だと思う。父と娘、互いの取り扱いに困って過剰反応を起こす時期がたしかにあるのではないだろうか。最後の物語は、いささか違うかもしれないが……。自己愛にあふれつつ自虐的な朝倉流の少女の物語を堪能できる一冊である。
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いたいけな少女たちが奇妙な出来事に遭遇する物語、五編。
そのどれも、結末に至ると心の中に灰色の感情が湧き上がる。
物語には不穏な、そしてどこか危うい空気が漂い、この灰色の感情を打ち消すために底抜けに明るい別の物語を読みたくなる。
「へっちゃらイーナちゃん」
父親が妻の死をきっかけに壊れていく。
いや、そうなっていたのはもっとずっと前からだったのかもしれない。
「かわいそうな人だから」は、共依存を生み出す悪魔の言葉。
私がいないと、この人はダメになってしまう、私が我慢すればこの人はきっと変わる。
これが不幸を生んでしまうのだ。
母親はこの言葉に絡め取られてしまったが、娘たちは?
ああ、二人ともどうか父親を捨てられますように、振り切れますように。
「他人」を思い通りにしようとする人なんてかわいそうなんかじゃない。
子供をはけ口にする親なんてかわいそうなんかじゃない。
そんな親は捨てろ、逃げろ。
どうか、逃げきれますように。
「あたしたちは無敵」
セーラームーンもプリキュアも主に中学生が悪と戦っていたけれど、この物語のヒロインたちは小学六年生。
大人びていてもまだ子供。
そんな教会人に足を踏み入れたばかりの恩んあの子達は選ばれし戦士となった。
でも、彼女たちが戦う悪は一体どこに?
「悪」はとてつもなく大きくて、たった3人ではなすすべもない。
「あきらめ」の心がこれほどまでに絶望的だなんて。
なんで私たちなの?
なぜ今なの?
この閉じられた物語の世界の神は彼女たちに試練だけを与え、それ以上は何も語らない。
私はそこに光を、希望を、探すけれど、それがこじつけでしかないことに心のどこかでは気づいている。
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前回の「たそがれどきに見つけたもの」は50代前後の物語だったが、今回は10代しかも女の子ばかりの物語。
中にはちょっとませているんじゃないのと思った部分もあったが、朝倉節炸裂のブラックなものや、不気味さが漂っていた。
副表題作「あたしたちは無敵」は、SFっぽさがあり、また新しい一面が見られて満足。
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小学校の帰り道、きらきら光る乳歯のようなものを拾った東城リリア。
同級生の清香と沙羅も、似たような欠片を拾ったという。
ふしぎな光を放つこれはきっと、あたしたちに特殊な能力を授けてくれるものなのだ。
敵と闘って世界を救うヒロイン。
あたしたちは、選ばれた――。
でも、魔法少女だって、死ぬのはいやだ。(「あたしたちは無敵」)
少女たちの日常にふと覘く「ふしぎ」な落とし穴。
全5編を収録。
(アマゾンより引用)
何か最初の2、3編は何かよく分かんなかった(´・ω・`)
最後の話はちょっと面白かったけど
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「留守番」
油断しまくっていたので、飛び上がるくらい驚いた。
「カワラケ」
読み返してもちと難しかった。
アホだな、あたし。
「あたしたちは無敵」
“そうなっちゃうよなぁああ”
って思うしかなかった。
微笑ましい所もあり、にまにました。
「おもいで」
予想し易い展開ではあるけれど、ファンタジーとは違う感じだし、描写が超リアルで怖い。
「へっちゃらイーナちゃん」
冷めた感じで言うと、伏線と回収が胸に迫る。
連続して読んでしまった。
何度でも回想したい。
楽しいお話ではないけれど大好き。
著者の優しさに触れたと思いたい。
朝倉かすみさんって間口の広いお人だと思った瞬間、読みながら感じる色味のようなものに統一感があると感じた。
読書の楽しさをあらためて知る。
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短篇集。内、二篇が特に印象に残った。
「へっちゃらイーナちゃん」
お母さんもお姉ちゃんも、自分の時には我慢出来ると思うのだろうな。自分さえ我慢すればと思うのだろうな。みんな悲しいけど、決断できて良かった。逃げ切れればいいな、と思う。
「あたしたちは無敵」
夢見がちで可愛い女の子たちの話…からのこのラストの非情さ。マヌケな決めゼリフが響く。ひどい。
雰囲気はどれも素敵。そしてラストはどれもいろんな意味で衝撃。
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少女を主人公にした不思議な短編集。SFじみた出来事に巻き込まれていきながらも、青春を生きる少女の生き生きとした表情も見いだせる。
「留守番」は最初読み終わって何が起こったのかわからない顔をしてしまった。そしてじわじわ怖かった。
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短編集
どの話もスッキリ終わらないので悪い意味でモヤッとする。
おるすばん→たぶん最後は死んだんだろうけど謎の生き物はコックリさんってこと?
カワラケ→お母さん、情緒不安定すぎ。カワラケが終わり自分より綺麗になる可能性のある娘が疎ましくなった?
あたしたちは無敵→もっとリアルな話で結局特殊能力なんて嘘かと思ってたらそこはアリで能力失うタイミングがリアル。主人公が思った通りどこから間違えたのか一生後悔しそう
おもいで→いちばんラストに納得いった話。タイトルもいい。
へっちゃらイーナちゃん→悲惨過ぎる姉妹。イーナちゃんはたぶん存在しないから現実では父親に連れ戻されてると思う。
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少女と不思議なお話。短編集。
不思議すぎてなんなんだかさっぱり分からなかったり、後味良くない。
留守番が最後まで読んだらめっちゃ怖かった。
他のは不思議なだけで怖い話はなくてよかったです。
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少女たちを主人公にした、少し不思議で少し不気味な短編集。テレビ番組の「世にも奇妙な物語」みたいな雰囲気で私は好き。
幼い妹と2人で留守番中になにやら不思議な生き物を見つける小5の女の子の話、由緒正しい家柄の娘は初潮を迎えるときに顔の皮膚にも変化が現れ家に1人で籠らなければならないしきたりの話、ある日不思議な力を身につけてスーパーヒーローとなった女子高生達の話、うたた寝するたびにどんどん成長していく少女の真実の話、母が死んでから父親から姉への性的虐待が始まっていく話。
どれも薄気味悪い後味で想像してたのとは少し違ったけど面白かった。ウーチカが最後どうなったのかが気になる。