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前半でいろいろな制約のある中で USJ の業績を向上させていく様をドキュメンタリ的に描き、後半がその企画発想力の根本にある考え方の説明になっている。ケーススタディと理論の解説のセットからなる、きちんとしてビジネス書である。これが手軽な文庫として手に入るのはすばらしい。USJ のファンでなくても楽しめたし、役に立つと思う。
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・ 過去の成功体験に縛られ、前例を打破するやり方を恐れるのです.それを買えようとする人間は、組織では少なからず悪であり、敵だと認識されます。
・ 「映画だけ」のテーマパークでは、不必要に狭すぎる
・ 本からの理論だけが先行するマーケターは、差別化という美しい戦術に憧れて溺れることがあります。差別化すること自体にこだわってしまい、本来の目的を見失ってしまうのです。
・ 大切なのは、自社ならではの付加価値がのせられるかどうか
・ ゲストが写真の中に加わることでアートが完成する「参加型」のデザイン
・ アイデアを考える時は、まず目的を徹底的に吟味して定め、その次にアイデアが満たすべき「必要条件」を一番時間をかけて考えます。そしてその必要上kネオw組み合わせ、より条件を絞り込んで、自分が必死に思いつくべきアイデアの輪郭をできるだけ明確に絞り込んでいきます。
・ マーケティングをやる人間は、何でも自分自身でやってみることを習慣にするべき。「消費者目線」を基本にしないとアイデアも戦略も判断もすべてにおいて焦点がずれる
・ 機能は子どもにあわせ、デザインは母親にあわせ、徹底的に体験価値にこだわったエリアにする(ひとつのなかでもマルチターゲットを持てる)
・ もっと外に目を向けて積極的にアイデアを盗みにいった方がいい
・ リノベーションの成功の鍵は、「変化の度合いはリノベーションなのだけど、いかに新築だと思ってもらえるか」その一点につきます。重要なのは「消費者が実感できる体験価値の違い」と「それが違うという期待値の刷り込み」
・ 実感するポイントを事前に誘導しておくことで、消費者は体験価値の違いを知覚しやすくなる
・ アイデアはそんなに安いものではない
・ イノベーション・フレームワーク
① フレームワーク
└いいアイデアはどんな条件を満たすアイデアのことか。それらの条件を組み合わせて、いいアイデアを探すにあたっての着眼点をどこに定めて頭脳をフル回転させるべきなのか
└目的→戦略(必要条件)→戦術(アイデアそのもの)の順番で考えていく
② リアプライ
└世界中のどこかに過去から現在に至るどこかに、にたような問題に直面した人がいるのではないか
③ ストック
④ コミットメント
└アイデアは実現させないと意味がない
・ 今この弾を撃ちにいかなければ、後々もっと難しい弾を撃たなければならない時が必ずやってくる
・ ある音楽イベントのチケットを売ったときに「わずか数分で完売しました!よかったです!」と大喜びでわいている部下たちを見て、値段の付け方と売る数量を決定的に間違えたと残念な気持ちでいっぱいだった
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●文庫本あとがきで初めて明かす事実!
この本を出版すること自体が世の中のUSJへの認知を変えるマーケティング作戦だった!
2年前に単行本を出してベストセラーにしてハリーポッター導入前にメディアの人に来てもらい、ハリーポッターを成功させること自体がこの本(単行本)の目的と告白。
・良いアイディアを出すためには良いアイディアである条件をまず考え、範囲を絞る
→なるほど!初耳!!
・寝ても覚めても考え続けていればアイディアは降りてくる。後ろ向きコースターも寝てるときに思いつき、がばっと起き上がった!
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『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』を先に読んでからの、読了だったので非常に書かれている内容のイメージがつきやすかった。”マーケティング”について書かれている箇所もあるけど、軸は「ハリーポッターを建てるまでの過程」を書かれていた。USJはハリーポッターを境に立て直したと思っていたけど、その前からの連戦連勝で正しくは、「ハリーポッターを境にさらに加速した」と言った方がいいと思う。それにしてもUSJにハリーポッターが建っているというのは本当にラッキーで、森岡さんはじめ当時の多くの社員の大奮闘に感謝を覚えました。まだUSJには行ったことはないのですが、「無性に行きたい!」と思えているのは、見事にUSJにマーケティングされたと思いました(笑)でもそれでも行きたい!仕事ってのはこうでなきゃ!と偉そうに思いながら、羨ましさも感じながら、よーし自分も頑張るぞと糧にもしながら、あっという間に読んでしまいました。
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これまたマーケティング戦略を惜しみなく公開されていて、非常に勉強になった。
目的→戦略→戦術のフレームは鉄板だな。
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森岡翁による、USJ改革の軌跡。
彼自身も言っているが、この本自体がマーケティング。本を通じて認知を高める施策ということだ。激務の合間をぬって、プライベートを削って計3冊の本を出している。
USJ改革の中でも、すごいなと思った考え方は以下。
やはりこの人、考え方がすごい。
・キッズフリー
・3万円の川という考え方
・三重苦で15%downの2013年を乗り切るための、20%upのための複数策
・ロジカルなクリエイティビティ
・ビギナーズラック
・パクリではないリアプライ
・売り切れ≠大成功、プライスと数量のバランスの見極め
・日本の女性のテーマパーク好きを分析
特にビギナーズラックは、初心者のほうが確立の高い基本的動作を忠実にこなすがゆえに成功する、という分析がある。これは、プロフェッショナルの流儀に出演されていた「向暑の窓ガラス清掃」の羽生田信之さんのおっしゃっていた、「永遠の初心者」という言葉と重なった。
やはり、初心に常に関心を持って立ち返ることのできる人は強い。
ロジカルなクリエイティビティは、わかる気がする。
ラテラルシンキングもロジカルシンキングも、ブレイクダウンを基本として同じ型で実践できる。
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お客さんを喜ばせることに尽力した筆者の熱い心が伝わって来た。
企業規模が大きいので、参考にならない部分も多く、もう一度読もうかと思う内容ではなかった
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USJ、V字回復の立役者森岡さんの著書第1弾。
森岡さんのエンターテイメントへの熱意とそのアイデアの発想法をシンプルに余すところなく紹介する一冊。
数学的にアイデアが当たる確率をあげるイノベーションフレームワークはビジネスマンには有用なスキルかと。
それ以上にその仕事が好きかどうか、人生をかけれるかという情熱=コミットメントが大事だというのが一番のポイントかと思う。
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USJの数年の戦略の紹介に始まり、
筆者の思考フレームワークの紹介と実際のUSJ事例での活用方法の簡単な紹介。
日本を元気にしたい(日本社会への経済効果)という意識まで書かれており、そのような目的意識の強固さが筆者の強みなのかと思った。
後書きで紹介されていた2冊も読みたく成った。うまいマーケティングですね笑
フレームワークの自己理解
・何を考えればよいか、条件を固める
・目的、戦略、戦術の順に考えていく
・足して100になるアイディア(いわゆるMECE)か意識する
・類似事例を探す
・必死に考える(考えている人にだけ浮かぶものが有る)
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■USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? (角川文庫)読了 ★4つ
USJの再建に貢献した凄腕マーケター森岡さんの本。
当たり外れのブレがかなり大きいと思われるテーマパークのイベントやコースター改良などのマーケティング施策を、9割以上の確率でヒットを飛ばしたというから、もう神の領域です。
そして文庫版だけにある後書きがしびれる。
この本は、企業再生物語、マーケター奮闘記。という色合いが強い。で、繰り返し出てくるのが、年間売上の半分という再建中の会社には、とんでもない設備投資を突っ込んだ「ハリーポーターのアトラクション」。
このハリーポッターのアトラクションが始まるまでの2年チョイを、どうやって金のない中ヒットを飛ばし続けるかという森岡さんの奮闘記なわけです。
最後に『この本自体が、ハリーポッターのためのマーケティング施策』だったことが文庫版後書きで明かされます。
ハリーポッターアトラクションが始まる時に、マスコミ取材によるPRが必須。でも、東京にいるマスコミのヒトは関西までわざわざ来てくれない。そこで、マスコミのヒトの中で話題になるような本を、アトラクションリリースに合わせて、逆算して発売したと。
で、この施策もあたったそうです。すごい。
森岡さんの他の本も見る気になってきました。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4041041929/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4041041929&linkCode=as2&tag=hitoshiebih0a-22&linkId=b2ca5d2a829a2292d07a77336d1df9bb
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とても面白かった!あまりビジネス書は得意ではないため、難しくないことを願っていたが現代小説のようで入り込んで読んでしまった。
後ろ向きで走るジェットコースターは期間限定で出た時からずっと乗りたいと思っていて昨年ついにUSJデビューし乗った。想像以上だった。
本書にもなんどもでてくるが、パークに溢れる"ライブ"感がTDLとは違う良さを引き立てていると思う。アトモスも多いし、パレードも生歌で感動した。
今年もまたUSJに行く予定を立てたので筆者のアイデアを体感するのが楽しみである。
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著者がUSJを成功させた数々の取り組みや考え方が紹介された一冊。アイディアを生み出すノウハウとして、イノベーション・フレームワークが紹介されています。イノベーション・フレームワークの具体的要素は以下のとおり。
①フレームワーク
何を必死に考えればよいか、どこに宝が埋まってい
るかについて手がかり(必要条件)を推理して導き
出す。
宝探しに使うフレームワークは以下の通り。
ア)戦略的フレームワーク
目的→戦略→戦術の順番で考えるアプローチ
イ)数学的フレームワーク
数学的な思考を使ってビジネスの因果関係を論理的
に分析し、現象の奥底にある問題の本質(宝)や
可能性に辿りつくアプローチ
ウ)マーケティング・フレームワーク
②リアプライ
世界のどこかに、過去から現在に至るどこかに、似た
ような問題に直面した人がいるのではないか?を
疑ってかかり利用すること。
※パテントされているアイディアは除く
③ストック
蓄積された豊かな情報のこと。
著者の森岡氏は経験上、圧倒的にエンターテイン
メントのストックが強いとのこと。
④コミットメント
どれだか必死に考え続けられるか。良いアイディア
を絶対に思いつくぞ!という気力、考え続けること
を最後まであきらめないこと。これができると
アイディアの神様が微笑んでくれることがある。
また、アイディアを成功させるためのポイントとして、
エクセキューションの重要性を述べられていました。
実行段階の細かな修正を粘り強く繰り返すことが
できないと、良いアイディアだけでは成功しないと
いうことでした。
本書で最も印象に残ったことは、有能なマーケッター
の資質としてロジックとパッションの双方が求められ
るが、森岡氏はパッションの強さが並々ならぬ点で
あった。
エンターテインメントによって、消費者の笑顔が見た
い、ストレスを解消をしてほしい、更には日本の景気
回復の下支えをしたいという強い思いがなければあら
ゆる施策の成功にはつながらなかった思う。
つまり、マーケッターは高い人間性が求められるという
ことを改めて理解させられる一冊でした。
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アイデアを考えるときは、目的、必要条件を決めてから。
マーケティングをやるには、自分がユーザーとしてやってみること。
外から積極的にアイデアを盗むこと。
数学的フレームワークとは、aとbを60:40でaになければbをcとd30:10に分けてcを掘るようなアプローチ。
ビジネスで成功するには、外部が変わらないときにより良い成果を出すために、違うことをやるか同じことを違うようにやるかの二つしかない。
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"2010年以前、来場客の右肩下がりが続いていたUSJを立て直したCMO森岡氏の著書。
限られた資源、予算の中からどうアイディアを出していくか、ビジョン達成に向けてのステップ開拓方法などが書かれている本。
ちょうど2013年だったか2014年だったか、ハリーポッターのアトラクションが出来る数日前にUSJに行ったので、そこそこタイムリーな話題でスラスラ読めた。
※OPENしたら混むだろうと予想して日程を組んだら、なんと限定公開の日だったようで待ち時間なしにライドを楽しめたのは良い思い出(若干の自慢)
なにか特別な思考法、フレームワーク、というよりは、一つの再建物語として読むと面白いかと。
※マーケターとしての考え方は非常にタメになり、後半のフレームワークも面白いので勉強にもなるが
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◆中小企業が勝ち続けるには”攻め続ける”しかない
=日本人がリスクを恐れて変化をためらうのは何故か?
⇒”その必要性”を感じていないから、ではないか
エンターテイメント業界は「娯楽」=「不景気になると真っ先に削られる費用」
【3段ロケット構想】
ホップステップジャンプの要領で、最終的にビジョン達成をしていく
実際にUSJでは以下の施策を行なった
1)ファミリー顧客の取り込み
=テーマパークのボリュームゾーンでありながら、”映画”に振り切っていたUSJは弱かった
2)関西依存の集客構造からの脱却
3)会社のノウハウを複数の箇所に展開
◆差別化という名の誤ったこだわり
本からの理論が先行するマーケターは、やれ差別化・差別化というが、実際はそうではない
ディズニーランドとは""3万円の川""(交通費)が流れている
この川を渡って来園する顧客は全体の1割程度=TDLとの差別化を図る必要がない
敢えてニッチ戦略を取って、本来の目的を忘れてしまうのが愚の骨頂である
⇒結果、USJは”映画だけの”テーマパークを辞めた(※”映画中心”のスタンスに)
◆マーケティングをやる人間は、まずなんでもやってみる
なぜなら、”消費者目線”を軸にしないとアイディアも戦略も焦点がズレるから
森岡さんは実際にパークを歩いたり、
モンハンに没頭したり…etcからアイディアを出している
◆ユニバーサル・ワンダーランドの工夫
世界観のターゲットを子供・母親に定めた
※前述の通り、弱点だったファミリー層をターゲット/身長制限で乗れない子供・付き添う母親を取り込むアトラクション作り
・わくわくするような建物のデザインを「ライドに乗った子供の目線」で作った
・ライドのデザインは「母親が求める可愛さ」を再現(フェラーリの塗装工場で透明感のある塗装に)
◆リノベーション、というマーケティング技法
リノベーション(改造)は、新しいものを生み出すイノベーション(革新)とは違い、
既存の物を新しく生まれ変わらせるべく手を加えて改造・改築すること
この戦略で生まれたのが【スパイダーマン4K3D】と【ハリウッド・ザ・ドリーム~バックドロップ~】
リノベーションの【成功のカギ】は、
変化の度合いはリノベーションなのだが、いかに新築だと思ってもらえるか
スパイダーマンでは、TVCMで「今までのものと全く違う」という認知形成を行なった
=実感するポイントを事前に誘導することで、体験価値の違いを知覚させた
◆アイディアの神様を呼ぶ方法
最初に最も大切なことはフレームワークでポイントを絞ること
(※アイディアが満たすべき必要条件が明確になる)
・戦略的フレームワーク
・数学的フレームワーク
・マーケティングフレームワーク
戦略的フレームワーク
【目的】⇒【戦略(必要条件)】⇒【戦術(アイディアそのもの)】の順番で考えていく
ex)
目的:彼女と仲直りをする
戦略:彼女の好きなもので歓心をかう
戦術:好きなアーティストのチケットをあげる
ex)
目的:安定的な1,000万人レベルの年間集客の達成
戦略:小さな子供連れファミリーを獲得する
戦術:新ファミリー・エリア「ユニバーサル・ワンダーランド」の建設
数学的フレームワーク
足して100になる仮説を立てて検証していく
ダメな例)
ファミリー層の集客が下がっているのか?あるいは女性客の集客が下がっているのか?
⇒重なる層が現れると「非効率」が発生、""単身の男性客""の見落としは「宝を見失う」可能性
良い例)
・男性の集客が下がっているのか?女性の集客が下がっているのか?
・11歳以下の子供の集客が下がっているのか?12歳以上の子供の集客が下がっているのか?
・ファミリー層の集客が下がっているのか?それ以外の集客が下がっているのか?
足して100になる仮説・検証を繰り返すことで確実に宝を掘り出せる
◆日ごろからストックを蓄える
”気づかないことは考えられない”
例えばエンターテイメント業界であれば、テーマパーク以外にもアニメ・漫画・ゲーム?映画館?本?釣り?キャンプ?スポーツ観戦?…etc、様々な分野が顧客を取る可能性がある
=アンテナを常に張っておくことで、”引き出し”の多い人間に"
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始めから著者の熱が強く感じられるほどこの仕事に対する情熱、危機感がヒシヒシと伝わって来た。
読み続けていくとテーマパーク自体が好きなのもあり、何とか成功したい気持ちとお客さんに楽しんでもらいたい気持ちの両方が分かってくる。一方で従業員に対しては自分の体験や考えを通じて皆んなを鼓舞する情景が浮かんできた。
アイデアを実際の企画まで持っていき計画を押し進めて行くが、本当に綱渡り状態だけれども自分を信じて諦めない気持ちは見習わなきゃいけない点。
その中で特に個人的に有益だと思ったのが、何か事を起こすための考え方のフレームワークが文書の中ほどに書かれている。それは、とても分かりやすく今後の仕事に役立てたいと思った。
流れとしては「戦略的フレームワーク(課題解決)」の落とし込み。「リアプライ(どこからかアイデアを探す)」「ストック(情報の蓄積の解放)」「コミットメント(やり切る力)」「エキセキューション(戦略的詰め)」。
これらが一つになって始めてコトがなせるのかもしれない。