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作者が『会社員とは何者か?――会社員小説をめぐって』で展開している論を、見事に小説へと昇華しています。
たとえば、源氏鶏太「英語屋さん」論において注目していた英語屋さんの社内でのヌエ的な立ち位置を、本作では子会社へと出向している男、その子会社に関連企業から派遣されている女という形で、再現させています。
また、会社員小説を書くときに私生活を紋切り型に描かないという課題にも、柔軟に取り組んで書いているのが伝わってきます。作者の作品を愛読してきた読者としては、現時点での集大成と思わせてくれる快作でした。
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九州の本社から子会社に出向となった乾は、外資系コンサルタントから転身した笹島彩夏と新規事業室で営業補助システムを立ち上げることになる。社内の協力を得られず孤立した二人の葛藤を描きながら、会社という組織で働き続けることの難しさが伝わってくる作品。
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「書名」と「装丁」に惹かれて
手に取ってみました
「会社員小説」という括りがあることを
初めて知りました。
今まで、「会社」という組織に属したことがないので
とても興味深く読み進めさせてもらいました。
ニッポンの会社員はつくづく大変であることを
今更ながら、痛感させられました。
この小説に描かれている情景が
今の日本の平均的な「会社」の姿であるとするなら
これからの「会社」を目指す若者たちは
さぁ どんな未来像をつくっていくのだろう
と 思ってしまいました
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企業小説?らしいけど、よくわからないまま読みました。なかなか読み進まなく、苦労しましたが、最期に彼、彼女の人としての成長がみれて、読んで良かったと思いました。人生何が、何をもたらしてくれるのなんてわからないもんですね!
一般企業って働くの憧れありますけど、生半可ではダメ(当たり前だけど)ですね。
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会社員小説というジャンルらしい。
外資のコンサルから、国内企業に転職した女性と、その会社に本社から出向になった男性を中心に、会社での業務を中心に話が進められる。
同じような経験を、実体験として持っているだけに、まぁ、そんなもんだよねとつらつら読んでいく。
途中、自分の経験ではありえないことも出てくるが、まぁ、会社によってはあるかもねと通り過ぎる。
そして、話は終わらない。
企業は継続していくのが使命の一つなので、いい企業は終わらない。そして、きっちりけじめをつけないのも、日本的企業の体質ではあるので、本書も終わらない....
うーむ。
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私は働くことは好きではない。誰だってそうだろうが。しかし、仕事には好ましい面がある。自分自身を見つけるチャンスがあることだ。それは、他人には決して分からない、他の誰のものでもない、自分自身のリアリティーだ。他人には単に外見しか知らないから、本当のところ、それが何を意味するのか分からないものだ。(p.302)
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九州に本社がある会社から東京の子会社に出向
営業改善システムを導入する新規事業部に配属
子会社の社長は本社の言いなりにならない
コンサル会社かた転職してきた女
結局、採用されたかどうか不明
コンサル女にはマスター男がいる
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九州の食品会社から東京の子会社に出向してきた乾と外資系コンサル出身のデキる女性、笹島がコンビを組んで、営業アシストツール「セルアシ」の開発に取り組むお仕事小説。
よくあるサクセスお仕事痛快モノかと思って読み進むとそんな単純なお話ではなく、舞台となる会社「カキヤ」も気難しい社長も含めてかなり特殊で、この2人の仕事もうまくいったかと思うと壁にぶつかったり。しかもこの2人もお互いに信頼しあっているわけでもなく、いまいちかみ合っていない。
とにかくとってもリアルです。その中で、最後近くで笹島が自分の母親とのエピソードと思い合わせ、仕事にはその人だけの人格、リアリティーが顕れると気づくあたりがテーマなのでしょう。
どんな仕事であってもそれは「自分を表現できる」場、たとえ努力がすべて報われるとは限らなくても・・・。同じ会社員として少し勇気をもらえる気がしました。
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尻尾って何なのか、心臓って何なのか、わからなかった。乾と柿谷と来ればセレッソ大阪で、どこかにオマージュが隠れているのかと思ったけど、それも見つけられなかった。乾と笹島が微妙な立場でプロジェクトを成功させなければならない理不尽は、他人ごとではない。安藤課長から日報フォーマットをもらうだけのことになぜこんなに時間や労力を使い、気持をすり減らさなければならないのだろう。「そういうことを含めて仕事」みたいに言う人もいるし、実際そうなんだろう。何をしたくて、何をするべきかがはっきりしていれば最短、最速で辿り着くことを考えたほうがいいんじゃないのかな。これまでの会社員生活を根性論でやり切ってきたほうだけど、働き方改革の中では無駄な努力になりかねない。カキヤやインナー・パスポートの仕事ぶりは、自分に置き換えてしまって楽しめなかった。オイラもそんな風だなぁなんて。