紙の本
今を諦めない、その先への展望を。
2016/07/20 12:46
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投稿者:魚太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
希望はある。政治革命は「立憲主義の危機」を契機に明確な対立軸の構築から。社会革命は近代的原理の徹底化を図り、「排除」へと転じた統治の原理を再び「包摂」へと向け変えること。精神革命は、本当にやる気があるかどうか、意志の問題。現状を諦めた奴隷とならないための、必読の書。
紙の本
永続敗戦レジームの失効を求めて
2019/06/15 17:22
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「戦後レジームからの脱却」というスローガンのもとでの堅持は、ポピュリズムから排外主義的ナショナリズムの台頭やバブル経済への依存によって継続中。「他に任せられる人がいない」時代を終わらせる手段を真剣に考えさせられる書。
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著者が以前から主張していた「永続敗戦レジーム」を中心に戦後政治から現在の状況まで論評しています。
確かに戦争責任もまともに追及されなかったり、原発事故も誰も責任を問われることなくすでに「過去」に追いやらてきている状況で、社会は着実に新自由主義に染まるとともにその内在する問題点を否定するために右傾化しています。
現在の政権が一定の高支持率を獲得しているのは、とにもかくにも目の前の状況がなんとかなれば良い、という一時しのぎの流れなのでしょうか。「この道しかない」という単純なかけ声の下、さまざまな矛盾が次世代に先送りされている現状にはうんざりします。
痛みを伴わないオルタナティブはないのかもしれませんが、新たな道に向けて積極的に正面から取り組む政治勢力が出てきてほしいものです。
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前作の「永続敗戦論」読んだ時には、こんなに話題になるとは思っていませんでした。この本は、前書きにも書かれていましたが「永続敗戦論」の続編という位置づけになります。
本当だったら、選挙前に読んだほうが良かった本なのかもしれない。今思うと。
でも、今からでも遅くはないです。本当にもう、自分の頭で考えないと酷いことに遭遇するという焦りを、ひしひしと感じている人は手にとって見ると良いかもしれません。
戦後日本の政党の流れをざっとまとめてあるので、政治が良く分からない。と思ってる人にも読みやすい構成になっています。
米国は自国の国益の為にしか動かないよ。という事実を改めて確認する作業=この本で言う所の「温情主義の妄想」から目を覚まさせる作業というのは一度するべきかなと思っていたのでこの本はその一助になると思います。
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包摂→排除→再包摂の政治を取り戻すために、排除された側の憤りに共感を示していかなければならないと思いました。
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メモ
P150 ナチスの高官、へルマン・ゲーリングの格言ー国民を戦争に引きずり込むのは実に簡単だ、外国に攻撃されつつあると言えばよいー
➡脚注30「国民は常に指導者たちの意のままになるものだ。簡単なことだ。自分達が外国から攻撃されていると説明するだけでいい。そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に晒す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ。この方法はどの国でも同じように通用するものだ」
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永続敗戦論の”その先”とあるが、”永続敗戦論”からの展開としては一冊の本にするには少し寂しい感じもするが、非常に鋭い現状分析にはやはり唸らされる
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『永続敗戦論』の、その先へとあるが、まさに『永続敗戦論』の要素をふまえているので、著者の主張の総まとめがコンパクトにまとめられていて、1冊目コレでもいいのではと思う。
『戦後レジームからの脱却』をとなえた安倍晋三は、実際には「戦後レジームの死守」とも呼ぶべき政策を強行してきた。本当の意味での「戦後レジーム」とは? 「脱却」とは、と本書は問う。
本書に寄れば、「戦後レジーム」とは「永続敗戦レジーム」そのものである。日本はアメリカに対してのみ敗戦を認め、アジア方面に対しては認めていないという二重性のなかに生き続けている。しかし、アメリカにとって日本の重要性は決定的に低下した。アメリカに従属することで平和と安定と経済発展を享受してきた前提は崩れた。ここから旅立たなくてはいけないが、「利権共同体」にとっては、これまでの体制を存続させていくことが自己目的化していて、「永続敗戦レジーム」を強化して言ってしまう。
2016年発行の本だが、現状においても有効な総括であるし、ここから一歩も出ていないというのが日本の病だと思う。