紙の本
やはり、篠田さんワールド
2016/07/10 19:57
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある小さな島にしか生息しない、カワウソに似たカワイイ両生類を救おう、という「牧歌的」なムードで始まりますが、やはり篠田節子さん。ゾクゾクする「篠田ワールド」へ突入します。
最後まで一気に読みました。(ある映画を思い出しましたが、ネタバレになるので省略します)
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可愛い両生類を救おう!
と隣の島に移したら大変なことに。
なぜが陸上にあがるようになり、人に噛みつく。
噛まれると、口中の細菌に感染してしまうのだ。
自分たちの暮らしに適した体に変化しているだけなのだろうけれど、人間にはそれが脅威となる。
人間から見た、益、不益で物事を判断してしまうけれど、相手からみたら人間も不益なものなのかもしれないわね〜。
変に手を出して、「あぁ、いいことをした」とか思わないことだと思う。
生物が絶滅すればいいとは思わないが、直接手を出す以外の方法もあるのではないか。
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人が交流することで、その地にいなかったものが住みつき独自の進化を遂げることがある、ほんの小さな可愛らしいと思っていた生き物であっても。
安易な考えが生き物の生態系を変えていくだけでなく、人まで変えてしまう。
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#読了。
ジョージは太平洋の小島、ミクロ・タタの泉で両生類ウアブと出会い虜となる。泉から水がなくなってしまうため、ジョージらウアブ愛好家は別の島の池にウアブを移すことに。そこで待ち受けていたのはウアブの大量死、そして正体不明の凶暴な生物が人をも襲う。
話としては面白いのだが、ジョージの優柔不断さというか、甘さにはあまり感情移入できず。インフラの整備からくる環境、生態系の破壊がうまく描写されているが、原住民の「きれいな水が飲める」の一言には考えさせられる。タイトルの「流木」にも納得。
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南の島を舞台としたパニックサスペンス。南の島のリゾート地に突如現れた、恐ろしい毒トカゲ。その正体を追ううちにたどり着く思いがけない真実……は、なんとなく見当のつくものなのですが。
結局のところ、すべて人間の身勝手なのですね。古くからの伝承に記されていることも、それこそ真実そのものなのに、なかなか気づくことがなかったり。南国リゾートが安全で洗練された場所だなんて、それこそ驕り高ぶった国の人間の傲慢な幻想でしかないのだなあ、と。
それでも。新たな道を見つける現地人の生き方は見事というほかなく。むしろ昔にはそれが当たり前だったんですけどね……自己都合の排斥だけでなく、こういう行動が必要だとは思うのですが。現代人には難しいかなあ。
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南の小さな島の泉でそっと生きてきた生物ウアブ。説明からだとウーパールーパーのようなもの。島が開発され泉が無くなることになり愛好者たちは隣の島のリゾートホテルの池に移植することにするが・・・
自然と共生した島の暮らしに踏み込むリゾート開発、南国の自然を売りにしたホテルの敷地内は作られた自然だ、とか、ワニやイモリなど時には人間を襲う動物ともうまく共生してきた島の暮らしに相対するホテルの自然など、自然をそのまま守ることの難しさ、人間の都合によって自然を作り換えても、そうたやすく自然は屈しないぞ、といた警告を発している。
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南の島の楽園として名高いリゾート地に、正体不明の危険な生物が現れ、人々を襲い始める。やがて世界各地にも被害は及ぶようになり…。
『夏の厄災』でも新種の疫病が流行るというパンデミックを扱っていたが、こちらは強烈な破壊力をもつ両生類が登場する。
主人公が正体を探るうちに明らかになっていくのは、リゾート開発による自然破壊や生態系への影響など、人間のおごりによる深刻な環境問題だ。
外部の人間が決死の覚悟で銃器をもって挑んでも駆除できない生物を、沈静化させた正体は皮肉で、さらにあらゆる自然と共生する地元の人々はたくましい。
個人的には、共食いやらアリの攻撃などのリアルな描写は生理的に苦手で、むずむずしてしまう。
でも、綿密な取材を元に書かれたと思われるリゾートの裏側にあるダークな実態は、直視すべき。南の島は好きで旅先にも選ぶことが多いが、安易に癒しを求めるなどとは言えなくなってしまった。
それからタイトル、シンプルなのはいいけれど、もうひとひねりあってもよかったのでは。
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良かれと思ってした事が必ずしも良い結果になるとは限らない。それは人間関係にも言える事なのだけれども。
ウアブ見てみたい。けど、本当にちょっとした事で生態系って壊れてしまうものなのですね。人間も生態系の一つなのだとは思うのですが…他の生物への干渉が半端無いですよね。なんて言うかございますもっと調和して生きていきたいなぁと思ってしまった。
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篠田節子さんの、事態がだんだん収集のつかない状態に陥って行くパターン。不思議な両生類への愛情が先日読んだ「アクアリウム」と少しかぶる部分がある。
私は両生類より爬虫類が好き。
ジュラシックパークにでてきた小さな恐竜コンプソグナトゥスが襲ってくるイメージが浮かんだ。
昔、フィリピンのセブ島で宿泊したホテルが、周りを高い冊で囲まれていて、門のところに銃を構えた守衛がいた光景を思い出しました。リゾートはもともとの現地の生活から切り離されているんですね。
物語の設定、起承転結のバランス、最終的なオチ、どれも素晴らしいもので満足でした。
篠田さんは環境問題に関心があるのかしら?
これもまた主人公の男性視点のお話でした。
あっけない感じもしたけれど、さらっと面白かった。
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さすが篠田節子。相変わらずクオリティが高い。そして面白い。テーマの選び方も素晴らしい。目の付け所が良い。展開がスピーディーだし、論理的にも説得力がある。ほんとすごいな、篠田さん。読むたびに感心するばかりです。
今回は動物パニックムービー。リゾート開発の現地環境破壊など、「ゴジラ」にも通じる問題提起には、日本人として胸が痛くなりました。
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南海の楽園が舞台の生物パニックミステリ。ミステリとしての面白さはもちろんですが、観光で成り立つ楽園の暗部とか生態系バランスの危うさとか、色々考えさせられる作品でした。
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それなりに楽しめました。読んでいて変な齟齬が感じられないから、安心します。でも、いろんな意味で自然を相手にするのは、大変だよね。
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ウアブ両生類の生き物
自然保護
南の島のリゾート
絶滅させない為ミクロ.タタからメグロ.タタ島へ黒いとかげ凶暴な生き物にと変化して行く
肉食あり
ゾゾゾーとしてしまいました
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解決編?がけっこうあっけない。半分自給自足の、金持ち老人のリゾートで成り立ってる島、アメリカの補助金なしでは成り立たない。本筋のテーマではないがこちらも考えさせられた。
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友達がウーパールーパーを飼い始めたせいか、どうしてもウアブの姿がそれにしか想像できず。
ウーパールーパーも水にいれば、可愛い姿らしく、水から出すとヤモリ?になるとか。
実際モデルは…どうなんだろう?
だけど、さすが安定の篠田節子さん。
比べるのはどうかと思うが、柚月裕子さんの作品を読んだ後なので、余計にそう思ってしまった。
読んでいて安心感があるし。
人間の都合で生き物を増やしたり減らしたりすることがいかに危険か、ゴミがもたらす思いもよらない進化、など。
映像化してもいいかも…アリに襲われる場面なんか超怖いけど。