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いつもの津村さんの笑えて心なごむエッセイを期待していたら少し違い、まるで心理学のような、自己啓発本のような感じだった。正直、もうちょっと具体的な例を書いてほしいなあーとか思ったところもあったり。あと、2010年から2013年の雑誌連載をまとめたものだった。単行本化してくれるだけありがたいけど、エッセイは新しいものを読みたい……。
なんて文句みたいに書いたけど、よかった。
くよくよしてもいいけどできればその一歩先へ、っていうようなことが、まったく偉そうではなく、押しつけがましくなく書かれていて。ためになった。たくさん共感した。
でも、反省もした。やっぱりわたしダメだなーとかさらにくよくよしたり(笑)。
津村さん、やっぱりすごいなと思った。いろいろ深い。若いのにとても考えている。尊敬する。津村さんのような人になりたい。少しでも「ましな」ほうへいけるように日々努力していける人。。。
わたしはここにいちいち感想も公表するし、ツイッターもやってるけれど、そういうのはやめたほうがいいのかな、とも思った。この文章を読んで。
「公開するための人生の部分」以上に、「公開しない人生の部分」に手をかけ、大切に持っていることが、自分自身の不安や虚しさに飲み込まれないためには必要なのではないでしょうか。誰に言葉をかけられなくても、また、いつかは言葉をかけられるはず、という期待にすがらなくても、自分で自分の願望や平穏さの傾向を観察して、ましな方に心持ちを向けられるということ。
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津村氏作品は、本作のようなかたちよりも、小説の中のくよくよ、というか生きづらさ、その中のほのかな強さ、のようなほうが好きだということがわかりました。本書の中のマンガはかわいくて、けっこうツボをついてます。
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津村さんの小説に出てくる、ぐじぐじ悩みぶつぶつと文句を心の中でつぶやきながらも、どこか地に足をつけて生きている主人公は、著者の分身なのだなぁと納得。分かってはいたけれど。
目からうろこが落ちるとか、世界が変わるような、強力なアドバイスはない。でも、薄々自分でも気づいていることが、丁寧で新鮮な言い回しで書かれてある。
やはり著者の小説が読みたいけれど、この本も、ときどき手に取って、パラパラと読み直し、「そうそう、そうだよね」とひとりうなずきたい。
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くよくよしている人間って
実は生きる姿勢に余裕があるんだ。ってこと?
津村さんの小説が好きだから初めてエッセイも読んでみたんだけどさ、
読み物としてはあんまり好きにはなれなかったなぁ。
そもそも、この本と私とでは「くよくよ」に対する認識が
なんか違っている気がするしな。
どうもしっくり来ないまま読了。
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私が苦手なタイプの「自己啓発」エッセイでした。
そもそも‟くよくよ”のとらえ方が自分と全く違うので、私には参考にならなかった次第。並べて‟サバサバ”のとらえ方も違うし、お喋りやコミュニケーションに対する価値観も違い過ぎて、読んでいて理解不能に陥りそうに…。
テレクラとカウンセリングを同等に扱われたときには心理学を学んだ者としては釈然としない気持ちになりました。
エッセイに定評のある津村さんだけに、普通に「二度寝シリーズ」から読んだ方が良かったかもしれません。
全体的にネガティブで読むのが辛かったです。
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自己啓発というほど、激しくなく、こう思うよ、とかこんな風にもできるよ、のように、隣で話してるみたいな文章が穏やかでいいかも。だけど カウンセラーが何度も繰り返し話してたことと一致してて、凄いなと思った。
子どもの頃の自分を大人の私が抱きしめてあげる。
考え方の癖に気づいたら、違うほうに考えてみる。
公開しない生活をアナログなノートに記録する。
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津村記久子さんのお仕事小説にはいつも文房具が出てきて、肩の力が抜けた感じがとても大好きなのですが、待ってましたのマネジメントの本。ワクワクして読みました。押し付けがましくなくて本当にお人柄がうかがえる内容でした。しっかし辛そうだ。わかるわかるーと心の中で言いながら読みましたが、人の不幸を聞いて自分はまだマシだから頑張ろうって思う感覚で読んで癒されました。
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津村記久子の小説も、エッセイも好きで読んだ。最初は文体が全然違っていてびっくりした。自己啓発本かな?
と思った。でも、読み進めていくと、津村作品に出て来る登場人物の心情をぎゅっと詰め込んだように思えてきた。穏やかに自分の範囲で暮らしたい、でも周りの騒音に振り回される…。そんな様子が描かれていた。
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この方の小説が大好きで、初エッセイにわくわくして手に取ったのですが・・・私には全く合いませんでした。なんだろう、文字が滑って全く頭に入ってこないこの感じ。イラストも、可愛いけれど、イメージと違う気がします。
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くよくよする自分の心の動きを分析的に論理的に考察して説明している。挿入されているイラスト、マンガ(森下えみこさん)のユーモラスな感じと相まってほのぼのと読むことができた。
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津村記久子さんの表現はとても面白いと思います。はまってしまいますw。物事を、概念を一歩も二歩も掘り下げていくスタイル、読んでると、私の心をきれいに解きほぐし整理してくださっています(^-^)「くよくよマネジメント」2016.5発行、くよくよ族wの著者がくよくよしてもいいんだョと主張したくて書いた本だそうです。例えば自己満足の効用では。競わないことと競うことを隔てているのが自己満足。自分一人で味わう能力を楽しもうと。よそはよそ、うちはうちですね。中野孝次氏の「足るを知る」にも通じるでしょうかw!
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くよくよしやすい津村さんが、くよくよする自分を受け入れつつ、少しでもラクになる方法などを書き綴ったエッセイ集です。くよくよ=悪じゃなくて、くよくよをひとつのアイデンティティのように受け入れているところが、肩肘張った自己啓発書なんかよりもよっぽど信頼できると思いました。
わたしは津村さんほどくよくよしていないなあと思ったけれど、人と話すこと、特に声の大きな人と話すときに疲れを感じやすい原因がなんとなくわかった気がします。反対に、自分が優しい人たちをくよくよさせる原因になっているのではないか、とドキッとする面もたくさんありました。自己像をばら撒いてないか?自分と他人の自我の区別をできているか?ちょっと己を振り返ってみる必要があると思いました。
また、「装う」自分への疲れに気付くこともできました。人はわたしをさばさばしている、明朗な性格だと言うから、さばさばしないと、明朗であらねば、と思っていた気がします。それも、自分を装った結果なのだと、ちゃんと受け止めなければ。
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自分よりスペックの高い人に相談をし、正論&ひなたの人の歩むべき道での諭され方をして打ちひしがれたことがあり、このぐらいのユルい目線から意見を言ってもらった方が救いがある(決して甘えている、怠けているというわけではなく)と、息苦しさが減った気分になる。ということで常に置いておきたいなと、きっかけは図書館で借りたものであるが購入してリアル本棚に登録。
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「くよくよマネジメント」
タイトルからして、くよくよする考え方をいかに治していくのかといった自己啓発的な内容なのかなーと思いつつ手に取る。
しかし、そこは津村さんです。
普段生活する中で、一定数の「悪意」が存在する。
そういったものの本質は何かといったことに特筆しているような気がした。
そういったものにぶつかったとき、その本質はどこにあるのか、どう対処すれば自分自身がすり切れずに済むのか。そういったことを自分自身の体験や心情をさらけ出しながら丁寧に記してくれている。
読んでいて、ああだから自分は傷ついたんだなとか。そう思うと、正体不明の何かに振り回されずに済むようになる。
逆に、そういった無神経な立ち居振る舞いをしていないかなとか。自分自身を振り返る事にもつながった。
小さな悪意や誰かの無神経に
心がちくりと痛んだときに読み返したい1冊。
○人間同士が関係する上でさまざまな軋轢の根源には「自他の区別がつけられない」という重くて毒を持った石が横たわっている(中略)誰かが誰かに何かを強要して傷つけることの根底には、この区別の付けられなさが存在しています。
○利害関係のないところで他人の感情を奪おうとする行為の根底には、この、自分の中の子供を他人に押し付けるという意図があるように思います。
○まずは自分の判断を信じる事、という処世術にも通じる教訓が、物を捨てる事にはあったのでした。
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読み進めるにつれ、おもしろみが増してくるように感じた本。作者があとがきでいうように、私も過去の自分が意識してやってきたことで、いまは忘れてしまっていることがあり、おかげで思い出すことができた。それも含めて、おもしろいと思ったことは、
♦エネルギーが強いほうに惹きつけられる
♦明日の自分に接待する気持ちでできることを前もってする
♦自分のもつ欠点に正直になる
♦おなじみの問題に安住せず少しずつ解決を図る
♦負けていいことと、生半可に負けてはいけないことを分ける
♦愛着のあるものや大切な人について、親ばかになる