紙の本
奇怪な世界
2016/10/25 06:10
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投稿者:ささかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
図書館などで借りて、いつかは読んだことがあったが、全く飽きない。何度読んでも、江戸川乱歩の世界に引き込まれていきます。
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投稿者:nn3 - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸川乱歩はお気に入りの作家。
さらに期間限定で、真っ赤のカバーであったため目を惹かれました!見た目も良し!中身も良し!!
紙の本
東京幻灯機
2023/05/27 16:53
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投稿者:ダタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
乱歩の書く東京や日本の風景は
なぜこうも魅惑的なのだろう。
戦前に作られたからくり時計が
今もまだ正確に動き
見る者をトリコにする様な魔力がある。
紙の本
『傑作選』と合わせて読み応えのある作品集
2023/04/28 21:12
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投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
乱歩の初期の作品でも読み取れるように、心理学や精神分析への興味を持っていた様だ。素人考えでもそこで扱われる症例の多くは小説の素材として想像を膨らませやすいと思われる。犯罪者の心理。倒錯した性癖。人が一皮剥かれた内側に隠しているもの。見られたくはないが覗いてみたくなるもの。乱歩世界の魅力を成している。謎解き。怪奇。猟奇。乱歩の世界を再確認するに適切な構成に感心する。初めて乱歩の世界に足を踏み入れようとする読者にも、幾度も乱歩世界に足を踏みこんで来た常習者にも、『傑作選』と合わせて読み応えのある作品集である。
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しっかりしたホラー。短編が多いものの、巻頭の石榴、巻末の陰獣はとてもよかった。もう少し細かなトリックがしっかりしていると良いな、と思ったが人の描き方やプロットは流石だと思うし、こういうホラーは良い。
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意外と読んでいなかった江戸川乱歩を改めて読んでみた。一作目から引き込まれていって、すごいなあ!ちょっと映像では怖そうだなと思うお話が多いけど、雰囲気頼みにならず、ただ不思議や怖さだけでなく、しっかりお話が組み立ててあって、どんでん返しが2回以上、雰囲気を壊さず新鮮な驚きでやってのけてるから偉大だなと思った。今読んでもこの感動なんだから当時の驚きはすごかっただろうなあ。新作として江戸川乱歩の本を読める当時の人がちょっと羨ましいです。
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文庫に収められた諸作品の発表年が1925年から1934年にかけてですから、金融恐慌やテロ、国連脱退など政情不安が続く時代背景を鑑みると大衆の不安やいらだちなどがピークに達していて、その不満のはけ口としての大衆娯楽だったわけですね。
ミステリーあり、怪奇幻想ありとバラエティに富んでる編纂です。
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どの話も、書き出しから惹きこまれる。
状況描写を読むのが苦手だが、乱歩の文体は例外。
句読点のリズムと、もったいぶった言い方と、おどろおどろしい言葉選びや例えなどが、自分の性に合ってるのかもしれない。
乱歩に限ったことではないが、「こういう話かな」と話の筋を憶測した後、読み進めるうちに、その上を行かれてしまうと「なんてスゴイ作品なんだ」と思ってしまう。
「石榴」で一回、「陰獣」で二回、思っちゃった。
なんとなく、京極堂を読みたくなった。
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「少年探偵団」のような少年少女向けの文体に馴染みがあったので、本作品集では違った作者並みに楽しめた。2021.8.1
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江戸川乱歩の名作を取り揃えた本書は、中篇2作品と短篇5作品を収録。
恥ずかしながら、本書に収録される作品に多く用いられる語り部調の作風は、どうも古めかしさを感じてしまうところがあって、そのせいか、大概の作品はそのオチが途中で読めてしまうのでした。とはいえ、乱歩作品独特の禍々しさというか、奇妙な味わいを堪能することができ、満足。とりわけ、最後に収録される中篇作品の「陰獣」は、不安の残る結末でとても後味悪く読み終えることができました。この読後感のなんともいえなさは、本書に収録される作品全てに通じるところがあって、それこそが乱歩特有の奇妙な味わいなのかなとしみじみ思うところです。著者自身の解説によると、どうやら、この「陰獣」の結末は、少なからずの非難があったようで、後の版ではこの結末を削ってしまったことがあるらしい。とはいえ、原形の方がよいと考え直し、無事、元も姿に戻ったよう。うん、戻されてよかった。
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★★★2019年5月★★★
『江戸川乱歩傑作選』は、いわゆる夢オチが多くて残念な感じだったが、『名作選』のほうは、夢オチがなくて安心した。
「柘榴」
「押絵と旅する男」
「目羅博士」
「人でなしの恋」
「白昼夢」
「踊る一寸法師」
「陰獣」
それぞれに面白い作品であったが、特に「柘榴」と「陰獣」が印象に残った。「押絵と旅する男」はホラーか。
「柘榴」は、あるさびれた旅館で、刑事である「私」が、推理小説好きの猪俣氏と過去の犯罪について語るところから、物語は「硫酸事件」へと移り、猪俣氏の恐ろしい正体に結び付く。構成としては「二廃人」に近い?
「陰獣」は乱歩ワールド全開といった内容だが、過去の男につきまとわれた美しい女性を中心とした、愛憎入り乱れた、不気味なミステリー。乱歩らしい作品。
「押絵と旅する男」。TV番組の「世にも奇妙な物語」に使われそうな設定。凌雲閣のてっぺんから美しい女性を見つけ、その女性が絵の中の人物と知るや、絵の世界に入ってしまうとは。いやはや恐ろしい話だ。
乱歩の世界観は不気味で気持ち悪くて、暗くて嫌いという人が結構いるが、僕は結構好きで、読んだらハマってしまう。
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短編と中編。新潮文庫の傑作選とこの名作選で、ワクワクしたり嫌な気分になったり、仄暗い世界に迷い込んだり、かなり楽しめます。と言いつつ、傑作選に入ってる芋虫とか赤い部屋とか、この傑作選に入ってる踊る一寸法師とかは救いがなさすぎて正直苦手。
名作選だと「押絵と旅する男」が幻想的で好き。それと読んでて楽しいのは、他の作品がチラチラ出てくる「陰獣」。陰獣は、それこそ傑作選を読んでるとけっこう判るし、わかるぶん推理が翻弄されると思う。面白い造りだなあ。
100年近く前の作品と思えない。
それはそうと、目羅博士の冒頭で原稿の催促が厳しくて一週間くらい家にいたくなくて外をぶらついてる乱歩さん、かわいいな。人でなしの恋に泉鏡花の名前が一瞬出てくるのも気になるところ。どんなの読んだんだろう。
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期待通りの面白さ。この世界観たまらん。
犯人と被害者が入れ替わる系の作品が2つ。真実が明らかになったときの背筋が寒くなる感じが楽しい。読んでる時のドキドキ感が大事。それは風景の描写だったり、犯人の狂気だったりが成す術だと思う、とにかく雰囲気作りがうまい。
「石榴」で良かったのは二人が山の中の断崖絶壁で語り合ってるっていうシチュエーション。石榴って喩えが不気味怖良い。
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同じ新潮文庫の傑作選と重複しない名作選。意図的であろうが明智小五郎は未登場。作者自身をトリックに使った陰獣や白昼の幻想世界のような挿絵と旅する男などタイトル通りの名作選。
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2018年キュンタのしおり欲しさに購入し、一年積んで読了(^^;)薄暗く、妖しく、恐くてゾクゾクするのに、乱歩の世界にどっぷりと浸る事が心地好く感じる(^-^;)この感情は何だろう。