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本篇の登場人物である作者を通して、この世の苦しみから逃れるために、物語の中に登場し、話が進められてゆく。
現実なのか、物語の世界なのか。
現実であるなら、あまりにも悲しく、物語の世界なら物語の世界だけにしてほしい。
再度に、自らの命を絶とうとする少女がおもう「一番」を踏み二次られたことの絶望に対して、同行していた少年の父親は
「君に思う一番である『夢』、『希望』、『正義』、『優しさ』、『思いやり』は一番ではない。本当の一番は『生き続ける事』。
明日を考えると怖くなる。しかし明後日はどうだ、一年後はどうだ。生きているということは何かを信じる事なんだ」という。
大切に思うことを踏みにじられ、いじめられることは本当につらい事だと思う。
いつになったら、そのようなことのない世の中になるのだろう。
重松清のテーマであろう。いつも考えさせられる一冊だった。
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夢オチとまではいかないけれど、作家が描くストーリーという設定の物語なので最後までハッピーエンドを信じました。バットエンドとは言わないかもしれないけれど、少なくも幸せな結末ではないですね。
もともとツカちゃんとエミちゃんが出てくるお話だと前情報で聞いたので、これまでの人気作品を絡めたその後の物語だと軽い気持ちで読み始めました。軽い気持ちで読んではいけなかったですね。読後のダメージが大きかったです。誰かにとって嫌いな人は、誰かにとって大事な人でもあるんです。それを後で後悔したって時間は戻せないのです。物語の中で幸せに生きていたってそれが現実でなければ辛いだけですし、発作のように突然襲ってくる苦しみや悲しみには想像力では勝てない。それでも遺された人たちは生きていかなきゃいけないなんてしんどいですね。
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どっぷりハマった。重松さんは、ホント思春期の子どもたちの心情を描くのがうまい。ラストの終わり方だけが、不満。なので、星4つ。
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500ページある小説が、ぐいぐい引き込まれてしまいます。
重松氏の代表作になりそうな一冊でした。
これまでの小説中の登場人物が多く登場します。
重松ファンにはたまらない作品。
でも、しっかりシゲマツワールドで、決してハッピーエンドでは終わらない・・
これからに対してのメッセージ。
ずっと大切にしたい一冊です。
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君達は死んでいたんだ。タケシ、ジュン、リュウ。美由紀も。センセイは作者の重松ではなかった。そしてそのセンセイも亡くなっていたとは。多くの意外な展開、イジメの想像を絶する凄まじさ。本書は無理にでも暗くならないような配慮が随所に感じられる。人間性豊かなツカちゃん、ナイフさん、全てをわかっているエミさん。これらの脇役?の素晴らしさ。イジメた子供達にも配慮が。
登場人物の土台となった小説があるのだろうか。そこから読みたかった。あるような感じがするだけだが。もしあるなら、冒頭にそのような紹介があればベストだ。
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学校や家で居場所を失った少年たちが逃げ込んだ先は、意外な場所だった。
悲しみと悔しさのラスト。残された者たちにはたくさんの後悔があったなぁ。
小説家は過去の自分の作品の登場人物が今なにしてるかなぁ〜って思い浮かべるんだって。それだけ想いを込めて書いてるんだなぁ
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古今東西、ヒトがどうして物語を求めているのかというと、死という大きな問題に向き合うためだと思います。
あいつはどうやって死んだのだろう
死ぬときってどういう感じなんだろう
死んだら人はどこに行くのだろう
死んだあいつはいまごろ何してるのだろう
こんな感じで、僕たちは死や死後という誰も答えてくれないとても大きな大きな問題を内包して生きています。そのために物語があるんだということを再認識させてくれた小説です。
「大事なのは想像力」
タケシと、リュウと、ジュン。彼らを物語として書き直すことでしか、彼らは生きることが、そして死ぬことができない。現実はあまりにも残酷です。なぜかって、最後の最後は、その死ぬということの現実を誰もが共有できないからです。周りの人間は、物語を想像し、そこに祈りを込めるしかないからです。
あんまり書くとネタバレになるので…
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ちょっと不思議な設定の小説。三層の劇中劇のような体裁を持ちつつ、劇中劇とも微妙に違う。
これは、ちょっと強引だけど、ファンタジーなんじゃないかと思う。
おそらく、重松清の他の小説に登場した人物も出てきている。
空想的なストーリーが印象的だけど、やっぱり、どうしてもこれだけは言いたい。
どんなことがあっても、自ら死を選んではいけない。
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途中から理解出来ないまま読み進めて、最後に納得。そんな作品だった。
結末は個人的に、スッキリしないかな。それでも、涙腺はやられてしまったのだけども。
はあ。辛い。
ちょっと次はハッピーエンドを読みたいな。笑
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途中から、ある予感に囚われるようになる。そして、その予感はどんどん強まり、お腹が重苦しくなっていく。
自分の子どもがこんなことになったら、と思うと苦しくてたまらない。
読み終わって何年も経つけど、今思い起こしても涙が出そうになる。
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月に一冊は読みたくなる、重松清さん。
小説家のセンセイの元にある少年から一通の手紙が届く。
行き場のない僕たち3人を、センセイの小説の中に隠して欲しい、と。
その3人は、
いじめられっ子を助けたばかりに自分がいじめの標的になってしまった少年リュウ。
自分が生まれる前に亡くなってしまった「姉」の存在に苦しむ少女ジュン。
そして、幼い頃から兄と比べられ、その兄からの壮絶ないじめに苦しめられてきた少年タケシ。
彼らはある集いで知り合い、タケシの提案で、「家出」することを決意する。
「家出先」で彼らは何人かの登場人物に出会う。
それが重松作品の過去のキャラクターのようなのだが、私は重松作品まだまだ初心者のため、ピンと来なかった。
きっと重松ファンなら、ああ、あの作品のあの人だ!
って分かるんだろうな。
物語は、センセイの視点と、リュウの視点で交互に進んでいく。
重松先生は少年たちのいじめ問題を扱ったテーマの作品が多いけど、
この作品は特殊。
少しファンタジー要素も入っている。
これは実際に3人に起こったことなのか、それともセンセイが脚色を加えて書き進める「物語」なのか。
想像力が求められる。
展開としては、悲しい。
重松作品は、ハッピーエンドではない物語も多いんだよな。
これは私の希望だけど、この作品のパラレルワールドのような、違う展開と結末が用意された物語を、もう一度重松さんに紡いで欲しいな、と思った。
リュウ、ジュン、タケシ。3人の歩んでいく姿をまた見てみたいと思った。
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3人それぞれの今までの生き方、のちに出会う人の思いなどをうけて一冊の中色々な気持ちになった。
一人一人が自分の意思を最後はしっかり持ててよかったし、とても感動した。
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いじめがテーマとなる青春小説
題名でもあるゼツメツと言うのは、恐竜の絶滅とかけており、このままでは自分たちがゼツメツしてしまうと危惧する少年少女のお話。
クライマックスはどうなっているの!?と、理解に苦しんだ箇所もあったが、自分的にはハッピーエンドと捉えた
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p.223
エミさんは「おとなをナメんな」と、笑いながら、そっけなく言った。
恵美がでてくるとは!
また、きみの友だちを読みたくなりました。
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イジメに合い、学校で家でそれぞれ居場所をなくした、中学二年のタケシと小学五年のリュウそれに少女のジュンの三人が家出する。
重く哀しい話であるが、送り主のタケシの手紙と、センセイと呼ばれる小説家の文章とが交錯し、現実と小説内が混然とすることで、その哀しみが軽減される。
三人が、センセイの小説の中の登場人物と会うことにより、化学変化を起こすような不思議な小説。
タケシが語る
「人間には誰だって、どんなときだって、物語が必要なんじゃないか、って。特にキツいとき、自分がこのままゼツメツしそうなほどキツくて、苦しくて、たまらないとき、頭の中で物語をつくりあげて、そこに現実の自分を放り込むことで救われるのだと思うのです」
「人間は誰もが物語を必要としている」
小説のひとつの効能といっていいか。