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市川拓司さんの小説はまだ一度も読んだことがないのだが、このエッセイを読んで、彼がとても魅力的な方だと言うことがわかった。タイトルに「発達障害」の言葉はあるがそれとは関係なく、ストーリーテラーとして先天的なもの後天的なものの両方でいくつもの引き出しを持っておられるところがスゴイと思った。夢の記述など共感と興味をそそられる部分も多く、今後ぜひ小説を読んでみたいと思った。
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生きづらいからこそシェルターを求める。
それが市川氏にとって小説だった。
私もパニック障害持ちで、神経質から自分ばかり目がいってしまう。
私もやはり発達障害なのかな。と思うし、そうすると社会から排除されるのかと思うと怖い。
でも、普通ってなんなんだろう。そう思う時点でおかしいのでしょうか。
と私は悶々と考えてしまったけど、市川さんは前向きだ。
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まずは、気になる項目からと読み始めた。読めば読むほど、早く発達障害の診断を受けたいと思うようになっていた自分に気づく!
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「発達障害」という病名が広く知られるようになって救われた人は多いと思う。市川さんはたくさんあるなかの一つのパターンで全ての人がこういう風に生きられるわけじゃないけど、それでも生きにくさの中で苦しんでる人にとって、もしくは生きにくそうにしている人が周りにいるときにはちょっと手に取ってみるといいと思う。
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100%理解できたわけではないが、発達障害であることがこんなにポジティブに語られてることにビックリ。
この人の書いてきた物語をしっかり読んでみたいと思う。
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最近どこかの雑誌で、発達障害関連の連載をかかれていた
ような覚えがありますが。。。
もともと、発達障害であることを公表されていましたが
最近、関連の話を多くされているように思います。
『弘海』を最初に読んだときは、まだ息子が小さかった時、
たぶん障害の告知を受けたくらいだったと思います。
非常にインパクトがあって、正直にいうと、
読んで泣きました。
『弘海』は市川さんにとって、ノアの箱舟だそうで
発達障害ってあくまでも特徴であり、人との差異であり
本当にそのために副次的な障害が起こらない場合は
才能であるということがよくわかります。
才能のきらきらした多様な子供たちが、いっぱい
あふれるような社会になったらいいなあと思います。
また、その一助ができればと本当に微力ですが、そう
思います。
また、この関係の体験を読むと、自分にも当てはまることが
いろいろあって、そういう意味では、これを障害というので
あれば、完全な健常者っていうのは本当に存在するのか
というのがはなはな疑問であることが、一層いつも
強く思うようになります。
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なるほど、著者は発達障害だったのか。今までの作品がいい意味でワンパターンだったことが納得できました。ご本人の過去についてはさらっと書かれていますが、これがなかなか凄絶。支える奥様の苦労も偲ばれます。これからもがんばっていただきたいです。
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人気作家の市川拓司が自らの発達障害について、詳しく語るノンフィクション。
かなり重症で、いろいろな症状に悩まされてきたが、すべてを前向きにとらえ、作家として成功したのはすごい!
さらに、そんな彼を受け入れ、結婚した奥さんはさらにすごい!
発達障害の人は、特定の人に対する思い入れが強く、愛情もどんどん深まっていくという。浮気など全く考えられないという。それは特筆すべき点だと思った。
草食系ならぬ純愛系?
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多様性こそ大事。当たり前のことだと理屈では分かっていても、えてして忘れてしまいがちな事実。
本書の中で、筆者特有の語り口で何度も綴られます。
自分や取り巻くものたちを考えるとき、何故?と否定的な感情を抱くことがないわけじゃないですが、全て引っくるめてそれでいいんだ、と包み込み、肯定されたような、そんな読後感でした。
多様性、マイノリティ、たいせつに守っていきたいと思います。
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残念ながら著者の本やドラマは見たことがない。ただADHD+ADの方の気持ちや考え方はよく分かる本である。加えて著者は複雑性PTSDは重なっている可能性もある。そのような多重な障害(偏りや困難)を抱えた著者がどのように生きてきて今の状況があるのか、淡々と書かれているが、偏りのない人には想像しにくいことかもしれない。著者の楽観性や自尊心がなせる技かもしれない。当事者と出会うことが多い者としては学ばされることが多い本であった。
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■AD(アスペルガー障害)の最も基本的な症状はいわゆる「自閉」であり次のうち少なくとも二つにより示される。最も基本的な僧正である「対人的相互作用の質的障害」は知的障害を合併する自閉症とは異なり別しにくく,かつ具体的に鑑別しにくいもので,自身も自分で気づいていないし親や教師にも分かりにくい。
・目と目で見つめ合う,顔の表情,体の姿勢,身振りなど対人的相互反応を調節する多彩な非言語的行動の使用の著名な障害
・発達の水準に相応した仲間関係を作ることの失敗
・楽しみ,興味,成し遂げたものを他人と共有することを自発的に求めることの欠如
・対人的又は情緒的相互性の欠如
■ADの基本的な症状として「行動,興味の限定された反復的で常同的な様式」とされ,かつて「脅迫的同一性保持行動」や「こだわり(強迫的)行動」とされたものがある。これは次の少なくとも一つにより明らかとなる。
・その強度,又は対象において異常なほど,常同的で限定された方の一つ又はそれ以上の興味だけに熱中すること
・特定の機能的でない習慣や儀式に頑なに拘るのが明らかである
・常同的で反復的な衒奇的運動
・物体の一部に持続的に熱中する
■ADの人は「人間」ではなく「機械(器械)的なもの」や「自然(動植物)」に熱中することが多い。
■種全体の絶滅を免れるためには「生物的多様性」が不可欠。
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発達障害の場合の『普通』と『障害』の境界がどこにあるかを考えたとき、
どんなにADHDやADに症状があてはまったとしても
普通に学校や社会で適応して生きて行くことができれば、厳密には診断基準に該当しないのだそうだ。
なんだ・・・そうだったのか。
それだったら、学校や社会が発達障害に対する理解を深めて受け入れていけばいいことじゃないか。
ただでさえ生きづらさを感じている人たちを
更に追い詰めるような世の中じゃ駄目だよね。
(何しろ、一般人口の10%以上も発達障害の症状を持つ人たちがいるらしい!)
そんなにたくさんの人がいるなら、もうそれは個性ではないのか?!?
市川拓司が語る自分自身の障害は
壮絶なまでの困難さであるけれども
それを真っすぐに受け止め誇りにすら感じている姿は
発達障害を持つ人には共感を、その親には安堵を、発達障害をよく知らない人には
好ましい興味を抱かせるのではないかと思います。
素敵な本でした。
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市川さんの「偏り」っぷりは半端ではないですが、語り口に悲壮感はなく、むしろちょっと誇らしげ? あくまで客観的、ユーモラスな調子なので読んでいて清々しい。共感覚やトランス体質のエピソードは、そんな世界もあるのか! と驚かされます。
発達障害でない人のことを「定型発達者」というのですね、初耳でした。この呼び方と(定型ってなんとも)、たぶんそうである自分に、一抹の切なさを覚えてしまう......? それくらい、市川さんのほとばしるポジティブは打撃力大。
発達障害の人も定型の人も、だれが読んでも元気をもらえます。
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特別支援教育の雑誌に紹介されていたので、ネット注文。「障害だからできたこと」という、タイトルがとても気に入ったので。
読み始めると止まらない。とにかくすごいエピソードの数々。まさに事実は小説より奇なり。しかしそんな中にも、自分にも似たようなことがあると、共感することもできる。
後半は少し難しい話もあって、ペースダウン。でも、発達障害の専門家による解説もあって、特別支援教育や発達障害について勉強したい人にとっては、とてもお勧めの本です。
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実は、市川拓司さん大好きなんです。
「いま会いに行きます」「その時は僕によろしく」など、一体何冊買って友達にプレゼントしたことか。
なんでこんなに私はこの人のことが好きなんだろうと思っていました。
その謎がこの本を読んで解けました。
もともとこの市川さんという方、川村元気さんのようにプロデューサーや広告代理店から上がってきたような方なのかなと思ってたんです。
だから、恋愛あり親子愛あり友情あり、SFのような展開あり、びっくりさせるようなオチがあり、というてんこもりのエンターテイメントに富んだ小説が書けるんだなと。
全く違ったんですね。
彼が描いている主人公は彼そのものであり、波瀾万丈なエピソードは彼の妄想から来ている。アスペルガーとADHDがミックスされた側頭葉型の発達障害だそうです。
でも面白いのが、先生によりますと「きちんと家庭生活も送っていて作家というある程度のステータスのある職業をこなしていると障害じゃない」そうなんですね。
本人が社会的に適応できないような何かを抱え
ている場合でないと障害にならないそうです。
この場合は「発達障害」と言わないで「発達特性」と言うんですね。
彼を支えたのは「愛」。
月並みな言葉かもしれないけど、発達障害のある方とつきあうのは並大抵ではない。
人間関係の凸凹は誰にでもあるけれど、その「凸凹」の穴を埋めるのに、腕一本をぐっと突っ込んで埋めなければならない。
自分が身動き取れなくなるのだ。
愛を注いでくれたお母さま、奥さまがあったからこそ、彼は発達「特性」でいられたんだ。