紙の本
何度でも読み返したい本
2016/10/28 21:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よんよん - この投稿者のレビュー一覧を見る
初・柳美里作品。
ずっと読んでみたいなと思っていた作家のうちの一人でした。
最近のネコブームに便乗したようなものでは決してない、重く、でも大切なものがこの一冊に詰め込まれているような内容。
淡々且つ優しい語り口が、よりストーリー内容を引き立たせているように感じました。
号泣必須です。
これを機会にほかの柳美里作品も読んでみたいな。
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久々に感動を与えてくれる本に出会った。読み終わるのが勿体無くて何回も読み直しながら読み終わった。最初の章から涙が止まらなかった。物語口調で書かれているのも良かった。柳美里さんの小説は何冊か読んだ事があるけれど、こんなに優しい文章を書く人だと思ってなかった。優しい中に現実の残酷さを淡々と綴っていて、途中辛くなったりしたけれど、最後の締めくくりで物語が繋がった。人と人との縁や優しさや温もりに気持ちがほっこりする場面もあり。何より猫の持っている癒しを知っているだけに読んでいて、うんうんと何回もうなづいたりした。この小説は多分私の宝物になるだろうな!装丁もとても綺麗。読んで良かった。
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小さな小さな、まだ目もあかないような仔猫が
無造作に公園に捨てられたり、
猫嫌いの人が置いた毒団子を食べて、
仔猫のお母さんが死んでしまったり・・・
どうして柳さんはこんなかわいそうな話を書くのかと
憤ってしまうくらい、悲しい出来事が次々と起こります。
でも、よくよく周りを見てみれば
悲しい目にあっているのは猫だけじゃない。
親に愛されなかった人や、愛する人を亡くした男
友だちに意地悪された少女、
みんなどうにもならないことを抱えながらそれでも日々を過ごしているのだ
小さな猫たちから温かさと長閑さをわけてもらいながら。。。
最後の物語が、救いのように
一筋の光になって心に差し込んできます。
読んで良かった。
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職場でおすすめされました。捨て猫の多い町で、猫をひろった人と家族のお話。初めて柳美里さんの作品を読みました。地の文と主人公視点と猫視点がまざってごっちゃり?していて、そちらのほうが気になってしまって……
ひとまず、ふわふわの猫はかわいいってことで。
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悲しいこともかいてあったけど、きっと優しい気持ちでゆっくりかいたんだろうとわかったから、ゆっくり読みました。
だいたいの動物は好きだけど、猫には特別幸せでいてほしいと思う。自分の猫だけじゃなくて全猫。それで、猫好きな人は全員博愛家でいてください。みんなで猫を大事にしよう。
先月わたしの猫が死にました。誰にも、普通の人には誰にも今まで言えなくて、一人で悲しく過ごしたけど、楽しい思い出ばかりで、これは大きなドーナツの一部分で、これからもわたしは全猫を愛す。
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柳さんの作品を読むのは、
かなり、お久しぶりです。
生れてすぐに捨てられた子猫と、
それを拾って共に暮らす老女…。
老女は、痴呆のため引き取られ、
子猫は、再び、ノラ猫となる…。
再び、ノラ猫となった子猫は、
6匹の子猫を産み、母猫となる…。
しかし、子猫を残し、悲劇的な死を。
1本目の短編は、哀しぃお話です…。
そして、残された5匹の子猫たちは、
4人の飼い主と、運命的に出会い…、
様々な事情を抱えた、各々の家庭で、
家族の一員として、幸せに暮らす…。
そして、残りの1匹は…。
人の優しぃ一面と醜ぃ一面が交差し、
単にハートフルなだけに収まらない、
厳しぃ側面も、しっかりと描きつつ、
要所々々で、ホロリとしました。
若干、最後の方がくどかったけど…、
ぐるっと一周しての、ほっこりした、
いぃ感じのエンディングに至るまで、
とてもステキな家族小説?でした…。
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柳さん初読み。理不尽に公園に捨てられた一匹の猫とそのこどもたちのお話。保健所で「処分」されたり、毒団子を食べてしまったりと、野良猫の悲しい末路が描かれるけれどそれもまた現実。一方、猫を飼う人の側にも悲しい現実があって…。淡々としたタッチで、猫がもつ癒しの力を描き出している。温もりが感じられるラストがいい。
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なんだか物悲しくなってしまいました。
すべての猫たちが、そして人達が幸せに生きられますように。そう願ってしまいます。
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猫を題材にした柳美里の小説。
猫に限らず小動物を飼ったことがある人なら、きっと共感できるかと。
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子猫が捨てられた公園から物語が広がっていく。
拾い育てたおばあちゃん、この公園に毎日訪れる田中さん、
近所の小学生たち、その家族。
大人になった猫が産んだ子猫たちから又広がる物語。
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カモメ動物病院の港先生、光町こども会会長の田中さんは4つの話にすべて登場する街のねこを大事にする町民。光町の元ノラ猫とその飼い主4話のお話。おばあさんの痴呆が進んだり、不登校の中学生がいたり、母子家庭だったり、妻が末期癌だったり、猫がいる4つの家族にはそれぞれ事情があるのですが、最後の最後に、登場人物がひとまわりして、老人ホームと老犬/老猫ホームでおばあさんと猫のニーコが再会。おばあさんは記憶が遠くなっているのだけれど、地域の住民と猫を見守ってきた田中さんは、飼い主と飼い猫が再会できたことにただひとり気がついており、そこに感動しました。
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人間のエゴと愛を猫を通じて感じた。いとも簡単に捨てられた小さな命。ある人は猫に死を与えるし、ある人は生を与える事が可能だ。小さな命が奇跡的に育つ姿、そしてそれを育てる人たちの抱えている事情が温かくもあり、残酷でもある。果たして公園にいる野良猫にエサを与えることは優しさなんだろうか、それとも自己満足なのだろうか。猫には自分で生を選べる選択肢は少ない。「おうち」が無い猫の実情を目の当たりのして心がヒリヒリする。久しぶりの柳美里さんの本だが、構成が見事。猫だけでは無い。人は生きている物に対して責任を持つべきだ。
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猫と人間の、優しくも厳しい、現実の姿が容赦なく書かれた本。
猫好きとしては、1話目で「このまま読み続けられるだろうか」と不安を感じたものの、心を強く持って読了。
捨て猫、保健所、猫取り業者、毒入りの餌、不登校、いじめ、老後、離婚、母子家庭・・・
猫のしぐさが可愛らしく書かれていると同時に、ダークストーリーが容赦なく綴られる、でもこれが現実。
ですます調の地の文と、登場人物の思考の文が、ころころと切替わって少し読み辛い。
嫌いじゃないけれど、救われない話でモヤモヤした。
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捨てられた子猫
母親になって6匹を産む
それぞれの物語
人間との交叉
やりきれない問題も描きながらやさしさがあふれる
自分の体験も想いながら
すてきな登場人物にエールを
泣きました
うちの元ノラ三匹とガレージのノラに幸あれ
あーこんな老人ホーム探しているのです、ワタシ!
≪ 信じてる その目に弱いの おばあちゃん ≫
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公園に捨てられた猫をめぐる人々の物語。
どこか童話的な語り口です。
柳美里さんがこんな本を書くとは思わなかった‥
雑種だからと、あっさり捨てられてしまった子猫。
近所の猫を気にかけ、時々えさをやっていた渡辺さんのおばあさんが、飼うことにします。
ニーコと名づけた猫と、とても仲良く暮らしていたのですが‥
おばあさんが病気になって入院させられ、ニーコは再び公園へ。
6匹の子猫を生みます。
生き延びた子猫たちを拾う人も、飼えない人も、それぞれに事情がありました。
子供の間のいじめや、猫嫌いの人‥
容赦のない現実も、太い筆で描くようにばっさり書かれていますが。
動物病院の先生や、すべてを見守っている人も。
そして、かって捨てた経験を悔やむ人もいました。
老人ホームで猫を飼うことにして、暮らす人の心を癒すとは。
記憶もあまりなくなっているおばあさんに駆け寄った猫、おばあさんがニーコと呼んで撫でている猫。
涙せずにいられません。
こんな老人ホームに住みたいものです☆