投稿元:
レビューを見る
日本の近現代に起こった対外戦争史について紹介。
冒頭は白村江の戦いで始まり、薩英戦争~アヘン戦争~終戦を知らせる「玉音放送」に至るまでを時代の流れに沿って進みます。この解剖図鑑シリーズは何作か手に取っていますが、精緻で豊富なイラストと、コンパクトながら分かり易い解説で毎度重宝しています。また、編著者の方の主観をすっぱり削いでいるところにも好感が持てます。
今回は日本の戦争を扱っているということで内容としては重く、データとして各戦争の「年月」「場所」「戦力差」や「犠牲者の人数」等も記されています。犠牲者数○万人という一括りの数字の中に、一人一人の人生とその人に関わった多くの家族や友人の怒りや悲しみや覚悟といった感情があったと思うとやり切れない気持ちにもなります。
投稿元:
レビューを見る
日本近現代史をイラストで分かりやすく解説した一冊です。各ページのフォーマットもまとまっているので、歴史の知識が楽しくスッと頭の中に入ってきます。
投稿元:
レビューを見る
イラストがたくさん使われ
特に戦闘が行われた地形が載っているのが
大変分かりやすく 想像しやすかったです。
最初の快進撃から一転して、むごい犠牲を出しつつ
なかなか戦争がやめられなかったのは
読んでいて大変辛いことでした
潮目が急に変化していて柔軟に対応できなかったのが
原因かなぁ
投稿元:
レビューを見る
実際の写真等はなく、名シーン等をイラスト表記のところが自分にとっては残念なポイント
だた、日本の戦争が簡潔に書いてあるため、入門についてはピッタリ
裏話も要所にあるのも面白い
投稿元:
レビューを見る
日本が過去に外国と行った数々の戦闘について、個々の経緯や日本や他国が採った戦術、武器などをイラストともに見開きで紹介していくもの。ほとんどは日清、日露の戦争から昭和までだが、白村江の戦いとか古代の戦争やアヘン戦争のような他国間の戦争についてのページもある。
一見やや右な感じもするけど、その色は全然濃くない印象で、純粋に日本の近現代史を知るための本、として読むことが出来た。高校の日本史の勉強だったら〇〇戦争の経緯が数行で記述されるところだが、〇〇戦争のはじまりは〇〇海戦で、そこから続く〇〇会戦、〇〇の戦い、〇〇作戦が1つ1つ説明されるので、それぞれ印象深いものとなる。以下、印象的だったところのメモ。「平壌の戦い」で英雄となった原田重吉という人は、「除隊後は壮士芝居の役者として自らの役を演じて問題となり、金鵄勲章は没収された」(p.37)そうだ。自分の武勇伝を演じるというのはどういう気持なのかなあ、面白そうだけど、と思った。でもやっぱりこういうのは問題になるのか…。「旅順港閉塞作戦」は「観戦武官として米西戦争に参加した秋山真之が、サンチャゴ閉塞作戦から発想」(p.56)したものらしい。観戦武官?そんなのがあるんだ。米西戦争の舞台に何らかの形で日本人がいたというのが驚き。第一次世界大戦で日本の参戦、というのがあるけど、具体的には「地中海航路の護衛を担当するため、マルタ島に派遣」(p.84)したらしい。マルタ島と日本軍というのもイメージが湧かず、意外な感じ。あと各戦闘のページで「そのとき世界は?」のようなコラムがあり、歴史を理解する上でとても役に立つが、そこにも興味深い情報があって、例えば五・一五事件、二・二六事件のあたりでドイツではナチスが第1党になった、という説明があるが、そこで「ナチス式敬礼はローマ帝国のローマ式敬礼をムッソリーニのファシスト党がイタリアで復活させ、ナチスがドイツで採用したもので、ヒトラーのオリジナルではない」(p.05)んだそうだ。知らなかった。ゲルマン民族なのにローマ式敬礼って、と思った。同じヒトラーの話で、「パリは燃えているか?」という言葉はドイツの降伏前にヒトラーが叫んだ言葉だというのを知った(p.135)。加古隆のオリジナルではなく…。で、そういうドイツにも日本の特攻隊にあたる「エルベ特攻隊」(p.144)というのがあったそうだ。日本特有という訳でもないらしい。そして「マレー作戦」のときの「そのとき日本は?」というコラムでは「ゾルゲ事件」(p.109)が説明されているが、なんか名前は聞いたことあるけど、こういう話だったんだというのを初めて知った気がする。あとマレーと言えば「マレー沖海戦」では鹿屋航空隊がイギリスの戦艦を沈没させ、チャーチルが「戦争の全期間を通じて、私はこれ以上のショックを受けたことがなかった」(p.110)と回顧したというのが印象的。最後に「戦艦大和の最期」(p.150)について。「時代は戦艦から航空戦力へと変化していた」のにもかかわらず「史上最大の戦艦は、誕生と共に時代遅れとなって」(同)おり、沖縄へ向かう途中、主砲を一発も打つことなく2時間弱386機から攻撃を受けて徳之島沖で沈没したらしい。時代の風をうまく捉えられない結果として起こる悲劇の中でも結構大きいものである気がする。ちなみに、この大和が始まりなのかどうかはよく分からないけど、船首の下の部分が膨らんでいるあの形は「球状艦首(バウバスバウ)」と言って、造波抵抗を減らして速度を上げることが可能らしい。「戦後は世界中のすべての船舶が採用した」(p.151)という技術なんだそうだ。大学生の時に呉市の「大和ミュージアム」に行ったけど、こういうことを忘れてしまっていた。
単純に日本の歴史を知るということで役に立つけど、例えば自衛隊の人とか、戦史というか戦術、戦法について過去の歴史から学ぶような授業?みたいなものが当たり前のように受けたりするんだろうか。例えば「丁字戦法」とか。そういう学問の分野みたいなものがありそうだというのも興味を持った。(21/05/18)
投稿元:
レビューを見る
序章で白村江の戦い、元寇、秀吉の朝鮮出兵など古い時代の戦争に触れた後、幕末から近代を経て太平洋戦争終結までの日本の対外戦争を詳解してゆく。日清戦争前夜、日露戦争前夜など日本を取り巻く情勢にも紙幅を割き、世界史の中の日本というグローバルな視点で歴史の流れを見ることができる。あまり注目されない第一次世界大戦から日中戦争までの理解もスムーズに進む。
特に日清戦争は朝鮮半島で、日露戦争は主に中国東北部で繰り広げられていたことをきちんと認識している日本人がどれくらいいるだろうか。中学・高校での近現代の歴史教育が不十分であることを大人になるとひしひしと感じる。日本が行ってきた戦争がどのようなものだったか学ぶことは、中国・韓国との国際関係の改善に繋がっていくはずだと思う。
第二次世界大戦、太平洋戦争においては、日本は加害者でもあり被害者でもある。多くの餓死者を出したガダルカナル島の戦い、無謀なインパール作戦、サイパン島・硫黄島玉砕、特攻などの悲惨な結果と東京大空襲、沖縄戦、広島・長崎への原爆投下に至るまでの国内の甚大な被害は、読むごとに戦慄と深い悲しみを覚える。
時代が進むにつれ大量破壊兵器が発達し、犠牲者数がケタ違いに増えていくのが読んでいてつらい。だが一つ一つの出来事を見開きで取り上げて丁寧に解説し、非常にわかりやすく読みごたえのある本になっている。日本の対外戦争を学ぶ上で非常に頼れる一冊。
※購入してから著者がいわゆる保守の人であることに気づきヒヤッとしたが、内容には偏りがなくヘイト表現や民族差別的な記述もない。歴史書を選ぶ時に内容が右か左かは出版社で判断しており、建築書の専門版元であるエクスナレッジならばと思い手に取ったが、もう少し中立の歴史学者を選べなかったものか。そこだけが残念だったので☆マイナス1点。
投稿元:
レビューを見る
某明治時代の漫画にハマり、日清日露について知りたくて手に取った本。一つ一つの戦いについて詳細に解説されており、分かりやすかったです。
投稿元:
レビューを見る
良くまとまってるので辞書的な形でそれぞれ詳しく調べるための参考にしてる。もう少し詳しく書かれてれば星5だった