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【『デブを捨てに』の最悪劇場、ふたたび降臨】最悪劇場は、『デブを捨てに』ではまだ終わってはいなかった。淫売宿に突如現れた動物たちに、戦々恐々となる表題作ほか、全四編。
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ホラー小説家 平山夢明氏の短編集4作。
結局、ホラー小説より怖いのは人間。
それも、霊魂とか恨みを持って死んだ人とか、そういうややこしいのではなくて、普通の人間がちょっと趣向を変えると、物凄く恐ろしいことができるという事を赤裸々に描く。
ヤギより上、猿より下。
この言葉は、本書を読まなきゃ意味はわからない。
ヤギより上、猿より下。
可愛い想定とは全く違う内容。
ヤギより上、猿より下。
エグい内容の本が好きな人にはオススメ。普通の人にはちょっと....
それでも、読んでみたいならオススメ。
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某テレビ番組で「読書芸人」がオススメしてたので読んでみました。
タイトルのお話が一番歩み寄れなかったのですが(アブノーマル過ぎる…。。苦笑)、総じてグロいけど面白い。グロオモ??
「陽気な蝿は二度、蛆を踏む」はラストで迂闊にも感動してしまいました。
初平山夢明でしたが、また読んでみよう。
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2017/1/19
グロいけど、すき。
「陽気な蝿は二度、蛆を踏む」はエッ平山さんこんな終わり方しちゃう?!泣いちゃう!て驚いたけど、他はまさに平山ワールド。
前作の「デブを捨てに」がかなり好きだったけど、これもまた人には勧めにくい一冊。
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「これが読みたかった」
1つ目の収録作品である『パンちゃんとサンダル』を読み終えたときに感じたことである。胸糞悪さと絶望感が押し寄せてくるのと同時にやってくるやけくそとも取れる爽快感が、得も言われぬ快感をもたらしてくれる。久しぶりに読んだ平山氏の作品であったが、相変わらずの内容に安心してしまった。だからこそ、『婆と輪舞曲』の王道な内容に幾何かの落胆を覚えてしまったのは、私が平山氏に毒されている証なのだろうか。
その他の『陽気な蠅は二度、蛆を踏む』はハードボイルド風で格好良かったし、表題作である『ヤギより上、猿より下』はまさかのタイトル通りで恐れ入った。そして何よりも手に取る者を遠ざける表紙のインパクトが凄まじい。おそらく私も平山氏を知らないでこの表紙を見たとしたら、十中八九手にはしていなかったことだろう。初見がこの本でなくて本当に良かったと思う。
これからもこのスタイルでやりたい放題に作品を書き続けて欲しいと思う。
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安定の夢ちゃん節。
内容もさることながら、この人の節回し(としか呼べない。文章のテンポというにはあまりにも唄に近い)は信じられないほど練りこまれていることに毎回驚かされます。
「パンちゃんとサンダル」
sinker~無垢の祈りの系譜に連なるやつ。相変わらずひどい。
「婆と輪舞曲」
出てくる奴らがどいつもこいつも糞。刑事がいい味出してました。
「陽気な蠅は二度、蛆を踏む」
タイトルに失笑したが、読了後タイトルに落涙。
「ヤギより上、猿より下」
娼婦たちの売り上げを発表する際に「ヤギより上!猿より下!」とコールするババアが最高。インコのくだりに目が点(ちょっと考えて意味が分かりました)娼婦たちのキャラクター造形が最低で最高。あふりかさんの「俺は5万だった」に腹が捩れました。
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この著者の作品はどれもちょっとグロいんだけど、不思議と読後感はスッキリします。
4作の短編集。
面白かったです。
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カズレーザーがオススメしてた本。
オムニバス仕立てだけど、まー、ほとんどが残酷非道、ハチャメチャすぎてどんどん引き込まれる。感情をかき混ぜられて、読後感がいろいろヤバい。この人の作品初めてだったけど、もっと読んでみたい。
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数年前に無力感で少し狂ってしまった自分には最高に面白い平山作品、ほぼ全ての作品を読んできた。
実際にあるはずの救われない現実を独特の表現力でデフォルメして娯楽化したストーリー、それを読んで楽しむのは、カイジで描かれているような、底辺の人達が命がけでゲームするのをお金払って酒飲みながら見物している金持ちの姿を髣髴するけど、面白いんだからしょうがない。
平山作品は、一種のノンフィクションのような気がする。そこが何よりもホラーなところ..
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短編集。
おもしろかったけれどヘビーなお話もあってちょっと辛かった。最近読んでいたのがヘビーじゃないものがほとんどだったからかも。
殺し屋のお話が印象的だった。
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[パンちゃんとサンダル]
父は母を毎日殴る。母はおかしくなって子供と死のうとする。学校では、ころしやとからかわれる。外国人のアレキサンダルに金目の物を渡して消してもらおうとしたが、次の日になったら消えていた。どうしようもなくて父が殺したことに見せかけて母を殺す。
あんまりな話だけど最後、警察に連れていかれる父に対して、出てくる頃には負けないほど強くなっていると思う。9才でこんなことがあったのに、前向きに考えられるてことはちょっとだけ未来は明るい。
[婆と輪舞曲]
仕事もなくて、30年前にいなくなった娘を探し続けている婆さんの手伝いをして小遣いを貰っている生活。そんな時に別れた奥さんから家出した娘を探してくれと頼まれる。
そこまで山場はなく娘は押し入れにいたし、婆さんの娘を攫った人はなぜかいつも話を聞いて貰っていた奴だった。
見所は婆さんのイカれっぷりかな。
[陽気な蝿は二度、蛆を踏む]
ハードボイルドな話。
エンジンはなるべく標的のことを知ってから殺しをする。轢き殺し、生命保険詐欺がいつもの手口。
コーエン兄弟のノーカントリーみたいに撮って欲しい作品だった。無機質でサッパリしているが、ちゃんと考えたら登場人物の絶望は凄まじい。エンジンもそうだが、キジマも殺されると分かって素直に来た。今までの人生が余程だったのだろう。
平山作品は無国籍な小説。この作品もアメリカの片田舎が合いそうな雰囲気だ。
一番いいシーンは、車の中にキジマからのプレゼントのコイーバと、メモには「今までの、全ての誕生日に」と書いてあった。
[ヤギより上、猿より下]
これは淫売たちのREDだ。ブルース・ウィリス主演のあの映画は元殺し屋のアクションだが、この作品は売春婦と敵と動物しかいない。売春婦だってどこにも行くところが無いような50過ぎの女たちだ。
あまりに仕事がなくて店が潰されそうになったので、店主のオバチャンが猿とヤギに客を取らせようとした。そうしたら猿にたくさん客がついて、他の女たちの売り上げを抜いてしまった。その猿のポポロを巡って話は回る。
表題を見て、まさかこんなぶっ飛んだ物語だとは思わなかった。全体的にコミカルに書いていて、終わり方も絵本みたいだが、もちろん子供には見せられない。
前作もそうだったが、やはり物足りない。独白する〜の時のような狂気の描き方が無くてシンプルだ。他の仕事が忙しいのだろうか。短編で書きなぐるなら、長編をじっくり書いて欲しい。
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デブを捨てにが圧倒的に面白いと思う。動物の売春宿?なんだかよく分からない。筆者は実話怪談は無茶苦茶面白いけど小説はどうもちょっと。
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面白かった!味わいの異なる4編が楽しめました。いやぁ、やっぱ、夢さんすごいや。お気に入りは「婆と輪舞曲」。続編書いてくれないかなぁ〜。
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2019年、3冊目は、平山夢明の短編集、4編収録。
今回は、各タイトルに一言コメントを添えて。
パンちゃんとサンダル:お得意のDVモノ。展開はソレ程目を引くモノではないが、オチとラスト一行でヤられる。タクムみたいな少年が、もしかしたら、ボンベロやトゥエルヴのようになるのかもしれない。
婆と輪舞曲:金のあるヤツも、ないヤツも揃いも揃って、どっかネジがゆるんでたり、腹に一物抱えてたりする。一番マトモなのは、第一印象最悪のチョーズカ刑事かもしれない。
陽気な蠅は二度、蛆を踏む:個性的な殺し屋が登場する、平山流ハードボイルド・タッチ、ややライトver.。いい感じの、どぅしようもなさが漂うラスト。
ヤギより上、サルより下:最下層の売春宿を舞台にした、コミカル活劇。スラングと隠語だらけの下衆な会話回しの素晴らしさ。
もぅ、海外のペーパーバック・スタイルの装丁からして、凝ってる。下品で、グロで(平山作品にしては軽めだが)、最低&最悪だが、クソ面白い‼️
平山さん、DV体質、競馬で1500万以上女の金使い込む、ムード歌謡グループメンバー主人公、何ていかがでしょうか……(笑)。
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メルカトルとダイナーしか読んでいないけれど、読書芸人でこの本をカズレーザーが紹介したとき、えっ?大丈夫?と思ったものです。やっぱり大丈夫じゃないですね。前記作品と比べたらスリムだとは思いますが、それでも作風はそのままで、私は逆に安心してどっぷり世界につかりました。子供の作文のようにですます調で語られる一作目も、そうきたかと思える二作目も、思わず涙が零れそうになった三作目も、読後ため息をつきましたが、何よりラストの表題作のインパクトときたら!…言葉が思いつきません。改めて、人には薦めません。でもすごい好き。