紙の本
先が気になる展開
2022/04/07 09:59
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投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
アイスランドが舞台としり読んでみました。DVの描写があまりにもひどくて、読むのがつらかった。でも、先が気になって読むのがやめられず一気読みしました。これはシリーズだったんですね。地味な印象の主人公の刑事ですが、不思議と気になるので、続きもよみたいと思います。
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シリーズ第2弾。
舞台は世界最北の首都アイスランドのレイキャビクです。
幼児がおしゃぶりしていたものが実は人骨だったという、
衝撃的な始まりで物語は幕を開けます。
骨は郊外の造成地に埋まっていたものなのですが、
数十年前のものと思われ、
事件性があるものなのかどうかもわかりません。
その後の捜査は淡々と進んでいきます。
物語は第二次大戦のころの出来事と、
現在の場面とが交互に描かれ、
次第に真相が明らかになっていきますが、
そこに描かれているのはやりきれなさを覚えるものでした。
同じようなことはいまも世の片隅で繰り返されています。
なぜこのようなことが起こるのでしょう。
この物語では
戦争が暗い影を落としていることは否めませんが、
かといって戦争がなければ
この事件は起こらなかったとは思えません。
人間はだれしも、どこかに暴力性を秘めていて、
その性に逆らえないのかもしれませんね。
捜査官も含め、
登場人物の多くは重荷を背負って生きている人たちです。
誰もが生きているかぎり、
多かれ少なかれ荷を背負うことになります。
年齢を重ねるごとに荷が軽くなる人もなかにはいるでしょうが、
多くの場合は荷が増え、重さが増していくことになります。
読んでいて辛くなるほど悲惨な物語ではあるのですが、
本作は英国推理作家協会が主宰するCWAゴールドダガー賞と、
国際推理作家協会北欧支部のスカンジナヴィア推理作家協会が
北欧5ヶ国の最も優れた推理小説に贈る文学賞である
ガラスの鍵賞を受賞しただけあって、
ストーリーは二転三転、予想を裏切る展開をみせ、
ついつい惹き込まれてしまいます。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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アイスランドを舞台としたミステリー。
前作の『湿地』はその一冊しかないときに読んだのでその続きますと知っていたけれどタイミングがズレてしまって残念。
満を持してついに!積ん読解消。
北欧のミステリー、このアイスランドも。
さて、物語は…
並行して描かれる家族のストーリーは余りにも暴力的で辛く悲しい。
みつかった昔の人骨の正体と、ストーリーとどう繋がってゆくのか、ページを捲る手がとまらなかった。
シリーズなのでまた、読み進めたいと思う。
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図書館で。
DV被害にあっている女性と親子の描写が本当につらい。なんでこんな風に自分の配偶者や子供に暴力をふるうのか。暴力というものの便利さや、自分の強さや価値みたいなものをそこに求めるとそうなっちゃうのかなぁ?恐れられることで一目置かれている、みたいに捉えているからなのか。こんな男でも殺したら殺人の罪に問われるんだから納得いかない…。この男が殺さない程度にずっと妻や子供を虐待していた苦しみや痛みは裁かれないのだろうか。
逃げたくても逃げられない状況というのも又恐ろしい。そして怖い事にこういうケースがフィクションではなく現実にも繰り広げられているという事なんだよなぁ。ああ、ヤダヤダ。どうたら被害は無くなるのかなぁ。
主人公と娘は正直なんかう~ンって感じです。男性は特に、子育てに参加することによって「父」になるという話を聞いたことがあるので、そういう意味では主人公は父になる前に逃げた男なので今更父親ぶっても、という娘のセリフはごもっともかもしれない。が。そんな父とどうなりたいのかよくわからに娘の行動の方が不可解。助けてほしいのか、ただ単に父を蔑みたいのか。同僚が麻薬中毒者だし同情の余地なし、みたいな事を言っているけど正直ちょっと同感。娘に必要なのは矯正施設ときちんと彼女の話を聞いてくれるカウンセラーじゃないだろうか、なんて思いながら読み終えました。
後、フィアンセの話は蛇足のような…?
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アーナルデュル・インドリダソンの作品は全部読んでいる。北欧の暗い心情が何となく日本の侘(わ)び寂(さ)びと共鳴する。エーレンデュル捜査官シリーズは現実のリズムを奏でて振幅の大きいメロディーを拒む。頑ななまでに。
https://sessendo.blogspot.com/2021/05/blog-post_11.html
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本作は、2003年ガラスの鍵賞と2005年ゴールド・タガー賞受賞の2冠の作品で、''湿地''に次ぐエーレンデュル捜査官シリーズ第2段です。
・ガラスの鍵賞とは、国際推理作家協会北欧支部の五カ国アイスランド・スウェーデン・デンマーク・フィンランド・ノルウェーでスカンジナヴィア推理作家協会が最も優れた推理小説に贈る文学賞です。
・ゴールド・タガー賞とは、英国推理作家協会(CWA)が選ぶ最優秀長編賞です。ちなみに次点作品にはシルバー・タガー賞が贈られる。
レイキャヴィクから東にある新興住宅地の建築現場の地層から人骨が発見された。
肋骨をしゃぶっていた一歳の赤ちゃんが最初の関係者だ。凄いぞ、骨つきチキンと間違えたのか原始人のDNAが覚醒したのか…のっけから驚きでこの後の展開が楽しみだ。
白骨の洋服の朽ち果て具合から70年近く前の遺体だとの想定でエーレンデュル、エリンボルク、シグルデュル=オーリの3人は当時の付近の住人関係者を探し始める。
白骨の発掘が遅々として進まない中で当時そこに住んでいた家族が浮かび上がった。常習的にDVをする夫に怯える妻、障害を持つ長女と2人の男の子の5人家族。また、その家族に家を貸している資産家の婚約者も当時行方不明でこちらも被疑者として捜査対象となった。
白骨は、不幸な家族の1人なのか? 資産家のフィアンセなのか? 単なる行方不明者の遺体か?
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面白かった。
ぜひ続編も読みたい(文庫で)
どうでもいいけど、部下による主人公エーレンデュルへの嫌味・皮肉が
意地悪過ぎて気になる。アイスランド人にとっては普通のコミュニケーション?
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住宅街で人骨が発見された。
長い時間土中にあったと思われ、
身元を示す手掛かりは皆無。
ここでいつ、何が起きたのか
雲を掴むような捜査が始まる。
エーレンデュル警部シリーズの2作目。
遺体が発見され、被害者がどんな人物
だったのか、何が起こったのかを
メインに進むのは前作とよく似ていた。
更に、手掛かりになり得そうな
キーワードが提示されるが、
その意味が全く不明な所も共通。
だが、また似たような話かとはならずに
物語に熱中させる作品だった。
扱われるテーマの奥深さ、悲惨さ、
不愉快さ、真相を追う魅力、読み応え、
全体的に一段階上をいく作品だった。
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なんとアイスランドの推理小説作家。同国では姓名が無いとのこと!!!
少し暗いけど、その国の様子がわかり、とても面白かった。
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なんだこの苦しさ…。前作同様の雰囲気。なのにページを捲ってしまう。本当にやるせない…なんでこんな人たちのせいで傷つく人が出来てしまうのか。幸せになれるはずの、とても優しくて強い人たちなのに。
今この時代も同じ思いをしている人がいるだろう。そう思うととてもやるせない。
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前作に引き続き陰鬱なアイスランドの曇り空の下で展開される物語のイメージだけど、全然嫌いじゃないし、むしろ好き。
DVの描写はキツかったけど、おそらくこれは最後には……?みたいな推理も読みながらできるし、エーレンデュルの過去にも触れていて、一度も飽きなかった。
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男の子の拾った骨がいったい誰の骨なのか。最近のものではないということしかわからず、古代のものの可能性もあり考古学者が時間をかけてゆっくり掘り出す間、エーレンデュルたちが過去をすべて掘り起こしていく手法は見事でかなり読みごたえがありました。絶対この人だと思ったひとだったかどうか、最後までぐいぐい引っ張られて読めました!
さて、次は読書会課題の『声』に真剣に取りかかるぞ!!
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事件を追う刑事たちと、その刑事たちが抱える私生活上の葛藤を並行して描く手法は近年よく使われるが、本書では物語に厚みを加えることに成功している。
登場人物それぞれに奥行きがあり、時代背景の描写も渋く、魅力的。
読了時の余韻も深く、いい本を読んだと感じられる。
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エーレンデュル捜査官シリーズの第二弾。
子供の誕生日会が騒々しく盛り上がる最中、
人骨が発見される。
人骨は古いもので、発掘部隊がゆっくりと骨を取り出していく。
遺体は近くのサマーハウスに住んでいた家族の誰かなのか、
フィアンセを残して行方不明となった女性なのか。
いわゆるコールドケース、
過去の事件を掘り起していく筋立ては好きだし、
過去と現在を行ったり来たりする構成にもついていけるのだが、
何か入れ込めない。
妊娠中のエーレンデュルの娘とはせっかく心が通じたと思ったのに、
また家を出て行ってしまい、
発見した時には胎盤剥離で胎児を失い彼女自身も意識不明となったり、
そのせいで離婚した元妻に罵倒されたりと、
私生活がひどいからか。
同僚のオーリも同棲している恋人がいるか、
結婚に踏み切ることができず、
もう一人の同僚は、病室にいた老人に質問を繰り返し、
酸素マスクでかろうじて生きていたその老人を死なせてしまうと、
誰にも感情移入ができないせいか。
前作で意味ありげに登場していた昔の上役は出てこないし、
エーレンデュルが幼いころ、
吹雪の日に弟とはぐれ失ってしまったことが語られ、
霊能者と出会うが唐突。
もちろん、事件とは関係ない。
アイスランドでは爆発的な人気らしいけど、
どうも自分にはその魅力が判らない。
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[埋めたのは、骨か心か]アイスランドの首都・レイキャビクの一角で人骨が発見される。その骨が誰のものかを警察官のエーレンデュルは探し始めるのであるが、 発見現場から少し離れたところに「緑衣の女」を見たという一人の男の証言から、事態は急展開を見せ始め......。著者は、本作でイギリスの権威あるCWAゴールドダガー賞を受賞したアーナルデュル・インドリダソン。訳者は、本作を翻訳することをある理由から直前まで悩んだという柳沢由実子。
まず描写の鮮烈さが印象に残る作品。例えば家庭内暴力のシーンがいくつか出てくるのですが、思わず状況を眼前に想像して目を背けたくなってしまうほど。また、その鮮烈さを見事に訳しきった柳沢さんの翻訳力も素晴らしいものだと思います。もちろん、ミステリーとしての面白さはバッチリですので、ページを繰る手が止まらなくなるのではないでしょうか。
〜「時間は」と、エーレンデュルは赤ん坊の上にシーツをそっとかけながら言った。「時間はどんな傷も癒しはしない」〜
評判の高さは聞いていましたが、そのとおりでした☆5つ