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「会計士は見た!」が面白かったので購入。
切り口は「会計士は見た!」と同じだが、色あせることなく面白い。
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前川修満会計士による企業会計不正に関する書籍。複式簿記の解説から、どのような手口で粉飾が行われているのかを会計初心者でもわかるように解説されていた。一見会計不正とは関係なさそうな、木曽路や阪急阪神ホテルズの食品偽装事件、三菱自動車の燃費試験データ不正、ワタミの労災問題も背後には財務状況の悪化という足かせがあったことが読み取れた。会計の専門家には常識的な話だが、読み物としては面白かったかな。
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完全にジャケ買い。タイトルがよかった。
「事件は帳簿で起きている」
最近では、東芝の不正会計が世間を賑わせたが、その話も書かれている。
粉飾決算は企業会計のやりくりとのせめぎ合いだと思っているので、この帳簿をどのように整理するかはかなりこ香ばしいものがある。
奇しくもIFRSが導入され始めて数年が経過し、簿価基準よりも時価基準である国際会計基準が大企業を中心に広がり始めたが、95%は中小企業と呼ばれる企業群だし、組織の規模に比例して会計は厳格になるわけである(だからこそ、東芝などは大問題になった)が、中小、零細企業などにおいては家計の延長線上のような会計処理をしているところなど数多あるだろう。
そういう意味で読み物として、本書はなかなか楽しく読めた。勘定科目の推移よる粉飾の手口やパターンなどは参考になった。
最後の方は簿外の事件が帳簿に事件を起こす系の話ではあったが、全体的に示唆に富む内容だった。
【目次】
はじめに
第1部 粉飾の帳簿
粉飾決算のからくり/株主、債権者を犠牲にする事件
序 章 ある会社の倒産劇をみる
第1章 粉飾のポピュラーなメカニズム(複式簿記の基礎)
第2章 粉飾した会社はどれもよく似ている
第3章 ダメ会社の実態を暴露したキャッシュ・フロー計算書
第4章 子会社の幼稚な粉飾に騙され続けた親会社
第5章 東芝−−100億円の粉飾は100億円では終わらない
第2部 改ざん・ブラック企業の帳簿
顧客を犠牲にする事件/従業員を犠牲にする事件
第6章 重要事項をおろそかにして赤字脱却
第7章 顧客の喪失はすべての喪失
第8章 自動車業界の二大不正—高くつく虚偽の代償
終 章 従業員が犠牲になる経営—ブラック企業からの脱却
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私に簿記の知識があるとはいえ、具体例が出されているので、まるで講演会を聞いているように、すごくわかりやすい本だった。他の本も読もう。
BSとPLより軽視されがちなCFが、実は粉飾を見抜くのに重要な役割を果たすこと、粉飾決算は後々まで尾をひくのも、東芝の例でよく分かった。
「正しい会計情報は、正しい経営判断をよび、誤った会計情報は、誤った経営判断を呼ぶ」
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起業不祥事の数々について、財務諸表の観点からそれを解説して行く良著。
粉飾決算等を行う会社の背景、それに対してどのようにしていくべきなのかについての示唆を与えてくれる。
つくづくCFは大事であると思えた一冊であった。この観点から自社他社をぶんせきしていきたい。
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財務諸表の読み方の解説本でお勧めの一冊です。
簡単にかつ有効に読む方法を解説
試算表、キャッシュフローの読み方は簡単に理解でき、実務で有効だと思います。
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最近の事件化された決算粉飾企業の決算書を分析。まな板にあげられた企業は東芝、三菱自動車、旭化成建材、オリンパス、王子製紙などなど。粉飾は過去の決算書でどのように隠蔽されたのか、粉飾によって支払われたツケは現在の決算書にどのように現れるのか。企業決算書ウォッチャーとして多くの著作を発表している会計士が鋭い視線で分析する。
企業経営者は、起こしてしまった不祥事や経営不振を隠したい。そのためには決算書を粉飾することが一番安易に思える。が、一度粉飾に手を染め、不自然な決算書を作ってしまうと、その粉飾への努力は永遠に続くことになる。そして、不正の連鎖が続けば、どこかで決定的なほころびが現れる。
こうしてみると決算書というのはよくできていると改めて感心。特に近年は損益計算書や貸借対照表をうまくごまかしても、キャッシュ・フロー計算書で不正が暴かれることが多い。
企業の悪事はどこかで明らかになる。よくできた勧善懲悪な時代劇のようだ。
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公認会計士である著者が粉飾決算や不祥事のあった会社の業績や経営判断を決算書から読み解き解説を書いた一冊。
本書を読んで、会計の知識がなくても要所を押さえわかりやすく解説されており、
粉飾企業におけるキャッシュ・フロー計算書の重要性を理解するとともにまた不祥事を起こした会社のトップの責任の取り方が非常に重要であることの大きく2点が理解できました。
近年話題となった企業の問題からその後の対応と決算数値を用いて解説されており、いかなる不祥事も数字では誤魔化しがきかないことを強く感じ、東芝などの事例から粉飾を行うとその後泥沼にはまっていくことや王の詰め腹というべきトップの判断、対応によって会社の行方を大きく左右することも感じました。
また、ステークホルダーの概念や会社と顧客との結びつきがどう業績に反映するのかということも改めて本書から知ることもできました。
会計という専門分野から社会で起きていることの流れを把握できることを知り、会計への興味が一段と増した一冊でした。
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良書、タイトル負けしていない。キャッシュを見れば経営状況がわかる。
売掛金や在庫を積み増す伝統的な粉飾でもキャッシュフロー計算書は真実を伝える。東芝の例で複数年のCFを通算しての解説は非常に納得感あり。
大王製紙やオリンパスでは、役員達もCF計算書を見ていなかったのではという指摘(あるいは理解できないか…だとすると更に始末が悪い)。
フクダコーリン社という今一つメジャーでないケースを更に社名を伏せて取り上げた序章は不要か。また、複式簿記の概念を伝えるのに、一般の人がまず目にする機会のない「試算表」をベースにした点は残念。
「#事件は帳簿で起きている」KKベストセラーズ、前川修満著
Day39
https://amzn.to/351PtKm
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図書館で借りて読んだが、面白い本だった。
決算書から読み解ける会社の不正に関する解説書だが、
簿記の基本的な内容は簡単な内容にとどめ、実際の決算書や実例が豊富で読みやすい。粉飾のメカニズムやそれがいかに企業にとって悪であるかがよく理解できる。
また、書いてあることは決算書に関する不正に留まらず、顧客や従業員を軽視することの企業への影響にもかなり紙面を割いている。
実際に経営者になるとこんなきれいごとでは済まされない、といったこともあるとは思うが、それでも肝に銘じておくべき大切なことが書かれていると思った(自分はサラリーマンなのでよくわからないが)。