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20160718リクエスト
家裁調査官が見たこと知ったことより、臨床心理士でもある著者の
ロールレタリング法の解説のほうが印象に残った。相手に投函はしない手紙を書き、しまっておく。2.3日後、その手紙を相手になったつもりで読む。そしてその相手の気持ちで、自分あての手紙を書く。2.3日後、自分で読み返信…
相手が亡くなっていても、対話の出来る方法。
激情のぶつけ合いから冷静に事態を見つめられるようになり、やがて相手を受け入れる、あるいは自分が相手に受け入れられる、という変化に気づくときがある。
ロールレタリングにより、相手の背景を理解できるようになる。
やったことあるのにうまくいかなかったのは、何度も繰り返し、変化が訪れるまでやっていないからなのか?
とても為になる本。
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あえてカテゴリーを「コンサルティングのノウハウ」としました。
家裁調査官、というお仕事があります。離婚や少年犯罪が起きた場合、いろいろな対処が考えられます。
少年犯罪の場合だと、有罪、無罪にあたる判断のほか、「現状のまま様子を見る」「親や不良仲間と引き離して様子を見る」などいろいろな対応が選択しに上がるそうです。
実情の調査を基に真実を解きほぐす、家裁調査官。それに必要なのは高度なカウンセリング能力と聞き取り力。経営コンサルタントと全く同じです。
どうして感情はもつれるのか。どうやったら人は変われるのか(本書では、犯罪や薬物からどうやって脱却するかとして描かれます)。
コンサルティングのヒント満載です。
例えば…
「オレがこうなったのもお前(親)のせいだ!」と家庭内で暴れる息子。調査官のアドバイスは、「そのセリフを言いたくなったら『どうしていいかわからない』と言い換えて」というものでした。それで親子ともストレスが激減したそうです。
また、昔と違って子育ての参考にできる「お隣さん」がいない状況だと、「子供が生まれて初めて赤ん坊に接する」(近所に接することのできる赤ん坊がいれば事前にこんな感じ、というように理解する機会もあるが現実は少ない)「1対1で向き合うしかない」(誰かに預かってもらう、などのオプションが少ない)。その結果、親からみた子供、子供から見た親との関係は深く濃密になっていく。そして…親離れ、子離れがスムースにいかずトラブルになりがち、と。
良書です。
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タイトルからはどんな読者層をターゲットにしているのか分かりにくいが、要するにカウンセリング技法を紹介する本
なんとなく暇つぶしに、または、雑学として読むには面白い。しかし、自分で実践するノウハウまでは書いていないし、書いてあっても実践できないだろう。
また、家裁調査官がこのようなカウンセリング技法を用いて非行少年などの調査対象に接していることを経験したことはない。
家族のことで悩んでいる人が手に取り、カウンセリングを受けようと思えるようなタイトル、内容にした方が良かったんじゃないかなぁ・・・と無責任な読者としては思う。
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2時間ドラマのような題名だが、内容は、いたって真面目。家裁調査官である著者が取り扱った事案を、心理学のアプローチで解説する。
柵(しがらみ)という漢字は、川に竿を挿し流れを緩やかにする意味という。家族は、世間の風当たりなどを緩やかにし、人を元気にする場所であると筆者は訴える。子供、夫婦の距離感など、参考になる記述は多い。
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著者が家裁調査官として直面してきた数々の家族の事例を紹介しながら、臨床心理学の観点から、「家族のしがらみ」の正体を解き明かし、それを乗り越えるためにはどうすればよいかを考察している。
「しがらみ」を抱えたいろいろな家族の事例自体が、自分と家族との関係を考える上で、興味深いものだったが、著者の臨床心理学的観点からの観察もとても示唆に富んだものだった。特に、「感情転移」や「家族神話」という考え方や、「解決志向アプローチ(ソリューション・フォーカスト・アプローチ」、「ナラティヴ・セラピー」という家族の問題解決療法が参考になった。
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家庭裁判所で行われる調停等のプロセスが知りたくて読みましたが、心理学的な話題が軸のようでそういった意味では期待と違いました。
ただ、箱庭療法から見えてくること、薬物の与える具体的な影響など普段伺い知ることができないのでとても興味深かったです。
箱庭療法で時間差で置かれた汽車とトンネルの意味はドキッとしました。
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親族、家族間の問題を扱う家庭裁判所の調査官を経て大学教授となった著者が、扱ってきた実例と共に家族間問題の本質を探る手法について解説。家庭を客観視する視点を持ち続けるのは大切。
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確かに肩書きが家裁調査官なのだが、家裁調査官の仕事についてがっつり語ると言うよりは、家族という舞台に起きる、様々な課題を、ユング派の心理学の視点を種に語る。
久しくこういう本を読んでなかったな。
制度について興味のある人には合わないかもしれない。
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ドラマのパロディのようたタイトルだが、非常にまじめな本だった。家裁調査官のお仕事、より、ダブタイトルの「家族のしがらみ」が中心のテーマだった。アメリカの事例で糞便をいじる男の子への対処法の話が、毒親サバイバーの解決プロセスで「いったん全部親のせいにする」というのと相通じるものを感じた。
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副題が「家族のしがらみ」ですが、これを全否定はしてないところがみそ。本来しがらみとは、水を堰き止めずに水流を弱める杭のことで、「家族は本来の意味でのしがらみでなければならないのだ、しがらみの守り、すなわち柔構造こそが家族の守りだ。(143頁)」と。