紙の本
鍵の束をじゃらじゃらさせて
2017/01/06 07:58
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
平松洋子さんといえば、食についてのエッセイとか本に関しての話とかをつい浮かべてしまうが、どうもそうではないらしい。
この本は平松さんのエッセイ集だが、その世界のなんとも広いことか。
代名詞でもある食だけでなく、本や映画、さらにはファッション、あるいはどこにでもあるような日常のささやかな風景まで、実にみごとに平松洋子さんの文章として結実している。
そのあたりのことを、「あとがき」でこう綴っている。
「どうやら女は、扉を開けるたくさんの鍵を手中に握っているみたい。あたふたしていますと言いながら、じつは、鍵の束をじゃらじゃらさせているのは女の年の功だと思えば、痛快な気持ちになってくる」。
おみそれしました。
このエッセイ集は三つの単元に分かれている。
表題にもなった「彼女の家出」(このエッセイには主婦の反抗ともいえる家出の話が描かれているが、平松さん自身がにやにや愉しんでいる風でもある)、「夜中の腕まくり」、それと「下着の捨てどき」である。
「下着の捨てどき」はタイトルに示す通りファッション関係のエッセイが多い。
ところで、「下着の捨てどき」とはなんともドキッとするタイトルだし、内容も男性にとっては興味深い。
もちろん相変わらず食についてのエッセイは切れ味抜群で、「しみじみ思うのだが、お弁当とは何事かを伝える手紙にほかならない」なんて、うまい文章だ。
特に前半の「しみじみ思うのだが」と書くあたり、なんとも平松さんらしくて好きだ。
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平松洋子さんが書くとなんておいしそうなんだろう!食べたくなる文章を書く人は信頼できるのだ。あと版元が文化出版局のせいか、ファッションについての対談が自分と時代との関係性を再認識させてくれて面白かった。
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平松洋子さんの「彼女の家出」、2016.7発行です。彼女の家出、夜中の腕まくり、下着の捨てどきの3つのジャンルでまとめられたエッセイです。居心地のいい喫茶店や本と映画とうまいもんなど流石平松さんと納得のエッセイでした。
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私にも もうすぐ やって来る 50代。
「下着だけは、いつ交通事故にあっても恥ずかしくないようにしておきなさい」…はい!!襟を正します!!
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同世代のエッセイ。読みやすい。
今までシアワセな時間を過ごした人なんだろうなあ、と想像できる。
ちょっと嫉妬した。
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著者は、私より少し上の年代なので、少し先の未来がみえる、そんな読みやすいエッセイ。
心がまえしないと。
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最近はまっている平松洋子さんの本。いいなぁ。
「目前の状況を受け容れること、なりゆきに身を添わせることは、けっして弱気な態度ではない。(中略)ただし、かたくなに拒むより、あらたに受け容れるほうがじつはタフな精神を必要とするのだけれど。」
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大人の女性だなあと。そして、空間が伝わって来た。料理に関する内容は、おいしさが伝わって、作ってみたくなる風に書かれている。5秒ルールはやってみようと決心。旅あり、映画あり、服装あり満載の内容で○。
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平松 洋子さんの著書を読むのは本作が初めてです。
Ⅰ 彼女の家出 12編
Ⅱ 夜中の腕まくり 10編
Ⅲ 下着の捨てどき 10編
あとがき
これらで構成されたエッセイ&対談が収録されています。
タイトルの「彼女の家出」はそのままの意味ではなく
>現実から遁走(とんそう)して雲隠れしたくなるような折り合いのつかなさ、苦さ、といった意味合いが込められています。
初めて読んだエッセイでしたが、どのエッセイも日常のひとこまが
丁寧に純粋に切り取られていてとても微笑ましく共感しながら読める内容でした。
「再会タクシー」では心がほっこり温かくなったり
「無駄の効用」では大きく頷いたり、楽しい読書時間が持てました。
塩とうふやパンケーキ、牛すじの煮物も早速作ってみたくなりました。
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3章目の下着の捨てどき、はおもしろかった
前半からずっと、おばさまの丁寧な暮らしって感じで共感はあまりできず
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平松洋子さんのエッセイは、読みやすくは無いけれど、小さな発見や気づきがあって毎回楽しい。
ご本人が思ってらっしゃるより、しっかりカッチリ生きていらっしゃる人だなぁと思いつつ(面倒くさがりやズボラ度は私が圧勝なので)、ちょっとした怠心も人間味があって良い。
塩豆腐は是非やってみたい!
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衣食住。
生きる上で大事なこの三つの要素をベースに、人生を如何にして楽しく過ごして行くか。が沢山詰まっている本書。読者に語り掛けてくれている様な穏やかでユーモラスな口語長の文体のお陰で、どのエピソードもスっと脳に入ってくる。