紙の本
旧日本軍を冷ややかに批判
2022/01/15 17:43
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投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
副題にあるように、軍事について平易に解説する。叙述は時系列に沿って古代から近未来にまで及ぶ。古代・中世の部分はやや冗長だが、グロチウス・クラウゼヴィッツ・マハンなどといったお馴染みの名前が並ぶあたりから、内容が盛り上がってくる。第11章では、旧日本軍を冷ややかに批判。
紙の本
一般市民ための戦争学入門
2021/11/03 09:00
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投稿者:もちお - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争に関する学問は軍関係者のためのものでもないし、ましてやミリタリーオタクや愛国偏狂者のものでもない。が、戦争を学ぶということ自体が不謹慎で戦争に関する入門書というのはなかなか出てこなかったところで、本書の登場。戦争論の古典を追っていきながら、実際の戦争において、各軍がどのように動いたかというのを説明してくれる。帝国憲法下の日本に対する辛辣な意見はご愛敬だが、戦争論としては最適な一冊。
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投稿者:In - この投稿者のレビュー一覧を見る
グロティウス、クラウゼヴィッツ、マハンなどの古典や歴史的な側面などから戦争について論述しており、非常にわかりやすく、興味深いため、どんどん読み進められる。米国による広島、長崎への原爆の投下を正当化しているように感じた。戦時中の日本軍が日露戦争などの時とは打って変わって、軍国主義ですらない奇妙なものになり下がっていたという話は、非常に説得力があるように感じる。
電子書籍
初学者としては大満足
2019/04/24 14:41
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投稿者:もやみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある大学の入試問題に使用されていることをきっかけに興味を持って購入しました。
そもそも戦争とは何であるのか、概念的なところから実際に起こったところまで
提示し説明してもらえた感じで、初学者としては大満足の一冊でした。
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<目次>
序章 戦争とはなにか
第2章 古代の戦争
第3章 中世の戦争
第4章 火薬革命
第5章 グロチウスと国際法
第6章 クラウセヴィッツの戦争論
第7章 マハンの海戦論
第8章 モルトケと参謀本部
第9章 第一次世界大戦とリデル・ハート
第10章 第二次世界大戦と核兵器
第11章 奇妙な日本軍
第12章 テロと未来の戦争
<内容>
本格的な戦争論だそうだ。なるほどというところが多かったが。聖書の抜粋(古代の戦争)とかもう少しうまく書いてほしかったな。
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戦争のことは何も知らない。「坂の上の雲」をテレビで見たくらいだ。ナポレオンのことなんて、フランス語のテキストのなかで読んだくらい。今回初めていろいろな人が書いた戦争論があることを知った。おもしろいとは思わない。戦争なんて、単純になくなればいいとだけ思う。けれど、自然状態で人間は戦争を起こすようになっている。(本当にそうか?)国際法ができたとしても、だいたいはそのすきを潜り抜けて戦争を起こす人がいる。やっぱり儲かるからではないのか? テロってどこかでだれかが儲けている? ロボットが戦争に参加することは近い将来ありえそうだ。そうすると、きっとまた儲ける人がいるのだろう。本書にそんなことは書かれていなかったと思うけれど、結局、正義のためとか何とか言っている人の裏に、自分の欲のためだけに動いている人がいるのだろうな。本書を読んで分かったことは、戦争にはルールがあるということ。捕虜になるのは権利であるということ。しかし、やっぱり戦争は戦争だろう。欲の深い人々も、もう少し想像力を働かせて、先のことを考えれば、得策でないことは明らかなような気がするのだけれど。
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制定法たる各国の国内法や条約はもとより、明文化されていない慣習法にも優先するとされる戦時法。それは戦時法が「自然法」としての性格を持つからに他ならないが、なぜ明文を持たない自然法が他の制定法よりも強くなるのかというのは我々日本人にとってやや理解が難しいところ。ここを扱う学問である法哲学(法とは何か)が本書では省かれているのでやや隔靴掻痒の感はあるが、第二次大戦での日本軍の戦時法、ひいては軍隊や戦争そのものに対する理解不足の指摘は正鵠を射ていると思う。
もちろん当時の日本にも他国より秀でていた分野はあっただろう。しかし、他人が自分と同じルールに基づいて行動してくれるとは限らない。その当時の戦時法を読み解き、他国が寄って立つ規範を理解し、その上で自国の強みを発揮させる工夫をする必要があったはずだ。しかし当時の日本はその逆をやってしまった。自国のルールがローカルなものに過ぎないかもしれないという可能性を、さしたる根拠なく捨象してしまったのだ。
その意味で、本書が提言する「戦時法の教育の充実」は真剣に議論されるべきものだろう。戦争をタブー視せずノーマルなものとして扱うこと。逆説的に聞こえても、畢竟それが無益な戦争を避けるための冷静な議論に繋がるのだろう。このままでは、有事にまたぞろ根拠の怪しい精神論が罷り通らないとも限らない。
ところで、帯にある姜尚中氏の「そうか、平和とは、別の手段による戦争の継続なのか」というアオリ。「別の手段」というのが先述の「戦時法の教育、ひいては戦争について考察し続けること」を指すのなら僕の理解と整合するが、ちょっとミスリーディングな印象。
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『統帥綱領』の部分を見ると、いかに旧日本軍のいわゆる高級将校と呼ばれた人々が、とんでもない指導を受けていたかが良くわかる。
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日本では特にだと思いますが、「戦争=ダメ」で思考停止しちゃうことってよくあると思うんです。ぼくも昔はそうでした。いや、多かれ少なかれ、今もそうかな。特に地元が太平洋戦争で空襲にあった地域だったから、小さい頃から戦争の悲惨さを目の当たりにさせられて、(反戦教育それ自体はとても大事なことだとは思うけれど)「いけないこと」っていう印象が強すぎて、その先に行かない。
だけど、「人類の歴史は戦争の歴史」というように、戦争は「ノーマルな出来事」として繰り返されてきたわけです。どんなに社会が変わっても、国際問題を解決するための(最終)手段としては、必ず残り続ける。橋爪さんが言うように、「現実から目を背けてはならない」。
本書は、軍事社会学入門として、過去から現在までの軍事のセオリーを解説しています。旧石器時代のムラとムラとの戦からロボット戦争まで。時代とともに、戦い方も大きく変わってきました。ロボットの戦いというのは、戦闘員が直接自分の命をかけて戦うわけではないので、これまでと違った倫理的な問題も出てくるということです。
集団的自衛権とか憲法9条改正に対して、「絶対反対」と唱える人は多いと思いますが、「戦争=ダメ」で止まってはいないか、ということです。現実としての戦争を、日本人は見つめていかなきゃいけないし、そういう教育を行っていかなくちゃいけないんだと思います。
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20161105
平和とは、別の手段による戦争の継続なのか。という帯の言葉通り、戦争に対する認識を改めさせられた。
戦争に対してネガティブなイメージを持ち、その存在を無かったことにするような態度や風潮は確かに存在している。また日本は過去に戦争を起こしており、そこに対して理性的な態度で見つめ直す。そうした一歩となる本だろう。
人類の歴史とは戦争の歴史である。
戦争とは、相手を屈服させるための手段であり、そのための暗黙のルールまでもある。
今の時代はテロリストとの戦争をどうとらえるか、ロボット同士を使った戦争など考えるべき問題は多い。
私たちにできることは、戦争や暴力などの存在をしっかりと認識し、世界がどこへ向かおうとしているのかを見定めることだろうと思う。
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レビューはブログにて
http://ameblo.jp/w92-3/entry-12217719807.html
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戦争について全般的な,それであっても的確なまとめになっている.特に,第11章の「奇妙な日本軍」が本質的な旧軍の欠点をうまく巧みに指摘しており,非常に良いと感じた.学生がこのような論議をしっかり受け止めていくことは重要だ.戦争自体が法律に則って実行される政治行為であることを認識すべきだ.
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戦争の定義やルールを知る初心者向けの書。
講義内容のまとめなので、戦争というのは何かを知るのに丁度良いが、題名の「社会学」と言うほどでもない気がする。
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11章の中の奇妙な日本軍の中で誰もが敗戦を察していたが戦争が行われた悲劇についての以下の一文が印象深い。
日本の軍隊はとても強い。規律が崩壊しても当然の状況で、なお規律を保っている。しかし、日本軍隊はとても弱い。なぜなら、戦争の幻想、戦場の法則を無視して行動し、勝つための手順を踏むことをしないからである。
読了。戦争の社会学と名を打っているが、中身は新書っぽい新書。よく言えば読みやすい語り口調で、悪く言えば砕けすぎだ。学問というほど体型だっていなく、また詳細な部分で資料によらず個人の私見で語っている箇所が多々ある。新書であるのに、そこまで面白く無いのもマイナスだ。
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社会学というよりはこれまでの世界で起こった戦争の歴史を紐解いていくイメージが強かった。それに加えて戦争を行う上でのルール(グロティウスの『戦争と平和の法』等)についても言及しており、戦争に関する幅広い事項がまとめられている一冊であった。
本のタイトルに若干難ありかと思われるが、戦争の歴史について広く浅く勉強してみたい方には手頃な作品と思われる。