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思春期の子どもに特徴的な「起立性調節障害」について、主に保護者向けに、どのような症状が現れるのかという症例の紹介や、どう対処すればよいのか、心構えや声かけの仕方について述べた本。学校関係者向けのコメントもあり、保護者をサポートする上でも、教員にも役立つ内容となっている。
名前は聞いたことあるが、正直「うつ」との違いがあまり分からず、読んでみた。おれの理解では、朝起きれない、夕方から元気になる、なんてまさに鬱で不登校の生徒とあまり変わらないけれども、「起立性~」の場合は、明らかな身体症状としてそれが出るという違いがある、ということだろうか。というかもともと抑うつ傾向で、そのうち身体に影響が出てるもの、という分類は違うのだろうか、というのが疑問だった。ハートとメンタル、という話が本書にも出てきたが、病状としてハートが先行しているのか、メンタルが先行しているのか、という違いと捉えられないのだろうか。面談の仕方も、要するに傾聴するとか、あとは褒めて自信を与えてあげるとか、他の不登校の子とあんまり変わらないような気がした。
ただこの本では、とにかく「怠け」、「さぼり」ではありませんよ、「気合が足りない」とか言ってはいけません、ということが繰り返し何度も書かれている。結局は「本人に寄り添う」姿勢が周囲の大人には求められるということだと思う。「病気を憎んで、子どもを責めず」(p.148)ということは大事だと思った。体の病気として現れてなくても不登校の子には、「思春期を憎んで、子どもを責めず」と思えばいいのだろうか…?と考えた。(18/04/14)