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hontoレビュー

グラスホッパー(角川文庫)

グラスホッパー みんなのレビュー

文庫

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みんなのレビュー1,634件

みんなの評価3.8

評価内訳

1,634 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

やがて一点に…

2010/01/29 13:45

17人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 初めての伊坂幸太郎さんの書籍。兄から『ゴールデンスランバー』が面白い、と告げられて書店へ急いだけれども在庫が無く…目についたのが本書だった。だけどまさか、殺し屋の物語だとは思わず…読み始めてすぐに驚くこととなった。

 元教師の『鈴木』、首吊りをさせる『鯨』、ナイフを扱うのがプロである『蝉』、ただならない気配をかもし出す、人を押して殺す殺し屋の『押し屋』、それに毒を盛って人を殺めると言われている『スズメバチ』。それぞれが個性を持ち、特徴があって読みやすい。それに、物語は鈴木、鯨、蝉の三人の視点から主に描かれているが、きちんと分けられているので迷うことはない。私は単純な読者なので、そういうメリハリがないと混乱することがしばしばあるので有り難い点だったと言える。

 まず、物語の進行で頻繁に不意を突かれる。「あ、そうだったんだ」というちょっとした驚きの連続である。それがまた、小気味良かったりする。それに、上記の登場人物が各々、違った場所で動いている。うまく説明できる自信がないけれども、みんないかにも偶然が重なって一点に集まっていくような雰囲気が見事である。蝉の話に焦点をあてるならば、正に気まぐれ一つでそこまでたどり着いてしまったということ。蝉の気まぐれが事の発端になり、他のみんなもまたそれぞれの事情によって特定の場所に集まってくる。

 ただ、蝉が一家を殺害するシーンには嫌悪感があった。去年、人間生物学を受講していた私にはありありと、その様子がイメージできて厳しかった…。人が轢かれる瞬間の描写、実際に目の当たりにしているような感覚になるくらいだ。でも、それを覆す面白さが本書にはある。終盤では、電車の中で読んでいる時に手に汗握ったこともあった。

 どこのページだったかは、残念だけれども覚えていないが動物の中で自らを死へ追いやったりするのは、人間だけだという部分でひどく考えさせられた。他の動物は自ら死を選ぶことなどないし、むしろ本能的に生き抜こうとしている。弱肉強食の中で行きるしかない。感慨深い部分もあり、文句なしの一冊だと言える。

 伊坂幸太郎さんの本を手にした読書家さんたちは、口を揃えて「やめられなくなるよ」とか「かなり面白い」といった事を言う。自分も実際に触れてみて、確かにそうだなと得心がいった。そしてすでに手元には『ゴールデンスランバー』があるので楽しみで仕方が無い。

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紙の本

伊坂幸太郎。やるな、おぬし。

2010/11/13 23:53

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぶにゃ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この作家の最新刊が、なんでも東北新幹線を舞台にした殺し屋たちの物語だと新聞広告で知り、おやおや面白そうだなと思った。たまに東北新幹線を利用しているからなのだが、どんな話なのかと興味が湧く。しかし、その前に、同じく殺し屋たちの物語である本書を読まねばならない。いや、「ねばならない」と義務づける筋合はないのだが、「殺し屋、第2弾!」とか広告で見ると、やっぱり第1弾を先に読みたくなる。こっちのほうは文庫化されているようだし、ひょっとしたら古本屋の棚に見つけることが出来るかも知れない。いつか読んだ『永遠のフール』が面白かったので、期待感は大きい。もしハズれたら、第2弾を開くこともないだろう。
 
 で、読んでみた。
 なかなか面白い。
 
 登場する殺し屋たちがユニークである。大男の<鯨>は、依頼人に頼まれた標的を、特異な能力を用いて自殺させる。彼に見つめられると、皆、首を吊ったり飛び降りたくなったりするようである。今のところ、僕にとってはまだ実際に出会いたくはない人物だ。若い<蝉>は、ナイフを使って、冷酷に人を殺す。女性であろうが、赤ん坊であろうが関係ない。ただ、殺すだけである。こういう人間にも出会いたくない。殺し屋ではないが、<鈴木>という元教師は、殺された妻の復讐のためにあぶない組織に潜入する。この元教師が物語を引っ張ってゆくのだが、そこに<押し屋>と呼ばれる殺し屋や、殺しを補助する<劇団>なる存在が絡んできて、どこに落ち着くのか想像できない展開となる。むろん、そういう展開がなければ、たぶん、つまらない小説で終わる。

 しかし、この作家の描く世界は、そうそう単純なものではない。洒脱というか軽妙というか、そういう登場人物たちの会話群の中から紡ぎ出される世界は、ストーリーとはまた別の、人間の持つ暗闇を主人公にした物語である。そしてまた、不思議なことに、その中では希望という輝きも垣間見ることが出来るのである。絶望の中にあって、尚かつ己れを見詰めることの出来る殺し屋たち。というより、自分自身を見詰めてしまう殺し屋たち。自分を知ろうとすることは、不幸なことであると同時に、幸福なことなのではないだろうか。
 
 もうひとつ、付け加えておきたいのは、この小説は夫婦愛の物語であり、家族の絆の物語であるということだ。伊坂幸太郎という作家は、最近稀なユマニストであると感じた。
 
 さらにもうひとつ。この作品には、ドストエフスキーの小説とか、ジャズミュージシャン、映画監督、ロックシンガーなどが登場するけれど、みんなそれぞれ味わいがあって小気味がよい。知らない名前があれば調べてみるのも一興である。(僕はググってみたが、大変楽しかった。「ググる」という言葉は、つい最近娘に教えられた。面白い日本語である。)
 
 さて、最新作の『マリアビートル』、どうしようか。
 文庫化するまで待つか。古本屋の棚に並ぶまで待つか。それとも図書館に行くか……。

 よし、僕はこの作家を気に入ったのだ。

 では、この作家の、処女作から読み始めることにしよう。

 さてはいざ、『オーデュポンの祈り』を!
  

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紙の本

伊坂ワールド

2012/02/25 07:43

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

グラスホッパー 伊坂幸太郎 角川文庫

 「鈴木」という若者を中心に置いて、周囲に殺し屋たちを配置している。「蝉(せみ)」、「鯨(くじら)」、「槿(むくげ)」。本名はない。各章の切れ目には彼らの丸い印鑑が表示してあることがサスペンス(不安)の雰囲気を高めている。書中の言葉を借りれば、殺し屋たちを「清算」するドラマである。彼らを含めて、周囲にいる群像を「昆虫」とも称している。なお、グラスホッパーは、殿様バッタの意味である。虫は毒をもっている。自動車はバッタにとっての羽である。
 書評をみていると「伊坂ワールド」という言葉が多用されているがその説明はない。自分なりに考えてみた。通常本を読むと横方向の空間を感じるが、伊坂作品では、前後方向の空間がある。奥行きがある。立体的なことに加えて、スピーディーでもある。幻覚シーンからは、シュール(非現実的)な世界があり、読者は、文脈についていくための共感できる感性を求められている。あたたかみがあるが冷酷でもある。発想は非凡である。どんでんがえしがあると予感できるのだが、どうひっくりかえるのかを予測できない。
 密集していると変異種が産まれるバッタを人間に置き換えてみる。現実の世界と幻覚の世界はいずれが現実の世界なのかそのうちわからなくなる。生きているのではなくすでに死んでいる。死んでいることに気づかず生きているつもりでいる。この世の出来事は劇に過ぎない。自分をうまくだましながら生きながらえる。神は何もしてくれない。

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紙の本

おもしろい

2016/03/10 00:58

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あうあ - この投稿者のレビュー一覧を見る

めっちゃおもしろい!

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電子書籍

今までにない暗殺ミステリー

2017/03/08 17:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くらのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

今までにない種類の暗殺者が登場し、それは政治、経済、ヤクザの各世界が並行して展開
そして次から次に展開するリズムは、さすが伊坂ワールドです。

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電子書籍

槿がかっこいい!

2016/01/03 09:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Yumi - この投稿者のレビュー一覧を見る

物語の後半に行くにつれて面白くなっていきます。謎解きという感じの本ではないけれど、悪い奴がどんどんやられていく姿を見るのは痛快です。

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紙の本

世界観が素晴らしい!

2015/12/09 21:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:伊野尾の白米になってやろうか - この投稿者のレビュー一覧を見る

殺し屋の話なので一見怖そうです。もちろん、表現がグロテスクだったりしますが、スクランブル交差点の事故の場面では、もうすでに世界観に引きこまれていました。読み進めていくうちに展開が知りたくなるので読み終えるのがとても早かったです。鯨、蝉に共通するところ、殺し屋ですが、2人ともにどこか人間の温かみを感じました。言葉では表現できないすごさがありました。
読んでよかったと思える1冊です。

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紙の本

読みやすい

2015/10/02 03:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:本すき - この投稿者のレビュー一覧を見る

小説久々ってかたでも すらすら読めちゃいます
最初の2ページで展開が速いんです。

男性作家さんが苦手って方も 読みやすいです
映画化されるの知らずに読んだんですが 映画観る前に読めてよかったです

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紙の本

雰囲気作りが巧い

2013/09/19 18:55

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふわふわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ちょっと他より暴力シーンが多いのが辛かったけど、相変わらず雰囲気作りが巧いなあと思いました。ドストエフスキーがとても効いてる。それに作品全体のメッセージがばったのメタファーでよく表現されていました。個人的に特にインパクトがあったのは鯨。自殺させる殺し屋だけどドストエフスキーを読んでいる。何ともいえない味を出しています。それと主人公が「がんばってる」姿にもジーンと来ました。

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紙の本

「洗練」という「エンタテイメント」

2007/08/22 21:14

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ねねここねねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ノワールなど呼ばれるジャンル。しかしこの当書、グラスホッパーでそう呼ぶことには抵抗があって、くどさ、けばけばしさ、妖艶、グロテスクはあまり感じなかった。肌で感じてくる、生理的・肉体的なものが薄いのだろうか。暴力にも、幻想にもやはり思えない。好みはあると思う。洗練と構成の妙はやはり感じる。一貫したエンタテイメント、ストーリの上手さとスピード、リズムはある。伊坂らしいというならば、確かに伊坂らしいのだろう。
この話は、ある意味掛け離れた世界の話かと思うが、それでも日常に盤がある。その割には「生活」というものの滲みが少なく感じてしまう。
 
洗練が確かにあるのだと思う。それはまた、良く云えば瀟洒、悪しかれならこれでも淡白なもの。距離を持ち、人物を程よく突き放す。ハードボイルドにあるような独善的突き放しの態度は濃くはならない。
亡霊が出てくるなど、どこかふわふわしたような思いもあり、その上で、論理を構築して展開を紡ぐ。伊坂的だとやはり思う。このようなものでありながら、それでも匂いがあるというか…。
誤解を承知で言うのならば、冷徹さをもって見つめるものでありつつも、ユーモアと論理が智で馳り、完全なる深い暗黒には沈んでいかない。
やられた、という気持ちはあるのだが、混沌の泥濘や虚無の只中に落ち込んで、抜け出せないものを感じてしまうところまでは一歩届かない。その点が僕にとって、好みに少し届かなかった。少しばかりの腑に落ちなさ。
日常から異端へ。または、ゆっくりとひたひた侵される別世界への扉。そのものには、やはり世界の転覆がある。しかしながら、その上で最後の三行も、誘導される「死」というものがやはり稀薄。単なる状態であるだけ。そのことをただただ提示させられただけのような。
(作者として、確かにその狙いであるのだろうが…)
ダークな色のあるものが嫌いなものではないのだが、思うところもう少し厚みが欲しかったように思う。
これはエンタテイメント。洗練された一つの高みではあって、幻想や異端を肌で思うべきものにはない。
 
その点での「知的」な評価を思う。
肉体的、臓腑で思うものではなく、脳で理解し愉しむもの。恐怖というものがどこか、知的なものとして提示がされる。ある側面それは真実にも思えるが、生理的、肌を覆うような怖さではない。
わかる、わかるし素晴らしいのだけど、3年記憶には留まらない。
作品への期待が非常に大き過ぎたためもあり、少しばかり個人で評価は低め(それでも優れたものを思うが)。以上、個人的好み以上ではありえない。これはもう一度念のため。
つまりは洗練されたエンタテイメントだろう。

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紙の本

死者の言葉

2008/10/26 21:50

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「魔王」を読んでから「グラスホッパー」を読んだのだが、舞台装置は全く違うけれども、内容はかなり似ていると感じた。そもそも読もうと思ったきっかけは、週刊少年サンデーの連載なのだが、あちらでは2作品が再構成されている感じなので、そもそも言いたいことは同じだったのかもしれない。
 最後まで救いはないし、結局は自分たちの知らない所で事件は収束してしまうわけだけれども、実際の世界もそんなものかもしれない。

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電子書籍

テンポ良く進む洗練されたストーリー

2015/09/28 19:48

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:joe - この投稿者のレビュー一覧を見る

3人の登場人物が代わる代わる語り部となってストーリーが進んでいく。
それぞれが個性的でキャラ設定がわかりやすいので、
ややこしくなることもなくスムーズに世界観に入っていくことができる。

そしてその3人を取り巻く登場人物たちも非常に魅力的。
絶対的な悪党、情報屋、「押し屋」「劇団」「スズメバチ」といった、
裏の世界のグループ。
男子的には少しかっこわるい「蝉」や「鯨」といったコードネームも、
ミステリアスな印象を残し世界観を構築するピースになっている。
ノワールな世界観を重くなりすぎずに読ませる文体は、
伊坂氏らしくて個人的に好みであった。

展開は、余計な要素をそぎ落として必要な部分しかない、というくらい
凝縮されているように感じる。
3人の視点は徐々に近づき、やがて重なっていく。
それがとてもテンポよく小気味よく進んでいくので、
スリリングな展開がありありと浮かび、映画を見ているようだった。

ちなみに『オーデュボンの祈り』に登場する人物が本作にも登場。
オーデュボンを読んでから本作を読むと、少しニヤニヤできるのでオススメだ。

ラスト、律儀に伏線を回収しながら登場人物の行く末を暗示するような描写があり、
いま、とてもモヤモヤしている(いい意味で)。

そんなわけで、続編を読まないわけにはいかなくなった。

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紙の本

グラスホッパー

2019/06/30 21:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぱーぷる - この投稿者のレビュー一覧を見る

映画、グラスホッパーを観たことがきっかけで原作を読んでみたいと思いました。映画を観ていたので、情景が浮かびながら読み進めることができました。伊坂幸太郎先生ワールドが広がっていました。

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紙の本

面白い

2019/06/14 09:44

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ftttsrikkg - この投稿者のレビュー一覧を見る

伊坂幸太郎の作品ははじめて読んだのですが、話の進みかたは自分にとっては読みやすくて最後まで手が止まることなく楽しむことができました。

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電子書籍

殺人のストーリーが巧妙で一気に読み切ってしまった

2019/06/13 18:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:@rikkha - この投稿者のレビュー一覧を見る

様々な殺人事件と人間の想いが重なり合っていくストーリー。
押し屋、自殺屋、殺人屋など多彩な人物が登場して、思い出しながら読み進めていくことになり、
後半になると登場人物が出会い、個人の特徴をだし、殺人になっていく。
一方で人間の心情や想いなども巡り、最後まで面白いと感じ、一気に読み切ってしまった。

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