紙の本
壮大です
2017/01/29 18:34
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投稿者:のぉちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本だけでなく中国まで
歴史的背景はありながら、そこで生きていた普通な人の行き様
歴史に逆らおうとしながら翻弄された
最後は収まるべくして収まりました
映画化は楽しみです
歴史的背景の描写が多いので読むのは大変です
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最後までドキドキ全開の最上のミステリでした。結末も想定外で号泣。2017年秋二宮和也さん主演で映画化されるそうです。
あらすじ(背表紙より)
第二次大戦中に天才料理人・直太朗が完成させた究極の料理を蘇らせてほしいと依頼された、“最期の料理請負人”の佐々木。彼はそれを“再現”する過程で、そのレシピが恐ろしい陰謀を孕んでいたことに気づく。直太朗が料理に人生を懸ける裏で、歴史をも揺るがすある計画が動いていたのだ。美食に導かれ70年越しの謎に迫る、感動の傑作ミステリー!
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現在と過去の話が交互に描かれて、どちらもぐんぐんと事態が動き、飽きさせない。こういう構造じたいはわりと好き。
ただ、揺るぎなくあるひとつの結果というか事実に向かっているのが明らかで、そのためにお膳立てされた筋書き・・・という雰囲気になってしまうのは致し方ないことなのか。
充の行動も直太朗の生き方も、話の筋上こうするしかないという感じで、意外!とか果たしてどうなる?みたいなドキドキ感はない。だいたい、雇い主の楊晴明がほぼすべてを初めから知っているのだから。
唯一、充がヘブライ語のことわざを読んで起こした行動は想定されていないことで、やはりそこが面白かった。
しかし戦争というのは本当にあらゆる人、ところに無理を強いている。それも、後々まで影を落とすような・・・。千鶴の死が戦争のせいかと言えば、一義的には違う。でも、楊が本当のことを知っていれば、直太朗が言えていれば、三宅が思いつかなければ、戦争がなければ・・・となる。やりきれない。
「それを食すは、君想う人」。
当たり前のように、ほとんど意識もせずに、そういう料理ができる平和をしみじみ想った。
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料理×歴史がミックスされると、こんな面白い小説が出来るんだ!と読後に感じた。
この作品には2人のキーパーソンが出てくる。
1人は、第二次世界大戦中に生きた天才料理人の山形 直太朗。もう1人は現代に生きる孤高の料理人、佐々木 充。
この2人を軸にして物語は展開していくのだが、直太朗の視点から書かれた章と、その直太朗が残した伝説のレシピ探しを依頼されて、あちらこちらを探しまわる充を書いた章。
最初は、バラバラで何の手がかりもないパズルのピースが徐々に1つずつ埋まっていく、繋がっていく過程は面白い。と同時に、山形 直太朗という人物が歴史の荒波に翻弄されながらも最後まで料理人としてのプライドを捨てることなく、レシピ作りに挑んだこと。
充が情報収集し、全てのピースが完成した時に明るみになった真実は驚きだったし、静かな感動と心がほんのり温かくなた(ネタバレになるので、ここでは伏せておく)
太平洋戦争前後の日本と中国の関わりも随所に出てくるが、決して歴史の教科書みたくお硬いものではない。登場人物の目を通して書かれているので頭に入ってきやすいから、歴史が苦手な人も楽しめるかと思う。
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巻末の季節ごとの膨大なレシピに圧倒される。何これと思いながら本文に取りかかる。時と場所、社会情勢そして考案者の人となりが分かってくる。レシピを求めることになってしまった佐々木によって。最後に明らかになる事実がホッとさせてくれる。
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読みやすかった。
満州という一つの時代。国の策略とは別に、こういった人間のドラマが一つ一つあったんだろうな、と想像することができる。
途中から、こうであってほしいと願う展開になってくれてよかった。安心して最後まで読める一冊。
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201609/いろんな枝葉がまとまって、感動的(ややうますぎるほど)なラスト、見事。多少佐々木の言動が駒扱い感があるので、サブストーリーで最期の料理エピソードがもうちょいあれば、佐々木の人となりが更にわかりやすくなるのにと思ったけど、人を信用できないキャラなので、読者に対しても距離置いてるカンジになって却って良いのかも。
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美味しそうな料理がいっぱい出てきて、食べたくなって困っちゃうんだろうなぁ~・・・なんて思ってたら、ぜんっぜん違うスケールの話だった!w
現在と過去を行ったり来たりしつつの壮大なスケールでの壮絶なレシピ作り。圧倒されすぎて「まぁ、フィクションあるあるだよね」と読み進めるも、終盤で思いがけない展開が。
いやいや、うっかりホロッときちゃいましたね~!!!
映画化するというので読んでみましたが、知らない作家さんだと思ったら「料理の鉄人」なんかを手掛けたテレビ業界出身の方でした。なるほど、そこからの着想なわけか~!
それにしてもラストの「大日本帝国食菜全席」は圧巻!!
来年の映画化がますます楽しみに♡
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現代と満州時代の交差する物語。
普段は中国ものは事態背景が分からないので敬遠しがちだが、料理とミステリーということで手に取った。
最後までどんでん返し。
僧だったのか……読み終わって心が暖かくなった。
そして、結末を踏まえて、もう一度読んでしまった。
料理が作りたくなった。
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とんでもないどんでん返しがあるわけでもない。
オビに書いてあるフレーズとはちょっと結びつかない。
しかしとてもストーリー性のある面白いミステリーという感想だ。やはり最後にみんなが幸せになる話は心地よい。
多少、無理があるところはご愛嬌かな、、、
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段々真実が明らかになっていく過程は面白く、文章も読み辛いとは思わなかったが、作り物という印象を受けた。登場人物が物語の中で与えられた役割をこなしていき、ドラマを作ったという感じ。楊さんも背景がよく見えない中で山形料理人に心酔し、どれだけ苦労してどのような思いで依頼をしたのかが見えてこない。幸と楊の会話では互いに心情をあっさり吐露しすぎる。主人公も「最期の料理人」という設定は面白いのに、心理描写が薄っぺらで深みがない。テレビや映画の2時間ドラマであれば映像という大きな情報により補足されるのかもしれないが、小説でこれでは行間がない。
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田中経一は、『料理の鉄人』のディレクターだった。
山本直太朗は、(大日本帝国食菜全席)のレシピを作成する事に情熱を燃やしていたであろうに...
直太朗や楊晴明も、関東軍上層部にとって、使い捨ての駒でしかなかったのが悲しい。
直太朗は、関東軍の陰謀を知らされた時、楊晴明を巻き添えにすることだけは避けなくてはと思い、彼を自分の元から去るよう命じている。さぞ、辛かったろうと思う。
直太朗は、レシピーさえあれば、誰かが料理へと姿を変えてくれると信じて、満漢全席を超える料理レシピーを完成させた。
直太朗の料理への深い愛が、私の心に染みました。
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前半はなかなか読み進みにくかったけれど、後半から人々の繋がりが見えてきておもしろくなりスピードが増しました。
料理が異なる民族を結びつけていく考えが素敵。
ユダヤのことわざが鍵となっていくところもワクワクしました。
親子関係が明らかになった最後のシーンは少しあっさりでした。
日本軍の幹部のやり方の汚さは実際にこんな感じだったのでしょうね。
満州引き上げ時の混乱の描写ではなかにし礼さんの「赤い月」をふと思い出しました。
楊さんの、あの時からこれまでの歩みとその後がもう少し知りたい。
友人柳沢さんの活躍ももうちょっと見ていたかったです。
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読み終わってからだいぶ経ってる。
感動の物語。やけどその種類のありきたり感は否めないかも。そういう部分で、テレビマンが書いた小説やってことを聞いて納得してしまったのは失礼なことなのかどうなのか。
とはいえあんまりそんなつもりで読んでなかったからか予想はついてなかった。全然。
不意打ちやったから感動できたのもあるかも。
あー映画観たかったのに観てないことを思い出した。
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死に面したクライアントの思い出の料理を再現する『最期の料理人』。
究極のレシピを再現してほしいと言われた主人公は、レシピを巡る謎に巻き込まれていく。
過去の回想と現在を行ったり来たりしながら謎が解き明かされて行きます。
巻末に付けられたお品書き一覧が圧巻。