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明るく人に優しい、なのに無情に人を斬る。そんな総司のどちらかというと陽の部分が生き生きと描かれている。
もしもこの時代でなければ総司の人生はきっと豊かで充実したものだったのだろうな、としみじみ。
でも、この時代でなければ剣に命をかけることもなかっただろうし、そうすると総司の人生の半分は色あせて見えるのかもしれないし、とぐるぐる。
タイトルの「夢」がこっちの意味での夢だったのか、と最後の最後に分かり合えたことが救いでもあり。
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これまでにない沖田総司の姿。よく笑い、無邪気で無垢な彼は存在しません。土方と同じように鬼でありたいと願う彼の姿は切なくて、それでいて胸を打つものでもあります。
新選組研究自体もまだ始まったばかりで、こうした若い作家さんが司馬遼太郎を越える作品を描きだしてくれることを望んでやみません。
ラストシーンと総司の内縁の妻のシーンで泣いた。
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新撰組の一番隊長沖田総司のおはなし。
殺伐とした雰囲気の中に近藤さんや土方さんをはじめとする仲間たちへの思いや、彼の人となりを表すエピソードなどが描かれてて、新撰組愛にあふれているなあという筆者への評判に納得。
沖田くんらしさという点では物珍しさはないけど、それはそれで理想の沖田総司像を壊さず、幕末の動乱のなか、剣と戦い儚く夭折した天才剣士の生き様と、結局歴史の敗者となった新撰組の陰が切なく描かれております。
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新撰組の話。淡々とした文章。彼らの転機となる出来事もさらっと流している。小松さんあやかし小説は好きだけど、この手の時代物は苦手。
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新選組で鬼といえば?
その問いに対する答えは、多くの新選組の創作物がそうであるのと同様に、自分も一つの答えしか出てきませんでした。その思い込みのせいで、答えが明かされるまで低調な読み応え。
鬼の正体が明かされたところで、今まで読んできた物語の印象が全く変わりました。
そりゃそうだ。
新選組で鬼といえば?という問いかけにしてしまったのは、自分の早とちり。
先入観で読み進めてはいけませんな。
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たかだか150年前なら史実としてしっかりと記録が残っている新選組、更に隊士のキャラ付けも司馬先生が既に確固たるものにしてしまっているためこれを新たな物語として起こして行くためには愛があれば大丈夫!だけでは行き詰まり感は否めない。
今回も架空の人物を織り込み剣術にしか興味のない変わり者の沖田を恋も悩みもあるひとりの人間として描く工夫はされているがその背景は新選組の歴史の走り書きであり土方の物語となんら代わり映えしないようにも見える。
ならばいっそのことマニア限定で大胆にエメル版新選組を作り上げてしまって良いのではないだろうか。
沖田、土方と来て次は誰?期待してます