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イエスの誕生と死から千年間の歴史を、ヨーロッパからインドや中国まで、かつてない地理的な広がりのなかで、わかりやすく語る。
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この上巻はアウグスティヌスまで。キリスト教成立以来のほぼ500年の歴史が詳細に語られる。イエス・キリストとその直後の直弟子たちの時代の解釈は聖書に忠実で福音的。しかし、これまでの常識を多く覆させられる刺激的な本で、大変勉強になった。1世紀のキリスト教会においてはイースターが確立していなかった。これらがカレンダーを含めて、宗教的な意味づけをもたせながら確立していく過程の議論、新約聖書27巻の成立も長い間の慣例で確立していったということが、詳しく正に神の導きなのかと思う。キリスト教会への全般的な最初の迫害はAD250年1月に始まるということもこれまでの常識外。従ってカタコンベの意味合いも、墓における死者との合同礼拝の意味があり、必ずしも迫害を恐れての地下礼拝ではなかったということにも、長年の誤解・謎がやっと分った気がする。ニカイア公会議などで信条の確立していく過程もオリゲネス、アンブロシウス、アリウス、アタナシウス、ペラギウスらの人物の紹介とともに分りやすい。当時の帝国内でのユダヤ人の繁栄も想像もしなかった歴史である。
「修道士に置いて祈りとは詩編の数節の朗誦を意味していた。思考や言葉に委ねると、祈りは表面的なものに留まってしまう。詩編は修道士たちの舌をほぐし、彼らに心という書物を読み、神との対話に没入するための言葉を与えた。」(P172)との文章が登場する。深い言葉であり、参考にしたい言葉だと思った。
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主に古代キリスト教を専門とする著者による,1世紀のナザレのイエスから西暦1000年ごろまでのキリスト教世界をまとめた本。内容自体は世界史の知識の延長線上で読むことができ,そこでは見過ごしてきた出来事やものを知ることができる。
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トピックによって違うけど、大体紀元後500年くらいまでのキリスト教発展の流れをまとめてある。
基本的に福音書の記述等に批判的な態度はとらずに記述してあるので本当に一般向けという感じだけど、わかりやすくて勉強になる。人物名を覚えるのが大変!