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痛い。心のどこかが。そして、やさしい。
恋愛の、タイミングの重要さ、一瞬で終わる脆さ。
汚い と 尊い が交錯する。
いつも感情は一言では伝えられないのに、過ぎていく言葉は一瞬で、それの答え合わせもできないまま口から弾き出されていく。その重さと、思考と表情(みていないのにね)が生々しくて、夏の匂いが肌にまとわりつくんだよな。
そして尾崎世界観の解説が好きだった。
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ふとした言葉が、自分の今までの何かと重なったりして、ドロッと血のように体に流れる、そんな感覚を何度も感じた。
彼氏の弟を好きになったりとか、本の内容と同じ経験は全く無いのに、なぜか生臭い、リアルな、体に入って残るようなこの感覚は、読んだ人ならわかってもらえるはず。
結局、人と人との繋がりとか、男と女とか、恋とか愛っていうのは、頭で考えるんじゃなくて、本能で感じるものなんですね。
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セックスと夫婦の関係をテーマに、相手を「許す」という心の葛藤を描いた作品。
緻密な心理描写に、「ああ、私生きているな」と実感がもてる。窪美澄らしいなと本作でも感じる。
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生物のしての本能と社会性との関係について考えさせられた作品。
女性の作家がここまで本能をストレートに表現しているのに官能小説的ではなく、むしろ哀しさと愛おしさを感じるのは、余計な意図を含ませずに素直に書いているからだろうか。
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とにかく読み始めより世界観に引き込まれる。
そして同じ感情にさせていくところは窪美澄さんのすごいところだと思う。
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生々しくて、性の話をしているのに意図的なやらしさがない。
人間らしいどろどろとした感情の方にフォーカスされている。
愛と恋とは別物だし、恋と性もまた違う。
けれどそのみっつは複雑に絡まりあって、ときに寄り添い、ときに反発しあい、それでも離れることなく近くにいる。
人間って悩ましい生き物だな。
でもどれだけ滑稽でも、醜くも美しく、生きていくものだな。
そんなことを思った連作短編集
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1人の女性とその幼なじみの兄弟2人の三角関係。
1つ1つの描写や登場人物の心情がとてもリアルだった。
20から30代にかけて微妙に、でも確実に変わっていく女の人の心の動きがとてもよく表されていたと思う。
またオムニバス形式でそれぞれの心情が語られていくので、3人それぞれに感情移入してしまってすごく切なかったけれど、全員が愛しく感じました。
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ひたすらに切ない。
誰が悪いとか、そういうんじゃなくて
そういうんじゃないから責められなくて。
自分や相手の気持ちに向き合いながら
本物を見つけてく。
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久しぶりの恋愛小説。有隣堂のおすすめコーナーに平積みにされているのをなんとなく購入。
もっと若い頃にこういう本もたくさん読んでたら、もっと自分に優しくできたのかもしれないと思う。
それぞれの悩みや考えない勢いの描写が読んでて辛くなるところもあったけど、最後まで読んでよかった。
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生きにくい、息がしにくい。
そんな時に読めば「わがまま」でも生き抜こうと思えるかもしれない。
単なる恋愛小説だとは思えない作品。
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セックスレス、離婚、不妊、婚約破棄。歳を重ねると割と身近に発生するコンテンツになってきたりするから、最近こういう恋愛モノを読んでもあまり揺さぶられなくなってきたんだけど、心にドロッと流れ込んでくるような快感を欲して窪美澄さんチョイス。クリープパイプの人の巻末解説が意味分からなすぎて、そっちの方が衝撃だった。
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自分の気持ちを見て見ぬふりして、自分が本当に手に入れたいものから目を逸らして、そうして大人になってしまった圭祐、みひろ、裕太。
大切な人を守るのが自分の責任だと強く信じ、「兄」であり続けようとする圭祐。
誰かに守られたいんじゃなくて、一人の女性として向き合ってほしいみひろ。
大好きなみひろを目の前にその思いを伝えられず、いつまでも彼女を待ち続ける裕太。
そんな三人が自分の思いを抱えきれなくなったとき、彼らの生活が静かに壊れ、それぞれが自分の罪に苛まれることになる。
みひろのことを最後まで好きになれなかったなあ。マリアの罪の償い方が潔かったからこそなおさら。
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のどがつかえる。最初の章でどきどきして、男の人に期待して、だけどそう上手くはいかなくて、やっぱり世の中は丸くバランスを取りながら回っているからどこかで誰かが欲求を飲み込んでいる。読んだあと、リアルに飲み込まれそうになって思わず布団をかぶりました。人間は生々しいものだって、ゆっくり説かれている感じ。でもなんだか作中ふわふわしていてつかみどころもない感じ……
みひろ視点は生々しくて鬼気迫る感じがしたんですが、男性視点は少し弱い気もしました。もう少しリアルさがあってもよかったかも。
でも、読んでよかったです。
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2人の兄弟と1人の女性の視点から書かれている。全くタイプの違う兄弟。それぞれに惹かれて行く女性。商店街のコミュニティーで育てられた3人。地域コミュニティーの良さと窮屈さも、丁寧に書かれている。常々思うけれど、幼少の頃の親からの影響は本当に大きい。でもそれぞれをどう消化するかは、その子ども次第だと。この小説もそれぞれが親の影響を強く受けているけれど、それぞれが幸せを掴んでいきそうなラストで、読後感がよかった。
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本の帯通り大人の恋愛の物語だった。おもしろくて素敵なお話だった。本当の気持ちを隠してはいろんなことができないとよくわかった。気持ちを無理に隠すのはやめないと。