紙の本
世界の課題
2016/12/15 19:54
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投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
IT、バイオテクノロジー、防犯カメラに対する抵抗感の喪失による監視社会など、私たちの世界の課題は増えている。人工知能はどうだろうか。哲学者はこれらの問題を発信し、私たちは考えなければならないと思う。
紙の本
哲学のナビゲーション本
2018/10/31 09:18
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投稿者:匿名 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「哲学=どう生きるべきかという人生論」だと勘違いしている人に是非読んでほしいです。本書では、作者は世界の哲学者の考えを平易な言葉で整理し、作者本人の考えは書かずにナビゲートする役割に徹しており、これから哲学関連の本を読み始めようと思っている人に最適な本だと言えます。
電子書籍
タイトルから…
2016/11/26 19:48
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投稿者:はるにゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルからどうなのかな…?と気になり、読んでみました…!(*^-^*)
なるほど…!と納得できることが多く、また、読んでて面白かったです!o(`^´*)
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
哲学の現在の状況をわかりやすく解説している。6つのカテゴリーに分けて主要テーマ、論点を紹介し、参考文献も示してくれる。世界の哲学者が考えていること、IT革命、バイオテクノロジー、資本主義の21世紀、宗教、地球環境問題の6つだ。
現代生活のなかでは日常茶飯事に出てくる話題が多い。グローバル化し、発散していく社会の中で、個人としてどう生きるか、宗教や倫理学とも異なる哲学の必要性が浮かび上がってくるのだろう。新しい時代に新しい哲学の構築が求められるのだろうか。各テーマ毎にブックガイドが付いており、次の読むべき図書を選ぶ際に参考になる。
しかし、こうした解説本がでないと世界の哲学者が考えていることがわからないようでは、一体、哲学するということは何なのだろうか。
紙の本
読みやすいが、少し物足りないかも
2017/03/22 23:20
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投稿者:しょひょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
話題の本ということで、電子書籍で購入して通読。
まず、「哲学者が考えていること」を紹介する本であり、哲学書ではない。
人工知能(AI)や遺伝子工学、環境問題などの現代的な問題について、世界の哲学者(必ずしも哲学者でない人も含まれているが)が、どう論じているかを紹介してくれる。
文章は平易で読みやすい反面、文字通り考え方の紹介に過ぎないので、いわゆる哲学書のような深みはない。本書の中でも、テーマ別に、もっと詳しく知りたい人のための参考文献が掲載されている通り、さまざまな考え方の入り口を学ぶための本。
一読する価値はあったと思うが、もう少し重厚な内容を期待していたので、ちょっと物足りなさも感じたので、評点は3点。
ただ、軽めの概説書、というニーズには応える本だと思う。
紙の本
問題ごとに
2019/07/28 18:11
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投稿者:ただの人間 - この投稿者のレビュー一覧を見る
オーソドックスな哲学者オリエンテッドな形ではなく、現代的な展開に軽く触れたうえでAIや環境など現代的な問題ごとに哲学者の議論を論じる。具体の現象から抽象的な問題をどのように発見して結びつけていくかについては最近別のところでも気になっていたところでもあり、参考になった。人間中心主義といった根本的な価値観と具体的な問題の距離は思ったより近い(あるいはそのように論じることができる)と感じた
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哲学と言うのは昔の思想を勉強すると言うだけの学問かと思っていたけど、むしろ今の時代に何を考えどう生きていくのかを考える事が大事だと理解。
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哲学の現在、IT革命、宗教の章が面白かった。こういう風に全体像を一般向けに書いてくれる本はありがたい。
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リアルタイムで活躍中の哲学者、生命科学者などなどの理論の概略を理解するのに便利。引用文献も豊富ですが、まだ和訳されていない書籍も多いようです。英語で読むのはちょっと敷居が高いかな・・・。この本を手がかりに新たな知のフィールドへ探検の一歩を踏み出すのも悪くないかも。扱っている領域が広いので、各分野にそれなりの知識のある人にとっては物足りない点があるかもしれません。
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第1章は分かりやすくまとまっていて参考になりました。
それ以外はいわゆるガイダンスとして参考になるものの、哲学が指し示すものが何なのかという問いに答えるものではありませんでした。具体的には、バイオテクノロジーに対する生のあり方、資本主義社会における企業のあり方、について示唆を得たかったのですが、残念ながら解への手がかりを得ることはできませんでした。
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哲学の現況と社会の諸問題とのかかわりが簡潔かつ網羅的にまとまっていて非常に参考になった。哲学は比較的とっつきづらい分野であるが、その入門書として最適だと思われる。本書では敢えて特定の主張を控えて、各学説と社会の関係性の記述に終始している、ナビではなくマップと言った感じ。(個人的には)本書を足がかりに専門書に手を伸ばすなり、思索を深めるなりするのが哲学的な姿勢ではなかろうか(と思う)。
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今世の中で起こっている問題を、哲学者がどう捉えているのか。タイトル通りの本。
基本的にほんのさわりしか紹介しないので、この本で議題になっている話題に少しでも触れてきた場合は、物足りない。
入門書。
ピーター・バーガーの脱世俗化の話で、先進国でも宗教に入信する人は増えてきているっていう話が面白かった。
ドーキンスの「神は妄想である」が世界中で150万部のベストセラーになった一方で、アメリカでは根強くキリスト教の天地創造論を信じる人が少なくない。
科学と宗教を対立して論じない、ということを主張したグールドの見方は面白いけど、やはりそう割り切って納得できるものでもない気がする。
人間の精神との向き合い方については、やはり宗教の教えがとても身に染みることが多々あるし、そこは科学で如何ともしがたい部分だと思う。
でも宗教が世界を説明する1つの手段である以上、やはりそこは科学と対立せざるを得ないんじゃないかなあ。
ローマ教皇が科学について論じた、みたいな本もあった気がするので、「宗教と科学」というテーマで調べてみても面白そう。
なぜ、脱魔術化の時代において再魔術化が行われたのか。
特に科学的に考えるのが当たり前とされていそうな地域でも、それが行われているのが不思議だ。
拠り所を求めているのだろうか。
まあ、実際に自分は科学のほとんどを知らないのにそれを信じている、という点でそれはもう立派な科学教信者のような気もするが。
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著者の岡本裕一朗氏は、一般向けの新書も上梓している西洋近現代思想の研究家。
著者は、まず序章で、フーコーの表現を引用して、“哲学”とは「たった今進行しつつあることは何なのか、われわれの身に何が起ころうとしているのか、この世界、この時代、われわれが生きているこの瞬間はいったい何であるのか、われわれは何者なのか」を問題にすることとし、“現代(今)”というこの時代は、「歴史的に大きな転換点」、「「モダン」そのものの転換点」であるが故に哲学にとって重要なのであるという。
そして、前段で、デリダやローティをはじめとした20世紀後半のスター哲学者の多くが亡くなった後、「21世紀になって、世界の哲学はどうなっているのか」を俯瞰し、後段で、「モダンの転換」に関わる5つの重要なテーマについて、哲学者の範疇に留まらない、各領域の専門家の思想を縦横に引用・紹介している。
特に後段については、いずれも単独の主題として取り上げた書籍を読んでいるような関心の高いテーマで、非常に興味深いものであった。
なお、後段の5つのテーマでは以下のようなキーワード、キーコンセプトが取り上げられている。
1.IT革命・・・人工知能(AI)、シンギュラリティ(技術的特異点)、SNSと民主化運動、スマートフォンのドキュメント性、パノプティコンとシノプティコン
2.バイオテクノロジー革命・・・ゲノム編集、ポストヒューマン、リベラルな優生学、トランスヒューマニズム(人間超越主義)、クローンと一卵性双生児、寿命革命、脳科学研究と近代的刑罰制度
3.資本主義・・・「歴史の終わり」、ピケティ現象、格差是正と貧困救済、リベラリズムとリバタリアニズム、ネオリベラリズム(新自由主義)、グローバリゼーション、仮想通貨、フィンテック、シェアリング・エコノミー、
4.脱宗教化・・・「世俗化」と「ポスト世俗化」、「文明の衝突」、多文化主義モデルと社会統合モデル、グールドのNOMA原理とドーキンスのNOMA原理批判、創造説とネオ無神論
5.環境問題・・・地球温暖化問題、人間中心主義、ディープ・エコロジー、環境倫理学、環境プラグマティズム、生態系サービス、リスク社会論
歴史の転換点に生きる我々が考えるべき根本的なテーマについて、現代の知性たちの多様な主張をヒントに、自らの考えを掘り下げることができる、有用な一冊と思う。
(2016年10月了)
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ポストモダンの哲学がその勢いをずいぶんと昔に削がれた後にもまだ「哲学者」がいるのか、いるのであればそういう人たちはどういう問題意識をもっているのか、ということに興味を持って読み始めた。
ヘーゲルの有名な言葉「ミネルバの梟は黄昏とともに飛び立つ」をひいて、哲学とは「自分の生きている時代を概念的に把握する」ものだと著者は定義する。その問題意識は、かつて「哲学者」が抱いていたそれとは時代認識が違っているからこそ当然にして異なっている。そのために著者は、
①哲学は現在、私たちに何を解明しているのか?
②IT革命は、私たちに何をもたらすのか?
③バイオテクノロジーは、私たちをどこに導くか?
④資本主義制度に、私たちはどう向き合えばいいか?
⑤宗教は、私たちの心や行動にどう影響をおよぼすか?
⑥私たちを取り巻く環境は、どうなっているか?
という現代に即したテーマに関して哲学的論考を進めていく。
①の議論では、言語から意識への自然主義的転回、ジョン・サールなどの意識の問題について考察する。自分の感覚では、本章がすべての章の中でもっとも「哲学」らしい。著者がこの章を初めに置いたのもそこに理由があるのではないだろうか。
②のIT革命に関しては、フーコーのパノプティコンや「1984年」のビッグブラザーに言及しつつ、ジグモンド・バウマン、ダニエル・デネット、レイ・カーツワイル、などを紹介。
③のバイオではクローンなど遺伝子技術に関連して、リチャード・ドーキンス、マイケル・ガザニカ、ピーター・シンガー、アントニオ・ダマシオ、ジョシュア・グリーン、オリバー・グッドナイフ、などの生物学者や脳科学者を紹介。この領域は今後も大きく進展していくだろうし、いわゆる哲学の領域にも浸食していくだろう。
④の資本主義社会については、トマ・ピケティ、ロバート・ライシュ、ジョン・ロールズ、ロバート・ノージック、ハイエク、ミルトン・フリードマン、アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート、アマルティア・セン、エマニュエル・トッド、ジャック・アタリ、ダニ・ロドリック、ジェレミー・リフキン、ヨーゼフ・シュムペーター、などを幅広く紹介。道徳と倫理といったことが論じられている。
⑤では多様化する社会と地域紛争を取り上げて、チャールズ・テイラー、サミュエル・ハンチントン、ユルゲン・ハーバーマス、ミシェル・ウェルベック、ジル・ケベル、スティーブン・グールド、マルクス・ガブリエル、などを紹介。
⑥では環境問題として、地球温暖化、種の多様性、などスケールの大きな問題について扱い、ブライアン・ノートン、ベアード・キャリコット、ウルリッヒ・ベック、ビョルン・ロンボルグを紹介。
IT技術やバイオ技術が世界や倫理に与える影響について検討が必要であることは間違いない。経済についてもグローバリズムや格差の問題となると倫理の問題につながる。現在の「世界」を考える上では、宗教を含めた文化の多様性についての議論は避けることはできない。環境問題については冷静な議論のための理論構築が必要だ。これらの諸問題をめぐる言論をまとめるという意図ではこの本は成功していると思う。ちょうどよいくらいに専門的で知らない内容がまぶされていて面白かった。
およそ本書で紹介されている知識人の多くはおそらくは自分自身のことを「哲学者」だとは思っていないだろう。
世界の哲学者がどのようなことを考えているかを書いたと言いながら、哲学者がかつて占めていた場所の多くを別の分野の学者が占めていることが明らかにされたようにも思う。ただ、それも含めて「哲学」と呼んでもよいのではないかというのが著者の言いたいことであるのだが。その世代の問題意識によって必要とされる「哲学」は変わってくるのだから。
まずまずに知識欲が刺激されて読んでいて楽しかった。
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今の時代の変化について、考えていることは伝わるのだが、哲学者は言葉でまとめようとし過ぎ。本質の部分が分からなくなってしまうように感じました。