紙の本
ファンタジーの旅路が、現実のミステリーの謎解きへと続く
2016/11/01 18:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
某テーマパークをモデルとした舞台で繰り広げられるファンタジーとミステリーの融合。といっても、軸足はやはりミステリーの側にあると感じました。
暗号や言葉遊び、魔方陣などを多用した物語進行。そして終盤の推理などにそれが表れています。
酷評する方もいますが、現実の事件の密室トリックがアンフェアなのは、ヒロインが口にしかけたとおり著者も自覚しているでしょう。
ミステリーとしての読みどころは、密室トリックでは無く、それが明らかになった後の容疑者の出入りを元にした推理の組み立て、そしてある事実から導き出せる「意外な犯人」にあると思います。
それらに着目すると、意外なほどにフェアで正当な本格ミステリーではないでしょうか。
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七河迦南による、ファンタジー本格。
パラレルワールドで同時に起きる事件を、片や本格ミステリとして、片や冒険ファンタジーとして書き連ねた作品。
二つの事件の相関性や、魔方陣を軸にしたパズラー要素と、エンタメ性は高い。
ただし、どうも景観描写がしっくりこないのと、人物たちの掘り下げが弱いことで、読み弛みをしてしまう。ミステリ的なオチももうひとつといつたところ。
なんとなく予想はしていたが、煽り文句にやられた。
3-
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前作から…4年も経ったのですね。養護施設を舞台とした前までの作品から一転して、今回の作品はコミカルな雰囲気でつづられたテーマパークが舞台のパズル的趣向の強いミステリでした。
テーマパーク「ハッピーファンタジア」が現実となった世界に潜り込んだ杏那が巻き込まれる事件と冒険。そして一方ほんとうの「現実」の世界では彼女の失踪とまた別の事件に彼女の恋人の優が直面していた…
というお話ですが、いやあトリッキーというか、そう、こういう趣向を盛ったお話作りをされる方だったなあと思い出した次第です。
正直なところ理解しきることはできず…己の脳みその限界を思い知ったところはありますが…、凝りに凝ったファンタジックなミステリであることは間違いないです。
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ファンタジックな要素を絡めつつ、かなり本格ミステリ。現実世界と、ファンタジー満載の「ハッピーファンタジア」で起こったそれぞれの事件。ファンタジーの世界だけに魔法やなんやで解決?と思ってしまうのですが、そんなことはありませんでした。
数々の伏線にも驚き。気づかなかったなあ。魔方陣には頭ぐるぐるしちゃいましたが(苦笑)。チェスの問題は考えたらわかった。だけどそこにそんな意味が隠されていたとはっ!
読んでいてわくわくどきどきの冒険活劇要素もあり。とにかく読んでいて楽しいミステリでした。
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うーん、作者に期待していた方向性とは違うなぁ。
デビューシリーズからの脱却を図りたかったのかな。作者が楽しんで書いているだろうその楽しさが読者にあまり伝わってこない。厳しく言えば書き飛ばした感。5.0
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テーマパークがファンタジーの世界につながって殺人事件と館トリックで大混乱、みたいな話。ファンタジーパートが好みじゃなく拾い読みで終了。
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著者4年ぶりの新作は現実と魔法の世界で同時進行するミステリ&ファンタジー。今回のキーワードはパズルとアナグラムですけど、それが楽しめない俺には苦痛以外の何物でもありませんでした。「ホンマアスト」 ならまだしも、「いたいけウェンダ」が何のアナグラムかなんて俺にゃあさっぱりでい
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杏那と優のパートが交代で展開され、別々の世界観の情報が交互に入るので理解ができず読み進められなかった。残念…。
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杏那は恋人で研修医の優とともに、大好きなテーマパーク・ハッピーファンタジアにデートでやってきた。ふとした好奇心からパーク内の研究施設に入ってしまう。落し物を拾うために優と分かれてエレベーターに乗り、開いたドアの向こうはまるで違う世界、パークの主人公、ハッピーパピーが実在する世界だった。一方、戻ってこない杏那を待つうちに優は研究施設内の殺人事件に巻き込まれてしまう。
七河さんの新刊だ!!と喜び勇んで読んだものの、これはちょっと合わなかった……。登場人物が多くて、そもそもファンタジーパートの世界観も飲み込みきれず、ついていけなくなること多々。終盤になってトリックとか謎とか現実とリンクしてくるとやっと勢いがついたのだけど、ちょっと残念。
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ファンタジー好きなので、杏那パートは楽しみながらサクサク進みました。パズルの要素と、名作へのオマージュという嬉しいオマケ付き。
反面、優パートの全部盛り的巧妙トリックが飲み込みきれず...しかしミステリマニアなら唸るところなのでしょうね。
本格ミステリもファンタジーもこなしてきた玄人読者への、「挑戦状」と呼ぶに相応しい読みごたえです。
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現実に起こる事件と隣接する世界で起こる事件。
浦安のテーマパークを思わせる世界観で
ファンタジーの要素たっぷり。
ミステリの部分も魔法陣やアナグラムなどパズル的。
今までの作品を期待して読むと
ちょっと期待外れにかも…
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今年初読書。ミステリに真っ向から取り組んだ一冊かな?もっと長編にしてもよかったのではいろいろもったいないです。
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巻末の参考文献にも明記されているけれど、この話の舞台ハッピーファンタジアは読めば誰にでも分かるレベルでディズニーリゾートを模している。
私自身はナルニアもゲドも指輪物語といった海外ファンタジーは好きだしそれを扱ったテーマパークがあればいいなとも思う。でもそのイメージを頭の中に描くにはリアルのディズニーが強過ぎる。
そのせいで杏那やパークスタッフがいくらハッピーファンタジアの魅力を語り、キャラが世界の危機を訴えても借り物感が拭えない。
そして身勝手に解放されてないエリアに立ち入った上に、いくら好きだからといってファンタジーの世界に入り込んだのをさして驚く事もなく受け入れる杏那や、いきなり探偵の真似事を始める部外者の優に対して怪しむ事もなくペラペラと内情を語るスタッフに違和感が。
魔方陣やアナグラムそのものはよく出来ているのに、それを難なく杏那や優が解いてしまう辺りを含めて全体的に御都合主義過ぎて最後まで物語に入り込めず、読み手として置いてけぼりにされた気分だった。
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某ネズミの国+某スタジオジャパンを彷彿とさせるテーマパークで不思議な世界に迷いこんだ杏那と重役の殺人事件に挑む優。杏那はもとの世界に帰ることができるのか。優は事件の謎を解くことができるのか。
パークの情景は、現実のパークのイメージもあって想像しやすいのだが、地理感覚は当然ながら全くないので訳がわからなくなるし、塔の作りは最後までよくわからなかった。そもそも、彼氏と進展したい!と意気込んだデートで、平気で立ち入り禁止らしき場所に踏みいる女子高生ってどうなのか。自分ならお断りだが。設定がぶっとんでいるのはよしとしても、ミステリ部分はわかるはずもなく、犯人もわかるはずもなく、犯人?が杏那を襲った理由やファンタジー世界の方でのオチはひどい。ファンタジー部分は大人に辛く、ミステリや謎解き部分は子どもに難しく、対象年齢のわからない本だった。
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作者お得意のアナグラム炸裂。ファンタジー仕立ての密室ミステリー。フェアといえばフェアだけど、例のパークが重なって、発想は面白いけど、もっと別のオリジナリティあふれる話が読みたい。