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タイトル通り触れる事について科学的に解説。
学術的な説明が非常にしっかりしているので読み応えがあり、様々な実験内容や実例なども興味深いです。
子供のドア遊びによる触覚の説明の中で人は自分の作り出した触覚を弱く知覚するので同じ力を出そうとすると強くなる、という話は非常に興味深い。
「触れる」ことに興味がある人は必読の一冊だと思います。
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人には、撫でられると気持ちよいと感じるための専用の神経がある。ゆっくりと、秒速3 ~ 10㎝で撫でられるときだけ、反応する。早すぎても、遅すぎてもいけない。
進化の過程で、どんな優位性が働いてこの機能が発達したのかはわからない。しかし、ゆっくりと、『秒速5センチメートル』で撫でる/撫でられることには深い意義があるのだ。
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デイヴィッド・リンデンの本は、快感回路についで二冊目。今回も面白かった。マッサージ、ハグ、痛み、かゆみ、それによる心理的・身体的影響。
こういったものを科学的に、どういう物質がどこのレセプターを通って、どういう信号になるか、まで落とし込んだ、専門書ギリギリの内容です。また、どの機能が停止するとどういう症例が出るかにも言及しています。
特に、快感を生み出す専用の神経(C)と、その刺激方法(秒速3-10cmで撫でる)は実用的でした。その他、ここには書きませんが、実践的な内容てんこ盛りです。
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医学かな、科学かな、と思いつつ見ると分類は精神心理のジャンル。触感は本書にも書かれているように英語でfeeling(感情)だからなのかなと。
すごく深く寝ていたりはっきりした夢を見たりした後に目覚めたとき、体が痺れたように重くなり力が入らない現象に名前があるなんて知りませんでした。
何気なく感じていたことにもきちんとした名前があると知ることが最近多く、まだまだ知らないことだらけだなと思わされます。
「快感回路」の著者だったのか、道理で話が性的な流れが多いのなと思いつつ読んでいたら訳者の方がまさにそう書いてました(笑)
性的な話のくだりは大変興味深くはあるものの、ちょっと女の人に関する記述がくどいんではと。
自分が女だからちょっと不快になってしまったのかも、ですが。
でもそれは置いておいて、「快感回路」 もとても興味深く読みましたが本書も「触感」について様々な角度から論じられています。
痛みや痒みなどの触感についてはまだよくわからないことがかなりあるようです。
大抵の研究ってマウスやサル属などの動物を使うことが多い印象がありますが、触感の伝わり方については人間と動物とでは違うところもあるようです。
かといって全ての研究を人間で行うのはきっと内容的に(どんな内容かは読むとわかると思います)プライバシーや人間関係や尊厳にまでも関わってくると思われる面があり難しいのでしょう。
実際の研究では、多くの患者さんがいるような病気治療の研究に重きが置かれていて、触感の研究などという一見漠然としたものに情熱もお金もそれほど傾けていられないと考える関係者が多いのじゃないかなーなどと感じましたね。
しかし、無痛症の人や地獄の痒みに悩まされている人にはこの研究が進むかどうかは切実でしょう。
脳まで掻いてしまった女性の話は、痒みというものが実は人間にとって痛み以上に切実な悩みになりうることを教えてくれたと思います。
同じ章に、オンコセルカ症についての記述もありましたが、この治療薬開発に関わる大発見で日本の研究者が昨年ノーベル賞を受賞されたことを思い出しつつ読みました。
全体の記述はかなり専門的な内容もありますが、知識の無い一般人でも理解できるようかなりわかりやすく書かれて(翻訳されて)いると思います。
必要に迫られるような読書体験ではありませんが、知的好奇心を満足させてくれる体験になると思います。
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「触れることの科学」http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309253534/ … 読んだ、おもしろかったー!内容は、実際の外的タッチに留まらず、食物と味覚との関連や、性快感、内臓触覚、錯覚、痛み痒み、感情の変化が及ぼす触覚への影響、と多岐にわたる。つくづく、人体の不思議、脳の驚異だ(つづく
ホットチリ、クールミントは口腔以外の他の皮膚でも同様に感じるか?とか、脳が痛みの強弱をコントロールできる、とか、無痛症とか。なぜ掻くと痒みが一時的におさまるのか、とか。痒みの感覚は伝染する、とか。掻きすぎて頭蓋骨に穴を開け、脳が外へ出てしまったとか。信じ難いがこれは実話(おわり
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★科学道100 / まるで魔法
【所在・貸出状況を見る】
http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=11700402
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2017.6/12 カンガルーケアの記述や「赤ん坊から大人まで、同僚から恋人まで、さまざまな関係において社会的接触が信頼と協調の発達と強化に重要な役割を果たしている〜優しく撫でる触れ合いは、安全を伝える〜脅威ではない〜この種のコミュニケーションではC触覚系が中心的な役割を果たしている」あたりは納得。あとはひたすら専門用語の論文系か、丸逆の性的な話。振れ幅大きいです。
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB22138760
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たまたま移動販売型の本屋さんで衝動買い。
触覚はとても不思議な五感だ。身体中にセンサーがあり、そのセンサーにも様々な知覚を感じるように分類されている。第1章で皮膚は社会的機関と言っているように、経験に基づいて「良悪」を判断している。
血吸いコウモリからオーガズムの原理まで、わかりやすく触覚を論じている書籍!
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苦痛や快楽は、ほとんど触覚からやってくる。触覚はさまざまな感覚や感情に繋がれた複合だ。だから案外目立たないのかもしれない。
かなり興味深い理屈、早速使えるエピソードまで、満載されている。
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『快感回路』に続いて神経科学者D・J・リンデン2冊目。
ふと「相手に『触れたい』と感じる性欲と異なる欲求はなんなのか」と思ったので、参考に選んだ本。前作と同じく、日常で得る感覚の仕組みを自然科学サイドからガッチリと解説していく。
基本的に触覚は異なる刺激に反応する4つの受容器から発信された信号の組合せを脳が解釈することで生じ、さらに伝達速度差によるタイムラグや温冷間刺激、他感覚からの予想などが加わることで、非常に多彩なパターンを示す。というのをベースとして、圧力、質感、痒みなどの触覚を解説していく。
触覚から得る繊細な判断をあらかた示した上で、「視線を肌で感じる」というような第六感的感覚もまだ切り分けきれていないだけで、複合的な刺激によって脳が判断しているのだろうと締めくくる。
納得感はかなり強い。
その多彩さを認めた上で最初の疑問を解釈すると、「触覚から得る情報量は膨大であり、『相手を知りたい』という欲求が『触れたい』に置換されている」のかなと思った。
手を繋ぐ、抱きしめる等々、それらを通じて「相手をより知っていく」という感覚は経験的にも強くある。
『快感回路』を読んだ時にも思ったけど、人の行動や欲求を読み解こうとする時に自然科学と人文科学の両側面から解釈していくと、それらが有機的に繋がって面の知識となると感じる。
アプローチが帰納的か演繹的かの違いに近い感覚で、どちらも大切だと感じる。
いい本だった。
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[鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB22138760
[鹿大図書館学生選書ツアーコメント]
触れ合いの多いバスケットボールチームは強い!?
触角と感情は切っても切れない仲といっていいほど密接に繋がっています。
この本では直接触れることによって感情にどう影響が出るか?などについて、
皮膚や脳や神経のお話も交えながら、科学的に述べられています。
読んだ後に誰かに話したくなること、間違いなし!