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紙の本
古典的なテーマでやや現代離れ
2019/02/21 18:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は推理小説には付き物の「密室」をテーマとしたもので、推理作家7名が密室が絡む小説を書いている。といっても本書のためではなく、出版社が集めてきたというべきであろう。7名の作家は、飛鳥高、鮎川哲也、泡坂妻夫、折原一、陳舜臣、山村正夫、山村美紗である。
最近のミステリー、あるいは推理小説には密室はあまり出てこない。つまり、密室絡みの推理小説はやや時代遅れなのである。別にあっても悪くはないのだが、今時密室推理小説を書く作家はいない。本書で密室を書いている作家7名のうち、すでに5名は鬼籍に入っている。存命の飛鳥高は97歳と高齢だし、折原一は67歳と若くはない。
読んでいるうちに、その背景などから随分古き良き時代を感じさせるのである。巻末で山前譲氏が頑張って密室について解説している。密室自体が古いというよりも、今回集めた作家の作品が時代を相当感じさせ、読者は推理小説の粋を感じるよりも先に、古い作品を読んでいるという気にさせられるのである。
という意味では企画が外れたのではないか。唯一最後の山村美紗の作品が楽しめた。「ストリーカーが死んだ」である。電話によるトリックを使っての殺人事件である。これが現代的である。ストリーキングは最近あまり聞くことのない言葉であるが、それを除けば十分楽しめる一編であろう。
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