紙の本
万能ではない両氏
2017/03/05 15:03
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
池上氏と佐藤氏が現代の諸問題を語り合う第三弾。暴走気味の佐藤氏を池上氏が中和するいつもの展開で、ほど良い対談集に仕上がっています。
内容は、新自由主義により超格差社会が到来、その反動としてポピュリズムが全世界を席捲する中で現われた世界のリーダーたちを論評。最後に理想のリーダー像を語るという構成です。社会的タブーは語らないことが政治家の不文律のはずが、タブーを語ることで大衆を煽り、人気を掴むのが世界的潮流のようです。軽挙妄動になりがちで、世界は想像以上に深刻な事態になっていると認識しておく必要がありそうです。
ところで、橋下徹を「トランプ氏と同類だ」と、佐藤氏ではなく池上氏が何度も執拗に攻撃。異論はありませんが、もはやタレントにすぎない橋下を個人攻撃するとは、相当嫌いなのでしょう。池上氏にしては珍しいと思いました。
また、あたかも日本を代表する知性のように喧伝される二人ですが、トランプ大統領就任後の見立ては結構外れていて笑えます。今のところは、木村太郎の見立ての方が当たっています。それだけトランプの言動は予想できないということでしょうか。
この手の本は、すぐには読まずに、しばらくして読むのも面白いですね。
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新・リーダー論 大格差時代のインテリジェンス
2016/11/30 02:21
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投稿者:ドラゴンタトゥ - この投稿者のレビュー一覧を見る
リーダー論としてよりも、激動の一年を振り返っての世界情勢の情報分析が面白かった。
特に米大統領選で、トランプが元民主党員で、ヒラリークリントンは元共和党員で政策自体が、ブッシュ元大統領時代のネオコン的発想だという指摘が鋭い。
また、現NTP体制では、核保有の選択をした瞬間に、ウランを輸入できなくなり、日本はエネルギー危機になる。「日本の核武装は物理的に不可能」との言葉は重い。
日本国民がこの事実を広く共有することが望まれる。
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第3段に至って
2016/11/20 16:09
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投稿者:小林 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまでの2冊では世界史だの戦争だのとテーマが付いているのは不要だと思っていました。2冊目は1冊目からの情報更新で、それぞれの内容はテーマで分けられないと思ったからです。また世界史の教科書の話題を入れているのをこじつけに感じたのもあります。ただ今回は大統領選挙があったためにテーマの意義を初めて実感しました。
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インテリジェンスの権威2人の対談第3弾
2016/11/20 00:03
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
池上氏と佐藤氏の対談をまとめた本の第3弾。書名は「リーダー論」ですが、内容的にはイギリスのEU離脱、アメリカ大統領選挙、パナマ文書にみられる格差拡大等々の国際時事問題に関する対談をまとめた本で「これからのリーダーはどうあるべき」的な内容は少ない目です。
プーチン大統領、エルドアン大統領などにみられるちょっと強硬な指導者や、国民投票でEU離脱を招いたキャメロン前首相、異端の大統領候補トランプ氏などの政治家がなぜそれぞれの国でリーダーとして選ばれたのか(トランプ氏は共和党候補という意味で)という視点で対談が進んで行きます。
かなり幅広いトピックスについて新書1冊にまとめた本なので、それぞれの項目に関しての掘り下げ度合はほどほどですが、時事問題についてのお二人の見解をざっと俯瞰できる点は参考になりました。
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知的興奮
2016/11/13 06:22
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投稿者:さんぴん - この投稿者のレビュー一覧を見る
池上彰×佐藤優氏の対談新書では3冊目。毎回読んでますがハズレなしですね。お二人の議論はいつも楽しく興奮してます。
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【『新・戦争論』『大世界史』に続くシリーズ第3弾!】トランプ旋風、英国EU離脱など、格差拡大で、過激なポピュリストが各地に台頭している。この激動期にいかなるリーダーが必要か?
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まず、帯のデザインが佐藤優と池上彰がキスしようとしているみたいでキモい。
そして、前作『大世界史』と比べておっさんの時事問題談義感が増してる。あんまり勉強になった!って感じがしなかった。
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伊藤くんAtoE
ロシア議員特権が強く、5年の任期中不逮捕特権があり、殺人の現行犯でない限り、捕まらない。マフィアに不逮捕特権を与えないために小選挙区をやめてくれというのが国民の切なる願い
トランプは潔癖症 自分専用のトイレしか使えない
クリントンキャッシュ
共和党 保守、前身連邦主義者党(北部地盤、産業振興を目指して、奴隷制に反対、進歩的な政党) 民主主義と行っても移民してきた白人のための民主主義 変化についていけない南部の民主党員を共和党にねこそぎした 小さな政府を志向し、社会保障に税金を使うのを反発
民主党 リベラル、前身民主共和党(南部地盤、大規模農場経営とため奴隷制度を維持、保守強硬派) 北部の民主党に移民などの多様な人材が流入してきてリベラルに変身 弱者のために社会保障を充実させる大きな政府を容認
日本年収4000万 所得税45%住民税10%復興税2%合計57% 香港やシンガポールへ行けば20%以下 シンガポールには所得税はあるが、キャピタルゲイン課税、住民税、贈与税、相続税がない
石井一 冤罪 P3Cの売り込みが日米間の貿易インバランスを正すための最重要課題だと言われていた。金額的にもトライスターよりP3Cの方がはるかに大きかったが、P3Cを取り上げるとなると、両国の安全保障耐性を極度に揺るがす大スキャンダルに発展する恐れがあり、これらについては一切ふれないということになった
余人をもって代えがたいリーダーがいると、かえってその人がいなくなったら組織も終わりになる 読売新聞とJR東海
リーダーには、他人の気持ちになって考える共感力が不可欠。しかし、必要な状況においては、非常に切り捨てなければならないこともででてくる
ナルシシズムの肥大した根拠のない全能感をおつような指導者は必要ない
へりくだることができ、弱い人と共に進むことができるリーダーが本当に強いリーダーである
「あなたがたが皆のなかで最も小さい者こそ、最も偉い者である」 ルカによる福音書
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池上氏と佐藤氏の対談をまとめた本の第3弾。書名は「リーダー論」ですが、内容的にはイギリスのEU離脱、アメリカ大統領選挙、パナマ文書にみられる格差拡大等々の国際時事問題に関する対談をまとめた本で「これからのリーダーはどうあるべき」的な内容は少ない目です。
プーチン大統領、エルドアン大統領などにみられるちょっと強硬な指導者や、国民投票でEU離脱を招いたキャメロン前首相、異端の大統領候補トランプ氏などの政治家がなぜそれぞれの国でリーダーとして選ばれたのか(トランプ氏は共和党候補という意味で)という視点で対談が進んで行きます。
かなり幅広いトピックスについて新書1冊にまとめた本なので、それぞれの項目に関しての掘り下げ度合はほどほどですが、時事問題についてのお二人の見解をざっと俯瞰できる点は参考になりました。
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今回の大統領選挙についての章があったので、読んでみました。
新自由主義、グローバリズムにより、社会がアトム化し(コミュニティが失われ)している現代。人々の不満は鬱積し、そこにポピュリズムが蔓延る土壌ができる。英国のEU離脱や、今回のトランプ現象はその流れで起きている。
一方で、ポピュリズムに対抗するものとして、歪んだエリート意識が跋扈することが危惧される。エリートが大衆を軽んじて、法的根拠ないまま自分たちの思うままに社会を動かそうとする、ポピュリズムへの反動的な動きを警戒すべきである。
中東、欧州、北朝鮮、日本の政治、核武装について等、どれも鋭い切り口で、なるほどと思わせてくれます。お二人の対談は3冊目ですが、最初の頃よりも話がかみ合って、お互いが張り合うことなく、スムーズに補完し合いながらの話の展開はリズムがよく、読みやすかったです。
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池上彰と佐藤優の3冊目の対談。
内容は3冊ともに、その時々のホットな国際的な時事問題であるが、タイトルは「新・戦争論」「大世界史」と、今回は「新・リーダー論」と、必ずしも内容全体を著してはいない。
タイトルのような内容も入ってはいるが、むしろ直近の国際情勢の分析と割り切って読むことをお勧めします。そういう読み方をすれば、いつもホットな国際問題について切り込んだ、深い洞察力を感じさせてくれるシリーズです。
内容は、「新自由主義」下における格差の拡大や階層の固定化により、それへの大衆の不満と、それに迎合する大衆迎合型のポピュリズムが台頭し、その結果エリートと国民の間の信頼関係が薄れ、民主主義がうまく機能しなくなっている・・・米国のトランプであり比国のドゥテルテ、また英国のEU離脱の国民投票実施等。
佐藤優はそのような政治家の先陣を切ったのは、フランスのサルコジだという。
エマニュエル・トッドの言葉を引用して「サルコジの否定性が人々を引きつけた。強いものへの敬意、弱者への軽蔑、金銭への愛、不平等への要求、攻撃の欲望、イスラムやブラックアフリカの人々をスケープゴートに仕立て上げる手口、目まぐるしい自己陶酔・・・」
言葉だけを聞けば、トランプの事だと思ってしまうほど類似している。
ここで考えなければならないのは、現在の「新自由主義」と、かつて米国レーガン大統領や英国サッチャー首相が「新自由主義」を掲げて登場したときと、社会的背景が違っている。
当時は社会民主主義が蔓延しており、国家による富の再分配で「ゆりこごから墓場まで」と言われた時代だった。そういう環境で、レーガンとサッチャーは、批判を顧みず敢えて「これでは国家も社会も弱体化する一方だから競争原理を導入しろ」と主張した。
ところが新自由主義が社会の隅々にまで浸透した結果、それがいまや素晴らしいことだと思われている。特にエリートほど新自由主義的価値観を当然視して、社会に対する責任を思う前に、自己利益を優先している。
金が全ての価値基準になってしまった。
他に、プーチン、エルドアン、金正恩、トランプに乗っ取られた共和党、ヒラリー、英国のEU離脱、パナマ文書、オバマの広島演説・・等々の話題満載だが、上記の「新自由主義」の部分だけでも、しっかり理解できれば、この本を買って読んだ価値があると思います。
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佐藤優氏と池上彰氏が格差の拡大をもたらした新自由主義の終焉を背景としたリーダー論を対談形式で語ります。オバマ、ヒラリー、トランプからプーチン、サルコジ、ボリス・ジョンソンなどへのあまりマスコミには表出しない人物評がとても面白い。元祖トランプがサルコジだったとは!
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読了。勉強になる。時事が良くわかる。少し新聞を読もうと思う。内田先生を批判?してたのは、眉がぴくりと動いた。佐藤優は、内田樹が嫌いなのだろうか?
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今月の3冊目。今年の3冊目
新リーダー論というよりかは、世界のリーダーはどのような人物なのかという点について語っています。そういう意味では、自分でこの本を読んでリーダー論を考えてみてください、といった感じが。
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一つの目的だけが明確に存在していた過去であればともかく,複雑化した現在,個としてのリーダーが出現する余地はなく,群として群体として社会と文化文明に対峙しなければならないのは時代的な必然であると説く.なるほど.