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丸山正樹さんの2作目らしい。
「デフ・ヴォイス」シリーズを読み続けていたが、他の作品があることを知らなかった。
早速、図書館に予約。
居所不明児童。最近マスコミなどでも取り上げられているが、初めて知った時は、現代日本でそんな事があるのか、とにわかには信じられなかった。
以前読んだ「貌なし」は、無国籍者の問題を取り上げたミステリーだったが、この本ともリンクするところがある。
格差が広がり、かつては存在したコミュニティも崩壊しつつある現代、社会の隙間からこぼれ落ちてしまう子どもたちを受けとめるしくみは、まだまだ確立せず、追いつかない。
正直、読んでいて辛く、苦い思いしか湧き上がってこないのだが、それでも自分たちがつくっている社会なのだから、少なくとも知る必要があると思うのだ。
そこから先、何が自分に出来るのか。いや、何も出来ないのかもしれないけれど、アンテナをはり続ようと思う。
「デフ・ヴォイス」もそうだったけれど、断片的なメディアと違い、一つの物語として伝えてくれる本の力を感じた。
しかし、丸山正樹さんの書く主人公(男性)は、いつも子どもをもつことに否定的なのは何故なのだろうか…。
2020.2.15
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12月-9。3.0点。
カメラマンの主人公、恋人は教師。教え子の女子小学生が、父親と共に失踪。主人公がいろいろあって探すことに。
居所不明児童がテーマ。リアルさがあるが、ラストが少し尻切れトンボに感じた。余韻を残したのかな。
デフ・ヴォイスシリーズのあの人も登場。
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デフヴォイスシリーズは聴覚障碍者について知ることが出来て、ミステリー小説としても相当に面白い名作です。そのデフヴォイス第一作目の次に書いたのがこの物語だそうです。
こちらは「居所不明児童」という聞きなれない呼び名の子供たちがテーマです。
文字通り何処にいるのか分からない子供という事です。中には犯罪に巻き込まれたり、死んでしまったり、体を売って生き延びている子供います。なんともやりきれないです。
勉強した事を目一杯詰め込んでいるようなイメージを受けてしまっていて、部分的には小説を読んでいる気にならなかった現実もあります。
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2021/09/27予約
『居所不明児童』という知られにくい真実にスポットを当てた作品。
主人公の直は子どもを持ちたくない。なのに恋人は妊娠してしまう。
かつての居所不明児童出身のしばりやウサギが子どもを持ちたくない育てたくないのは、理解できるが、直の場合の理由がわからない。
親に期待された子、あまりされなかった子、親のレール通りに進んだ子、そうでなかった子、それぞれに言い分も感情もあるだろうが、なんともモヤモヤする。
反対にそりゃそうなるわ、と納得いくのは、
情緒障害児短期治療施設、出身の2人が夫婦になること。NPO の河原とその妻。
読んでいて、どこかで読んだことあると既視感を持ったが、さいごの参考文献をみてわかった。
石川結貴の子どもの無縁社会や、消えた子どもたち、鈴木大介の援デリの少女たち、を読んだからだった。
それをピースにしてお話に散りばめたのか、と。
丸山正樹氏らしくない作品だと感じた。
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居所不明児童を扱った作品。
この作者の作品は、テーマは重めなのだがとても読みやすく、すぐに世界に入っていける。
カメラマンの直は、教師である恋人祥子の教え子で行方不明の少女さちを探すことになる。
直と一緒に私自身も少女の行方を追いながら、様々な角度から子供の命について考えさせられている作品。
ただし、主人公が直接の関係者ではない設定のために、熱く感情的に読者へ訴えるのではない。
その描き方、作風もまた好きです。
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「デフ・ヴォイス」シリーズの作者の作品。
今回はタイトルにもあるように
行方不明になった子どもの話でした。
うーん、題材はいいと思うので
もう少し踏み込んで作り上げて欲しかったかな。
カメラマンの二木と教師の祥子。
2人の過去もそうだし、子どもを作る作らないの
背景も少し浅い気がしました。
(あくまでも個人の感想です、あ、分かってるかw)
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6冊目の丸山正樹さん。丸山さんの新刊『キッズ・アー・オールライト』がこちらの本と繋がっているらしいので、読んでおかねば!というのと、最近子どもたちを取り巻く社会問題をテーマとした小説をいくつか読んでいて、ぜひこちらも…と思い、手に取りました。
32歳の直は勤めていた写真館が潰れ、フリーで撮影の仕事を請け負いながらなんとか食いつなぐ日々を送っていた。恋人の祥子は三つ年上の小学校教師で、ある日、父親とともに行方不明となった祥子の教え子・紗智を探すため、わずかな手がかりをたどり名古屋へ向かうことに…。
丸山さんの小説はいつも現代社会のあまり知られていない、でも確かに存在する問題にスポットを当てていて、今作で扱われているのは居所不明児童、棄児、虐待、ホームレス、援助交際、ストリートチルドレンなどなど…。
テーマは重いんですが、とても読みやすく、どうしても先が気になる!という訳ではないのに、ぐいぐいと読まされてしまいました。簡単には解決できない問題ばかりですが、まずは知ることが大事ですよね。
子どもを持つこと、親になること、親と子の在り方を改めて考えさせられます。
「血はもうとっくに入れ替わった。今の俺は、細胞から全部俺のもんだ」(201頁)
負の連鎖が断ち切られますように、と願わずにはいられません。
ちょっとだけですが、何森刑事が出てきて嬉しくなっちゃいました。刑事何森の新しいシリーズも始まったようですね!そちらも読める日を楽しみにしてます。
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漂う子
丸山正樹さん。
移住不明児童。
住民票などには記載されているのに、
居場所が分からず、
就学が確認できない小中学生のこと。
いろいろな闇がある。
親は親。
自分は自分。
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なんとなくきれいにまとまりすぎていて、
誰にも共感できないまま終わってしまった。
恋人が妊娠したことを知った主人公。
子どもは欲しくなかったことから、
二人の間に波風が立つ。
恋人はひとりでも産んで育てるという。
主人公は頑なに子どもを持つことを拒んでいるけど、
そのことに納得できるような
説得力のある説明が、この中では語られていないように感じた。
居所不明児童に関しても、作品の中で
様々な形で散々その悲惨さを表現しているにも関わらず、最後は希望の持てる未来を感じさせてエンディング…となっている。
果たしてそうだろうか?と疑問に思ってしまった。
彼らや彼女たちに本当に明るい未来はあるのだろうか?
簡単なことではないだけに、
読後感にはもやもやが残った。
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子供庁とか手当支給とか言う前に本腰入れて取り組む事があるんとちゃうのかい!ってこういう話を読むと強く思うけど。少子化とか引きこもりとか、国をあげてやらんと、裏金作って喜んでる場合とちゃうで。