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投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
友人、親子、恋人、夫婦、同僚、それぞれの関係の微妙なバランスやもろさが読み取れました。日常に起こりうる些細なことがきっかけで、関係性が崩れる恐怖も感じられました。
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迷わず、五つ星をつけました。
最近とても気になっている作家さんの最新刊やっと読めました。デビュー作から好きだなが増え募って今回爆発した感じ。
六つの短編集なのですがどの話も良くて、どの話もどこかで震える、ぞわっと鳥肌が立つような、心にグサッとくるものがある。
はじめの、キャンディ・イン・ポケットからとてもよい。
学校で人気者の女子と乗る電車が同じになり3年間律儀に電車の15分、学校までの15分の30分を一緒に過ごした子の卒業までの話。良かった。今をとてもよく描いている。
好かれていないのかなと既読スルーを気にする子、仲のいい心を許した子には既読スルーをしちゃうということ。友達っていいよね、女子高生っていいなって思えた話
ジャムの果て
これはわたしかなりドカンときました。25歳くらいの頃わたしもジャム作りにやたらハマったからでしょうか。果物をグラニュー糖につけてホーロー鍋で煮ている時間ってすごく幸福なのよ、甘ったるい香りとぐつぐつとろとろになって行く過程が無に近づいて。その、ジャムの果てがもう恐ろしかった。母視点から子供達の視点を知った読み手の気持ちを作者は厭にコントロールしている
空に根ざして
これはまぁまぁかな。だけど出てくる子が同世代で、結婚する気ないなら言えって気持ちわかるわ〜とアラサーのわたしは強く、さらに長〜く同じ人と一緒にいた女として同感だな。今なら相手の気持ちを汲み取る事もできるけども。
そしてそして表題作の五つ星つけてよ
ネットでなんでも評価をしれちゃう世界。
食べログやらAmazon楽天の星の数めっちゃ見てるし信用してる。自分が選ぶものに自信を持てなくて、ホームヘルパーさんに誰かあの人に五つ星つけてよという一言がもうグッときた
ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ
一番読んでいてハラハラした。大丈夫かな、騙されてないかな、リベンジポルノされないかな、ってハラハラしながら淡い恋を読んで、泣けたなー。中学生って一番波乱だった。クラスという狭い世界で生きていくこと、恋に落ちてその人だけの世界になってしまうこと、誰にも止められないしわからない、バカだから。
君に落ちる彗星
だって、俺は神さまだから
たったその一言の強烈さに痺れた。怖。って思ってたら最後の一ページが皮肉でそういうことしちゃう著者が大好きです笑
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既読スルーなんて、友達じゃないと思ってた。ディスプレイに輝く口コミの星に「いいね!」の親指。その光をたよりに、私は服や家電を、そして人を選ぶ。だけど誰かの意見で何でも決めてしまって、本当に大丈夫なんだろうか……? ブログ、SNS、写真共有サイト。手のひらサイズのインターネットで知らず知らずに伸び縮みする、心と心の距離に翻弄される人々を活写した連作集。
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表題作のほか、「キャンディ・イン・ポケット」 「ジャムの果て」 「空に根ざして」 「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ」 「君に落ちる彗星」
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インターネットがなければ、どこかの街でなんということのない日々を平凡に暮らす人々が主人公である(例外もあるが)。なまじインターネットで世界と繋がってしまったがゆえに、自分の存在意義の振れ幅に戸惑い、そこに思わぬ化学反応が起こったりもするのだろう。自分自身の判断基準が曖昧になり、ネットの反応に翻弄される。それは日々の張合いにもなるだろうが、行き過ぎると泥沼にはまることにもなる。そんなひとたちのオフラインの暮らしにも生身の人とのかかわりがあり、感情の揺れもある。それが見事に描かれていて、胸に沁みる。思わずじんわりと涙がにじんできたりもするのである。失った自分を取り戻せるような気がする一冊でもある。
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6篇からなる短編集。
家族のため、最大限の愛情を注いできた。
でも疎ましく思われてしまう。
母親の自己満足がたっぷりと沁みた
甘い愛情を書いた「ジャムの果て」が良かった。
思春期の娘のシルエットに、自分の姿を重ねる母娘を描いた「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ」はハラハラしながら読み進めた。
〈どうしてあんなに許せないことばかりだったのだろう。完璧なものしか欲しくなかった〉。「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ」で、母親が中学の頃の自分を回想するシーンの一文。
あー、分かる!
思春期の頃は、小さなことが、とても大切に思えて仕方なかった。
奥田さんの次回作が待ち遠しい。
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どことなく心に闇を抱えた一般市民が主人公の短編集。
それぞれに落ちはあるのだが、何となくもやもや感が残る。
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奥田亜希子さんを
王様のブランチで朝井リョウさんがお勧めしていたので
『ファミリー・レス』と一緒に図書館で借りました。
家族や近い人にまつわり、インターネットも絡み
ちょっと悲しい短編集
LINEの既読スルー
ネット上の口コミや星の数を気にしたり、
娘に勝手にモノを送ったり
と、私も普段やっていることが書かれていたので
ドキッとしながら読みました。
(ジャムはぶちまけない。片付け大変そうだから)
『ファミリー・レス』も悲しく重苦しい感じでしたが
こちらもそうですね。でもこちらの方が好き
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五つ星、つけましたよ、思わず。
予想していたのとは全然違う内容だった。
でも真実をついている。
最後にこの本についてひとり反省会っぽく振り返っているのが笑える。
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ネット利用という共通項を持つ、人生において何かが欠けている人々にまつわる6作の短編集。
いずれも登場人物の機微な感情を丁寧に描いており、自分の感情のどこかに触れ、何かが呼び起こさせられる。
空気感もいいし文章も巧みだった。
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価値基準をネットの評価に
なんかねえ
でもなんかねえ 分かるよね
無責任な☆
6篇ともドキッとさせられた
≪ 指一本 触れて身近か 遠いのか ≫
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人とのつながり方を、ちょっと間違えちゃった人たちがいる。
私たちはみんな、いろんなところで、いろんな瞬間に間違えているのだろう。
しかも、正解は無い。
6編目で、野球選手を夫に持つ元アイドルの主婦が
『敏くんの機嫌を保つのは、直径十センチの穴に九・八センチのボールを投げ入れるようなものだった』とモノローグする。
そんなものだ。
『キャンディ・イン・ポケット』
高校の卒業式の日。
友達はもっと信じていいんだよ。
『ジャムの果て』
間違いに気付き、すぐに新しい方向を目指せるのは若さだ。
間違えたことにも永遠に気付かない中高年は痛々しい。
きっと、この主婦は、最後まで自分の非には気づいていない。
『空に根ざして』
空の写真を、SNSにアップする。
「ソラ」は「カラ」とも掛けているのかな?
見知らぬ人と共有できるものと、意味のないもの。
『五つ星をつけてよ』
噂か、自分の目と感か…
『ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ』
自分の間違いを思い出せば、大切なものを救えることもある。
『君に落ちる彗星』
動物園の檻の中を見ているつもりだが、動物だって中から人間を観察しているのかもしれない。
…と思って読んできたら、いきなり最後に神視点…
どういうことなの?
教えて、お星さま。
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5つ星つけてよ、とタイトルでリクエストもあったことだし
つけましたよ、5つ星^^
だけど、最後の1ページ(とても意表を突かれてそこだけ何度も読みました)にあったように
神様にでもなった気分で評価を下したのではありません。
物語を読む時はいつだって、主人公たちと一緒に
切なくなったりハラハラしたり悩んだり・・・
その一体感が多ければ多いほど
たくさんの星をつけたくなるのです。
そういう意味でもこの本は、
正真正銘の5つ星。
ひとを見下したり見下されたり、ひねくれたりいじけたり
面倒臭くて人間らしい感情を
とても素直な気持ちで受けとることができました。
素敵な本です。
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他人にどう思われるか。
それを考えすぎると、動けなくなる。
SNSやインターネットに見せるのは表の部分または裏の部分。画面では360度見ることはできない。
それでも、画面の文字をその人だと信じてしまう。
ネット上に評価があふれる時代だからこそ、画面の文字に恐れずに、自分がリアルに見たもの、感じたことを信じていこう
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どこにでもありそうな話を綴った短篇が6つ.表題作も良かったが「ジャムの果て」で夫を亡くした春子が子供たちに送るジャムの話が良い.娘の美和,息子の悠太がそれぞれの家庭を持っているのも構わず送り付ける春子.メル友のマナブとの控えめなやりとりも楽しめた.子供に対する母親の気持ちがいつまでも変わらないこと,子供たちも母親の行動をいつまでも覚えていること など,よく表現していると感じた.
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作家の朝井リョウが勧めていたので読んでみました。
読んでみてなんかわかるーと思ってしまった。朝井リョウが好きな人はこの本も好きなのではないでしょうか。
SNS社会ならではの陥りやすい日常を描いた短編集です。
現代社会ならではのドラマの数々ですが、実際問題あまり敬遠していると他人に迷惑が掛かる場合があるし、かといって、のめりこみすぎると病んでいく気がするし、私自身は世代的な助けもあり結構距離を取っている方ですが、こんな本を読むにつけつくづく生きづらい世の中だなーと思わずにはいられません。
口コミサイトに頼っているうちに自分の判断基準がわからなくなる様や、匿名ならではの気安さと悪意など、微妙な心の機微の表現が上手な作家さんでした。
たぶんターゲット層は若めなんだろうけど、他の作品も読んでみたいです。短編じゃないのもあるのかなあ。
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図書館で借りたもの。
手のひらサイズのインターネットで知らず知らずに伸び縮みする、心と心の距離をかろやかに描く6つの短編集。
初めて読む作家さん。比喩表現がすごく綺麗で好きです。
・夜が明ける寸前の空のような色のダッフルコート
・椎子の唇だけが椿のように赤く潤んで咲いていた
・サザンカのようにまっすぐな笑顔や、白梅みたいに匂い立ちそうなうなじ
とか。
「キャンディ・イン・ポケット」「五つ星をつけてよ」が良かった。
特に「キャンディ~」は爽やかですごく好き!
「ジャムの果て」は怖かったけど、好きな怖さ。
ラストが良かった!
『彼らにワタシを見ることはできない。ワタシの存在を知ることはできない。ワタシこそが最も外側にいる。箱庭に評価を与えられるのはワタシだけだ。』
本を読むとはそういうことなのかな。さまざまな箱庭を覗くような。
他の作品も読んでみたいな。