紙の本
五感を鍛えることで現実世界のビッグデータの分析力を養います!
2018/09/24 12:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、表題にもなっているように名画などの観察力を磨くことでビジネスで必要な技術を習得することができることを説いた画期的な書です。本書では観察力=五感を磨くと、現実世界のビッグデータを分析する力が養えると説いています。もっと具体的には、バイアスにとらわれない洞察力、重要な情報を引き出す質問力、確実に理解してもらえる伝達力なども養えることが強調されています。詳細は、ぜひ、本書をお読みください。
紙の本
絵画を使った説明
2018/09/23 23:30
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投稿者:凄まじき戦士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵画を使い、観察力や伝達力について解説した書籍です。
確かに、書いてあることはそれなりに有用でしたが、絵画と関連付けの部分が少し無理矢理な解釈も多いような感じで、結び付け方は微妙でした。
変わった視点の書籍なので試しに読んでみるのは面白いのではないでしょうか。
紙の本
観察力は生活の全てで重要
2017/01/16 10:58
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミスターマーケット - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を手に取った時は、絵画の鑑賞方法が書いてあるのだろうと
思いましたが、名画を通して具体的に観察から伝達方法まで書かれて
おり、仕事、生活の全てで役立つ本です。
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『観察力を磨く 名画読解』
エイミー・E・ハーマン 著
岡本 由香子 訳
早川書房
2016/10 368p 2,500円(税別)
原書:VISUAL INTELLIGENCE(2016)
1.観察
2.分析
3.伝達
4.応用
【要旨】「観察」は、思考や推測、判断、コミュニケーションの基盤となる。
物事の特徴や特性を正確に把握することができなければ、誤った判断により
重大な結果を招くこともある。ビジネスや日常生活のさまざまな場面で観察
力は大きな武器になりうる。本書では、絵画をはじめとするアート作品を見
ることで観察力を磨き、情報収集をして判断やコミュニケーションに結びつ
ける方法を説く。先入観をもたずにアート作品に何が描かれているか、表現
されているものは何か、などを細部にわたり時間をかけて観察するというも
のだ。美術史家で弁護士でもある著者は、自身が開発したこのメソッドを「知
覚の技法」と呼び、FBIやCIA、ニューヨーク市警、米軍、大手企業などでセ
ミナーを実施。きわめて効果的な技法として高く評価されている。
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●アートは消えないため、観察したことを何度でも検証できる
研ぎすまされた観察力は、事の大小を問わず、人生のあらゆる場面で役に
立つ。偉大な発見は往々にして、すでにあるものから生まれる。山歩きが好
きなスイス人のジョルジュ・デ・メストラルは草の実がくっついた靴下を見
て、面ファスナーのアイデアを思いついた。レオナルド・ダ・ヴィンチが科
学や芸術分野で数々の偉業を残したのも、観察力のおかげだ。
私の講義には、FBIの職員や情報分析員や、フォーチュン500にリストアッ
プされた企業の社員が大勢参加するが、みなさんにも彼らと同じことをして
もらう。つまり、アートを学ぶのだ。アートのよさは、まさに何百年も前か
らあることなのだ。アートは消えない。
たとえば人間の行動を研究する際、どこか町中で人間観察をすることもで
きるだろう。だが、通行人が視界から消えたあとはどうだ。自分の推測が正
しかったかどうかわからずじまいになる。そこへいくとアートには答えがあ
る。描かれているのが誰(または何)で、いつの時代の、どこで起きた出来
事で、どうしてそういうポーズをしているのかがわかっている。アートとは
“途方もない量の経験と情報の蓄積”だ。私たちの観察力、分析力、コミュ
ニケーション力を鍛えるのに必要なすべてを備えている。
アートを教材にすれば、複雑な状況はもちろん、一見すると単純だが、実
は深い意味を持つ場面も分析できる。自由な解釈が許されるのもアートのす
ばらしさだ。
観察力やコミュニケーション能力を高めるのに専門知識は必要ないし、逆
に専門知識が邪魔をして純粋に作品を見られないということもある。私のセ
ミナーでは、画家の筆遣いや、配色や、作成年代について学ぶわけではない。
アートはあくまで視覚教材であって、見たまま���──もっといえば、自分が
見たと思うままを語ればいい。
●主観で物事を歪めずに、できるだけ多くの視点で見る
さっそく、1枚を見てみよう。見えたものをリストアップしよう。紙に書
いてもいい。時間はたっぷりある。描かれているのはどんな場面だろう。人
間関係は? そして部屋のなかには何があるだろう。最後に、この絵を見て、
どんな疑問がわくだろう。
絵のなかにはふたりの人物が描かれている。ひとりが立っていて、ひとり
が座っていることはすぐにわかる。しかし細かい部分や、さまざまな関係性
を読みとるには時間が必要だ。
座っている女性の膝にオレンジ色の腰帯が垂れているのに気づいただろう
か。彼女が右手に羽ペンを持っていることには? 画面の左側で、テーブル
クロスがしわになっていることは? 立っている女性は召使? それとも友
人? ひょっとして母親? 立っている女性の肌が座っている女性の肌と同
じようにすべすべしているので、ふたりは同年代だと推測される。よって母
娘の可能性は消える。続いて立っている女性の質素な服装に注目しよう。彼
女は貴金属もつけていないし、髪もしゃれっ気なく、うしろでまとめてある。
そこから、ふたりは同じ社会階層に属していないと推測できる。さらに細か
く見ていくと、立っている女性の右手は水仕事で赤くなっていて、袖で守ら
れている腕の肌色とはちがうことがわかる。
知覚とは、観察によって集めた情報を解釈する働きであり、自分の内にあ
るフィルターのようなものだ。フィルターを通すと、現実に色がついたり、
ぼやけたり、都合よく修正されたりする。現実は、そうやって個々の見方に
変化する。知覚フィルターは、個人の経験によって形づくられる。あなたと
同じフィルターを持つ人はひとりとしていない。
自分の見方が正しいかどうか疑うことをやめてしまったら、隠れた事実を
見逃す危険性がある。自分が見たものについて、他人の知覚を確かめること
が必要だ。他人の知覚をどうやって確かめればいいかって? それこそ身近
にあるアートに目を向ければいい。とくに現代のアーティストが手掛けた彫
刻やインスタレーションに対する世間の反応に、耳を傾けよう。
忘れてならないのは、主観が“真実”を歪める場合もあるということ。同
じ個展に出かけても、人によって見るものはちがう。さびついた鎌は、ある
人にとっては豊穣の印だが、別の人にとっては破壊の象徴となる。どちらが
正しいのか。どちらも正しくない。展示に明記されていないかぎり、証明で
きない。客観的かつ正確な答えは“さびた鎌は、さびた鎌”であり、それ以
外のどんな形容も、事実を歪めるものでしかない。
物事を正確に理解するには、できるだけ多くの情報を集め、できるだけ多
くの視点で見ることが大事だ。得た情報を整理し、優先順位をつけ、意味を
解読する。まとめると、次のようになる。まず自分の目で見る→既存の情報
や意見を参考にする→もう一度、自分の目で見る。基本は二��見ること。一
度目は外部の情報なしに、二度目は外部の情報をとりいれたうえで、改めて
見る。
●優先順位をつけて専念し、疲れたら休憩をとりながら見る
次のふたつの説明を読んだら、どちらのほうが客観的だと思うだろう。
(1)孤独な女性がひとり、コーヒーショップで、大理石の白い丸テーブル
についている。
(2)口を閉じ、視線を落とした女性が、カップを手にし、白い皿ののった、
天板が白い丸テーブルにひとりで向かっている。
どちらも同じ場面を表している。しかし、最初の説明は女性を孤独と決め
つけている。これは女性の様子を主観的に憶測したものであり、事実ではな
い。最初の説明はまた、女性がコーヒーショップにいると断言している。ふ
たつ目は女性がカップを持っているという事実のみを述べていて、カップの
内容物(入っているとすれば)や、女性がいる場所を特定していない。
主観と客観の差は、たとえわずかであっても重大だ。“大理石の白い丸テー
ブル”という説明と、“天板が白い丸テーブル”という説明の差はわずかか
もしれない。しかしテーブルが大理石でできているかどうかはわからないの
で、最初の説明は憶測になる。推測は早い段階で混じるほど観察結果を歪め
るため、観察の初期においてはとくに注意しなくてはならない。
私は細部を見るための戦略にCOBRA(コブラ)というコードネームをつけた。
COBRAの文字はそれぞれ、紛れているもの(Camouflaged)、ひとつ(One)、
休憩(Break)、見直し(Realign)、意見を聞く(Ask)を意味している。つ
まり細部を見る際は、紛れているものを探し、ひとつの仕事に専念し、疲れ
たら休憩をとって、期待を見直し、他者の意見を聞くことが大事なのである。
自分の優先順位を把握することはとても大切だ。集めた情報すべてを追い
かけるのは、肉体的にも精神的にも無理があって、少なくとも一度にすべて
を処理することはできない。意識して優先順位をつけなければ、脳が、生来
の偏りに基づいて勝手に選択することになり、それが致命的なミスにつなが
ることもある。
優先順位をつける際は、手に入った情報を見わたして、いちばん大事なも
のを先頭に置く。ただし、情報に漏れがないことが前提だ。情報収集が完璧
にできて初めて、重要度の低いものを削ることができる。
優先順位は人によって、また状況によって変わる。リチャード・J・ホイ
ヤーが執筆したCIAの訓練マニュアル『情報分析の心理』で紹介されている三
面アプローチでは、集めた情報のなかから重要度の高いものを抽出するため
に、自分に三つの質問をする。私は何を知っているか、私は何を知らないか、
そして何を知らなければならないか、である。
コメント: 本書で方法が紹介されている、主観をできるだけ排して物事の
客観的事実だけを観察し、表現する力は、「人を動かす」うえできわめて重
要なのだろう。『米軍式 人を動かすマネジメント』(日本経済新聞出版社)
では、近年米軍で取��入れられているOODAというメソッドが紹介されている
が、その最初の「O」は「観察(Observe)」を示している。客観的事実だけ
を示し、それをもとに思考していることが周囲に理解されれば、発言や決断
に説得力をもたせることができる。「間違っているのでは?」「偏っている
のでは?」といった疑念を抱かせないことが、人を動かすための基本といえ
るのではないか。
===
観察力を磨く 名画読解 エイミー・E・ハーマン著 「見ていない」ことを知る観賞
2016/12/11付日本経済新聞 朝刊
書名を見て「ああ、名画の見方を教える本ね」と思ったあなた、ちょっとお待ちあれ。
ぱっと見で判断する前に、もう少しだけ見てみよう。表紙に「VISUAL INTELLIGENCE」とあるのは原題で、「見てとる情報収集」と訳せようか。副題は「知覚を磨けば人生が変わる」。あれ? 美術らしき要素がない。
目次はどうか。全体は「観察」「分析」「伝達」「応用」の4部からなる。各章は「カモノハシと泥棒紳士」「私はなぜ、引き金を引いたのか」「ワインの値段」とミステリ小説のよう。名画はどこ? と思ってめくるとフェルメールやマグリットをはじめ多数の作品が載っている。
はてさてなんの本か。著者は美術史家で弁護士。彼女の「知覚の技法」というセミナーは、FBI(米連邦捜査局)やCIA(米中央情報局)などの専門家をはじめ各種企業人なども受講して効果が認められているという。本書はその技法、観察力の磨き方を伝授するレクチャーなのだ。
基本は美術作品をよく見て言葉にしてみること。なんだそんなことか。と思ったら、手近の絵で試してみよう。見てとったものを書き出せばよい。
例えばその絵には、テーブルに向かってカップを手にした女性がおり、背後には大きな窓のようなものがある。と、こんな具合に目にとまった大まかな状況だけでは足りない。絵は細部で満ちている。例えば彼女の服装に注意が向いただろうか。見る人の観察力次第で、見てとれるものは大きく左右される。
また、「孤独な女性がコーヒーを飲んでいる」と書きたくなるかもしれない。だが絵には彼女が「孤独」ともカップの中身が「コーヒー」とも描かれていない。それは見た人の意見だ。
こんなふうに試してみると、私たちは存外よく見ていないことが分かる。大きなものを見落としたり、見たものに含まれていない意味をあてはめて推測したりする。とはいえ無理もない。これは周囲に危険がないかを瞬時に察知しようとする生物として当然の働きでもあるからだ。
だが物事をよく観察して事実に迫る場合、これでは足りない。知覚の性質を弁(わきま)えて、事実と意見を区別する必要がある。著者は、美術作品の観察を通じて認知の仕組みを知り、分析や伝達の能力を磨こうと提案している。
本書の教えは仕事や日常生活でもおおいに役立つ。日々真偽の定かならぬ大量の情報にさらされている私たちにとっては必須の技法と言ってもよい。そう、人生が変わるくらいに。
原題=VISUAL INTELLIGENCE
(岡本由香子訳、早川書房・2500円)
▼著者は美術史家、弁護士。
《評》ゲーム作家
山本 貴光
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日経新聞 書評 山本貴光 12.11.16
烏兎の庭 第五部 書評 4.23.17
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/bunsho/Mary.html
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今までの絵の見方を変えてしまう。すぐに感情的になってしまう私ですが、一呼吸置いて客観的に見ることができるようになるのではと思わせる本です。
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絵画の鑑賞方法を解説した本かと思っていたが違った。絵画や写真などを題材にして、物事を観察することの重要さ、観察したことの分析と、自分が知覚した事を伝えるコミュニケーション手段についてを解説する。仕事の役に立つのはもちろん、子どもに読ませて観察力を強化してあげたい。本書でも「見る」と「観察する」はまったく異なることだと主張し、観察することの重要性を説いている。すべてのページで大事なことが書かれており、とても濃厚な一冊となっている。翻訳もこなれていて読みやすい。本書を読み終えたあとは、周りの景色が違って見えるし、他人の行動もより客観的に見ることができる。世の中がつまらないと思っている人も読んだ方がいい。自分の回りがとてもカラフルでエキサイティングだと認識するだろう。いい本に出会った。
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目に映った情報を注意深く客観的・分析的に(言語化可能な情報に変換しながら)観察する方法。
その材料として名画?を使っているだけで、名画鑑賞の本ではない。
読み物としては面白いし、実際に読み物的な本。半分ぐらいは、こんなことがあった、というような挿話(実話、実例)が占めており、実際の観察方法のノウハウだけが整然と書いてあるマニュアル本ではない。
それがいかにもアメリカの本っぽく、また、独特の読みにくさ(いや、読めば面白いんだけどさ)がある。
でも面白い本です。読んでも観察眼が鍛えられるってことはないと思うけど(無理!)、また時間あるとき読みたいなー。
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美術本かと思ったら、認知の本。主に平面絵画を取り上げているが、そこでのディテールおよび本質をどれだけ観察できるかと現実の観察を結びつけている。
芸術作品はとかく主観で判断してしまうが、それをできるだけ客観でみる。数値や他の人にわかる情報の形にする。
何が描かれているか、何が描かれていないか、何を知るべきかという問いを出す。
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自分の活動であるVTSに役立ちそう…と思って借りてみた。
実際、研修で使った作品も何度か出てきて、凄く面白かった。
「何を感じてもいい」と提供するVTSとは違う立ち位置ながら、ファシリテーションをするための準備には、物凄い役立つと思う。
もちろん日常においても。
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ふだん、自分は何も見ていないことに気づかされる。
ひとつの画面にはこれだけの情報が詰まっているのだ。
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借りたもの。
絵画鑑賞で養われる、観察力の有用性を事例を挙げて説く本。
それは自身の知覚に偏り(バイアス)があることを自覚し、客観的事実に基づくことを訓練するものだった。
美術の見方であったり、そのノウハウを紐解くようで、それに留まらない。
所々に、科学的な話――認知傾向を表す名称――についても取り上げ、裏付けがされている。
美術鑑賞は教養であり、日常とは異なるもの――非日常体験であり、息抜きである――という考えとは違う。
美術館賞は日常に役立つ能力――それは審美眼ではなく、観察眼――を鍛えるものとして著者は推奨する。
活かせる場所は陪審員であったり、夫婦関係(男女におけるすれ違いあるあるの解消)、ビジネス等……生活の全てである。
著者が提案する知覚セミナーの事例などを取り上げて言及されている。
美術館賞を通して、認知とその伝達方法を説明してゆく。その過程で昨今話題のフェイクニュース問題に通じる、気づきをくれる。
個人の経験や信条に基づく先入観、それにより見落としや、誤解が起こる、偏見が発生するということの……
人間の先入観の強固さは昔から指摘されているし、この本で紹介されている認知特性に関する情報で、私には目新しいものは無かった。
それを回避するための客観的な姿勢が必要であり、心得なければならない。
“ ルール一、バイアスを自覚し、悪いバイアスは排除する
ルール二、バイアスを事実と混同しない。バイアスは事実を見つける道具と心得る
ルール三、結論を第三者に聞いてもらう
(p.305)”
烏賀陽弘道『フェイクニュースの見分け方』( https://booklog.jp/item/1/410610721X )も参考になると思う。
知覚のバイアスに関しては、本田真美『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』( https://booklog.jp/item/1/4334036899 )に取り上げられたような、個々人の認知の差も影響していそうだ。
この本を読んで私が一番驚いたことは、マグリットの絵画を通して、描かれている“あるはずのないもの”を見つけるよりも、“描かれてないもの”を指摘するのは難しいと思ったことだった。
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よくある知覚フィルター
見たいものを見る 認知バイアス、マイサイドバイアス、希望的観察、視野狭窄。
このフィルターがかかると無意識のうちに期待に添うデータばかりを集め、それ以外を排除しやすい。
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・まず自分の見で見る→既存の情報や意見を参考にする→もう一度、自分の目で見る
・自分がいる場所や、分析しようとする場面の状況について、事物の配置を押さえることは重要だ。不測の事態が起きたときなど、それで命拾いするかもしれない
・なんでもない場面に隠れている平凡なものをきちんと見るには、意識して注目しなければならない。意識しないとスルーしてしまう。そうならないために二度見ること。まず全体を見わたす→改めてひとつひとつを見直す→できるなら見る角度を変える
・ひとりひとり見方はことなるので、観察の際は第三者の助けも有効
・観察をするときは、あるべきものがないことを発見することも重要
・自分が知らない情報を省かず、知っている人の助けを借りる
・事実を正確に伝えたいなら、意識して客観的な表現を選ぶ
・重要なことはちゃんと言葉にすべき。「言うまでもなく」という表現は語彙から消す
・真のリーダーは、危機にも、不快な会話にも、淡々と対処する。内容を気に入らなかったとしても、情報を理解して、客観的に伝えることができる
・「申し訳ありません。コミュニケーションの不具合(または誤解)がありました」と謝る。自分ひとりのせいだと認めることにもならないし、現在の状況を残念に思っていることも伝わる
・グレーエリア(不確かな状況。善と悪、無罪と有罪、意図と偶然などが混沌としている状況)では、手に入らない答えを探して右往左往する前に、今ある情報(誰、何、どこ、いつ)に集中することが大事。また、主観的な反応をすると悪いほうへ傾く。あくまで客観的に対処する
・制約があるからこそ能力以上のことができる
・執着によるストレスは仕事の大小に関係ない。大きなものでも些細なものでも、同程度のストレスを生む。返信するメールが多過ぎてストレスを抱えている人は、「メールをありがとうございます。今は忙しいので、数日中にお返事します」というような自動返信機能を設定するだけで、返事しなくてはというストレスから解放される
・大事なのは、「全体を捉えつつも、細部をおろそかにしないこと」「複雑さを恐れず、結論を急がないこと」
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「知覚の技法」セミナー講師による
「観察力を磨く」ための本。
日常生活が毎日変わり映えしないなーと
感じてた時に感動した1冊。
「アートを教材にすれば、複雑な状況はもちろん、
一見すると単純だが実は深い意味を持つ場面も
分析できる。」
「大人になるということは、
複雑な世界の成り立ちに無感動になり、
斬新で、革新的で、緊急度の高いものだけに
目を奪われることでもある。」
観察力を磨くために多くの「気付き」を促し、
分かったつもりだけに
ならないよう趣向が凝らされている。
分析や伝達をテーマにしている本は多いけれど
観察がテーマの本は少ないし、押し付けがましくなく
誘導してくれるような構成に楽しんで読めた。
まさにセミナーを受講したかのよう。
アートはあくまでツールとしての位置付けだが、
この本を読んで「観察力」を意識して美術館に
行ってみたら思いのほか熱中してしまい、
気付けば3時間くらい経過していた。