紙の本
セキララ婚活。超女子的目線。
2017/12/27 17:46
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投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性レビューアーの評判がいいことに納得です。
山内マリコさんは、「皿洗いするの、どっち?」で、徹底的に
女子目線でエッセーをまとめ、楽しませてくれました。
この作品はその小説版と言ってもいいでしょう。
基本的スタンスで通じるものを感じます。
父親が都内で経営する整形外科の、三姉妹の華子が主人公です。
母方の祖父は一代で測量会社を立ち上げて資産を成した人です。
父の病院も代々続いており、判で押したような小金持ちの一家です。
正月の集まりは帝国ホテルのレストランで、実質的に母方の
おばあさまを囲む会です。商社マンと結婚した長姉、
離婚して赤坂で美容整形の皮膚科医をしている次姉、
父親のコネで入った大手化粧品メーカーを退職し、
家事手伝いをしている華子。
小金持ち感をこれでもかと盛りまくった設定です。
三人とも名門私立にお受験で入り、小学校から
エスカレーター式に繰り上がっていきます。
医者になった次姉は頭の回転が早く、
途中でエスカレーターから下りたのですが、入ったのは
聖マリアンナ医科大。もちろん知っていますよ。
そこの学費が払える家はそんなにないですから。
華子が結婚に焦り始めたのにあわせ、病院を継げるような
男たちとの見合いが始まったり、華道で知り合った人から
紹介されたりなど婚活で物語が進んでいきます。
いかんせん打算まる出しの設定なので、山内マリコさんは
何を読ませたいのだろうと考えてしまいました。
男性読者は、特に前半はつらいものがあります。
久しぶりに気持ちが壁投げへと傾きながら、オンナノコの
シンデレラ願望で塗り固められた本を書くなんてなー、
などとキレ気味に読速を上げはじめた後半、
でかい仕込みがありました。やってくれました。
こういう展開に持ち込みたかったのかと衝撃が走り、
後半三分の一は一気読みです。女に対する幻想に辟易し、
男どもの馬鹿さ加減と都合のよさをこれでもかと
喝破していきます。
痛快になるくらいで、「皿洗いするの、どっち?」に通じると
思いました。
すみませんが、実のところエッセーで読んだ山内さんの旦那と
同じ気持ちで、そこまでぶち上げなくてもなあと苦笑いを
しながら読んでいました。どMではありませんので。
それにしても観察眼鋭くえぐってきたことをあけすけに
書いてしまうあたり、さすがだなと思いましたね。
ここまで暴露すると、女性もいたたまれなくなる
部分があるような気がするのですが。
もう一つの魅力ですが、都市部の狭い金持ちコミュニティで
固まっている心理と、地方の肩の寄せ合いが、本質的には
どちらも同じというのは目からウロコですね。
激しく同意しました。島国根性というやつが、日本中の
あらゆるところにはびこっているのですね。
サクセスストーリーに仕上がっているので読後感はいいのですが、
結構えぐってくる一冊でした。
電子書籍
超お嬢様の婚活
2017/08/26 20:12
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
結婚したい超お嬢様華子の婚約者幸一郎には10年来の都合のイイ女美紀がいることが発覚。
華子と美紀と幸一郎の三角関係の修羅場かと思ったらそうでもなく、女同士の義理が生まれ同盟的な関係に。
予想を裏切る展開が楽しい作品でした。
紙の本
女の格差
2017/08/26 20:05
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
超お嬢様と地方の庶民の格差が凄すぎて面白かったです。
名家や貴族の主な人生目的は家の存続にあるって事。それだけに世間が狭くなるんですねぇ。
田舎は田舎で世間が狭い。
同じようで全然違う、でも何だか重なる所もあって・・・共通点と落差の対比が興味深かったです。
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ちょっとくどかったかな、、
東京のお嬢様+地方女子×アラサー婚活
が今回のテーマ。
大方なあらすじは出版社からので知っており、楽しみにしてたんですが、自分がアラサーだからかしら、やたら鼻に付く笑。というか癇に障る笑。心狭いわー、余裕ないわー、あ、著者の山内さんはご結婚されたみたいですね、ふふふ。
もっとバトってほしかったかな、あんな風に煽って紹介するのなら。何が男が絡むと話が通じなくなる女じゃなくてよかっただ。心中天網島にかけて義理うんちゃらとかちょー綺麗事。
相楽さん要らなかったな、や、要るんだけどしゃしゃりすぎ。というのが一読者の意見です苦笑。スッキリしないよ、あんな綺麗事。
華子のような絵に描いたようなんお嬢様はすごくよかった、いるいるあんな子、リアリティ。だけど地方女子が東京で挫折し夜の街に走りずるずると良家の男とセフレ状態、だけどとってもいい女☆な設定、気にくわないなー。。。
わたしは東京生まれ東京育ちなのでまた感性が違うのかもしれないけど、なんか…うーん、しっくりこない。
華子の結婚生活の終焉の展開はあり。エピローグが一年後なのが、うーん。一年であんな人間成長しますかね。
いろいろ微妙かも、面白く読めたけども
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面白かった!!
東京生まれの箱入り娘・華子は、名門女子校の同級生が次々に結婚するなか、焦りを感じている。
一方、地方生まれの東京在住OL・美紀は、腐れ縁の彼とだらだらした関係を続けている。
東京者と上京者、貴族階級と庶民。結婚となるとどうにもならない壁があり、こんなふうに相手を決めるものなんだと説得力があった。
(図書館)
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東京の松濤に家があるお嬢さまの婚活がメインで話は進む。
そこに、幼稚舎から大学までエスカレーター式で進み、親の庇護のもと何不自由なく生活し、無意識に特権階級を謳歌する内部生と、大学進学で上京し、身一つで生活し、何かを手に入れるためには自分で努力して獲得していかないといけない外部生との、対比が絡んでくる。
生まれた家の階層によって全く異なる当たり前の差が、描かれていて面白かった。
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自分の痛みの正当性に自信がなくて、傷ついても何も言えない華子。
田舎から一人上京して、適応力の高さと根性でサバイブしてきた美紀。
どちらも時に居心地悪かったり違う価値観に押しつぶされそうになったりしながら、
自分らしい生き方を探してる。
ありがちな話ならドロ沼展開になりそうなところで、全然そうならないのがよかった。
爽快!
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東京女子vs上京女子という分かりやすい対決の物語でもなく、2人が結託して誰かを倒すことが目的なわけでもなく、大人(アラサー)になっても出会いと気合いで新しい世界に飛び出せるし、なんとなくしぼんじゃった夢に引っ張り出したっていいんだよ、という優しいお話。なんて思ったのは、登場人物たちよりも自分が少し長く生きてるからかなあなんて思った。
華子みたいな知り合いはいないけど、女子の描き方は相変わらず上手いなあ。今回の作品ではちょっと出来過ぎかなあという気がしなくもなかったけど。
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地方×アラサー女子という山内マリコの真骨頂。自分は横浜出身の男なので共感ではないけれど刺さる台詞が沢山あった。でも決して地方vs都会や“女尊男卑”だけの小説ではなく本質は「外の世界を知らないまま生きることの怖さ・愚かさ」が描かれているんじゃないかと思う。女性の感想も聞いてみたい。
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私は金持ちでもないし田舎出身でもないけども、よぉ分かるわ。将来とか結婚とか身内とかって、普遍的な問題なんやな。
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同意するところもあるけど、なんか林真理子みたいで(帯のせい?)おもしろくない。
もうちょっと前のは器用そうなところもちゃっかりしてそうなところも上手だなって思って読んだけど、最近のは、なんとなく鼻につく。吾輩も猫であるに載せてた作品もそう思った。
インスタとか見てるから嫌になるのかな。すごくすごく洗練されてる感じだったらいいのかな。本人の、田舎臭さが抜け切ってない感じが、インスタで目立ってるから、作品も嫌なのかな。
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メディアリクエスト
最初から貴族階級の話、全開。東京しか知らないしかも限られたエリア、階級しか知らない人、そんな人の話を読んで、へえー!!と感じることは多かったけど、だけど?って感じ。読みものとしては面白い、再読は無い。
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東京で生きる人のヒエラルキーの内情を描いている。
純粋な東京出身者のお嬢様も地方出身者のサバイバーも各々コンプレックスと格闘しているのだ。
25歳すぎると思春期が戻ってきたような先の見えない不安に苦しくなるとはその通り。そこで結婚に逃げたくなるけれど、自分で決めて自分の主張ができない限りそれも続かない。
依存は弱みを握られてるとは同意。
人の見たくない部分も言葉にしており、人間って社会って...と目を覆いたくなる。だけど、それでも歩まなくてはならない。
それが東京でも故郷でも。人と関わり生きていく。そこに悩みは尽きない。
田舎は人の流れが悪い。だから淀んでうちに籠り小さなことで争う。運転手さんの言葉よかった!
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新聞の読書蘭で見て興味を覚え借りてみました。
確かに、日本の貴族社会を描いていると思いましたが、それに対する憧れは全然感じませんでした。
主人公華子が暗いので、読んでいる私も終盤まで暗い思いの中で面白そうという感想だったから借りたのに、全然面白くないじゃない、みたいな感じで不満たらたらでした。
でも、最後に自分の考えを言えない華子があっという間に離婚届けを出して、離婚し、その後、自分に合った仕事を見つけて、その生活をエンジョイしているところが救われました。
最後はスカッとして良かったです。
逆に、華々しい生活をしているはずの元夫の方が、嫌でもその生活を守らなければならない息苦しさを感じていて、平民で良かったなんて思ってしまいました。
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思い出したくもないことをたくさん思い出した。地方から上京して大学に入学したときのこと、就職したときのこと、それまで出会ったこともない「階級」の人たちと話をして劣等感を抱いたこと、無駄に卑屈になって、萎縮して、自然体でいられない、居心地の悪さを感じたことも多々あった。それはこの物語でいうところの「テリトリーを広げる」ということだったのかもしれず、それはいつも痛みを伴う。でもそういうのって20代だけの話で、今、違う階級の人に出会っても、他人は他人、自分は自分、と流すことができるだろう。それはなぜか?諦めたり、割り切ったり、社会と折り合いをつけるということに慣れたからだろうか?
地方出身者というアイデンティティなんてずっと忘れていた。今、痛感させられるのは、実家が遠くて子育てに協力を得られない、ということくらいだ。田舎にとどまるでもなく、東京生まれ東京育ちで閉鎖的な社会で生きるのでもなく、地方出身の上京した身が、とてつもなく自由だということ、人もうらやむ上流階級の人たちが実はひどく閉鎖的な世界で生きている、あるいは生きねばならない、ということ、それらは新しい発見だった。