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ヒトラーの絞首人ハイドリヒ みんなのレビュー
- ロベルト・ゲルヴァルト (著), 宮下 嶺夫 (訳)
- 税込価格:5,280円(48pt)
- 出版社:白水社
- 発売日:2016/11/26
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紙の本
SS大将になったノンポリの海軍士官
2016/12/02 21:55
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ラインハルト・ハイドリヒが海軍を免官になるまでは政治に関心がない軍人だった事は「髑髏の結社SSの歴史」で知っていた。もし彼がそのまま海軍にいたら無名の海軍士官として生を終えていたかもしれない。SSの歴史の中でハイドリヒについて書かれた本はあるが、彼の伝記は「世界初」(「本邦初」ではない)だそうだ。ゼーアドラー号の艦長のフォン・ルックナー伯爵と彼の父親は親交があったのは始めて知った。身近に海の英雄がいたら、ハイドリヒが海軍士官になったのは無理もない。ハイドリヒの父親も、そこそこの評判だった音楽家だったが、息子の地位のおかげで貶められてしまった、というのも珍しい記述だ。
ハイドリヒが海軍を免官になるきっかけとなった「ベルリンの女性」は「しかし、確実に言えることは、彼女の父親が海軍上層部に密接なコネクションを持っていたに違いないということぐらいである」とある。「髑髏の結社SSの歴史」では「レンツブルクの植民地学校の女生徒で、IG染色会社の重役の娘」で、「ヒトラーの親衛隊」では「ある有力な海軍建築監督官の娘」(「ナチ親衛隊知識人の肖像」も同じ)とバラバラだ。プライバシーに関わる事だから、敢えて書かないのかもしれないが、リナ・ハイドリヒと同じぐらいの年齢なのは分かるので、ひょっとするとまだ生きているかもしれない。
グラビア頁で始めてハイドリヒの海軍士官候補生時代や空軍将校の軍装姿の写真を見た。ハイドリヒが一時的に空軍将校だったから、彼が空軍の徽章を付けているわけだ。パルチザン掃討作戦やワルシャワ蜂起の鎮圧で「騎士十字章に輝く英雄」になったイエッケルン、フォン・デム・バッハ-ツェレフスキー、某マニア向けの本で「英雄」扱いされているフォン・ゴットベルクといった「ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅」やティモシー・スナイダーの著書などで「お馴染み」のSS大将と違って、彼が佩用している一級及び二級鉄十字章は空軍将校として授与されたのだろう。ハイドリヒが就いていた地位からいって、戦功騎士十字章や戦功十字章といった勲章を授与されるはずだから。
ハイドリヒがSSに入隊してから暗殺されるまでの10年間については特に目新しいところはない。ただ、彼が暗殺された時にSS大将兼警察大将だったから、連邦政府はリナ・ハイドリヒに「戦没した将軍の場合の寡婦年金を払わざるを得なくなった」。これも始めて知ったが、勿論、国家保安本部の長官であるSS大将としてではなく、彼がチェコスロヴァキア亡命政府が派遣した工作員に暗殺されたボヘミア・モラヴィア保護領の副総督という公職に就いていた警察大将だったからだろう。「ヒトラーの共犯者」にあるローラント・フライスラーの未亡人が年金の受給を認められていた記述を連想するが、フライスラーは国民裁判所の裁判長という公職についていて、「零時」の後も国民裁判所に勤務した裁判官と同様、裁判官として勤務していたかもしれないからだ。「ただの」武装SS隊員達とは、えらい違いだ。
紙の本
ハイドリヒの実像
2023/05/28 14:03
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
ローラン・ビネの『HHhH』で描かれたフリードリヒ・ハイドリヒはその暗殺前からその悪名を轟かせていた。イメージが強烈な割にその実像を知る人は少なくもある。ハイドリヒはある意味では世間のイメージ通りのナチであるために、その実像を知ることはナチとは何かを探ることともなる。
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