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紙の本
絵師としての才能に絞って眺めることができる手塚治虫の画集
2016/12/24 18:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
手塚治虫マンガ家デビュー70周年だそうで。
すでに亡くなって30年近く経つが、今なおマンガの神様として様々なところで取り上げられ、作品も読み継がれているわけだが、新作が出るはずもなく、だんだんと既成のものの使い回しが多くなってきたように思っていた今日この頃だが、この画集(?)は違う。
手塚治虫のたくさんある作品を主に単行本の表紙・カバーを主題として取り上げているなんていうのは、これまでになかっただろう。そこに目を付けた手塚プロダクション資料室室長だった森氏はさすがと言うしかない。
そして、これを眺めていると改めて手塚治虫という人が、マンガと言うフォーマットを得て美しく描くことが出来る人だったのだということがわかる。単に絵がうまいとかそういうことではない。マンガとしてよく出来ているし、それを表紙絵等に落とし込むことがうまいという、デザイナーというかディレクター感覚のするどい人だったのだろう。
そうした絵が、ここには1200点超も収められているのだから、これはもう立派に画集と言って良いのだと思うし、だからこそ弦光社から出版されたものだということなのだろう。
個人的には手塚治虫という人は稀代のストーリーテラーであり、たまたまマンガと言う表現手段を得たためにストーリーマンガとして多くの作品を残したのだと理解しているのだけれど、この表紙絵集を眺めているとそれだけでなくやはり絵にも多大な魅力のある人だったのだと思う。だからこそ、これを眺めていると実際のマンガ作品を読みたくなってくるのだ。
また、ここにはマンガ作品のタイトルロゴだけを集めたものや、雑誌や単行本以外の媒体に描いた作品、他人の作品によせた挿画等々も収められている。中には意外な画風のものまで収められていて、これもまた手塚が描く人だったことを改めて知らしめてくれるように思う。
それにしても、このような画集の企画を成立させるような物品を揃えていた監修者である森氏のこだわりようにも驚かされるし、その森氏が2016年4月に亡くなっており、この画集の刊行されるのを見ることができなかったというのが残念でならない。
語りつくされた感があるようなところもあるが、手塚治虫についてはまだまだこのような切り口もあるのだということを覚えておきたい。
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