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デビュー短編を含む5編収録。
奇想というか何というか、かなりユニークな想像力の結晶だと思う。
収録作の中では『うどん キツネつきの』が一番好みだった。
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ずっと読んでみたかった初めましての作家さんです。とても面白かったです。ゆるゆるとした日常に、ふと入り込んでくる不思議な世界。優しいSFでした。表題作も良かったですが、「巨きなものの還る場所」が好きでした。「国引」も「学天則」も気になります、国引は神話にあるのでしょうが、学天則もあるのかな。「シキ零レイ零 ミドリ荘」のネットの顔文字とかで話すキャラのセリフはどう読んだらいいか分からなかったけど…。読んだ後も、この不思議な日常は続いて行くのだろうなと思わされます。これからも追いかけたい作家さんです。
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傑作が、みしっと5篇詰まった濃い過ぎる本でした。私はミームについては本当に疎いので勉強してからまた読み返したい。人類の情報の遺伝子。
ミームについてはドーキンス読まなくては駄目だが思わず笑い転げてしまう描写もいっぱいあって、お気に入りの1冊になってしまった。
「シキ零レイ零ミドリ荘」と「おやすみラジオ」が特に良かった。
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さっぱりおもしろくなかったが、「これはおもしろく感じなきゃ」と気負うこともなく、さくさく読めたので逆に良かった(?)
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え?なに?え??みたいな
SFかどうかは置いておいて、
SFとか何とか規定するのはわたしたちの脳なんだなー、と、まぁありだよなー、と。
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学校の帰り道沿いのパチンコ屋の屋上から、突如として聞こえてきた咆哮。和江と美佐と洋子の三姉妹は箱に入っていたその犬に似た生き物を「うどん」と名付けて家で買うようになります。
それから何が起こるでもなく、七日め、四年め、七年めと時(章)が過ぎ、あっけなくも不思議な雰囲気を残したまま物語は幕を閉じます(うどん キツネつきの)
さらには、古びたおんぼろアパートの奇妙な住人の日常が淡々と描かれる「シキ零レイ零 ミドリ荘」、ある女性の風変わりながら凄まじいとある計画に焦点を当てた「母のいる島」、子どもが書いていると思われる謎のブログに引き込まれていく一人の女性がたどり着くのは…「おやすみラジオ」、ねぶたと東北大震災とを絡めた幻想的な「巨きなものの還る場所」の5編が収められたシュールな味わい深い短編集です。
どれも、読み終わると胸の奥の方がキュッとなる感覚が味わえます。
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日常の中に隠れたSF要素が現れる軽妙な語り口の小説。
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総合的にあまり面白くない。軽すぎるきらいがある。また、「は?」と感じさせる要素が多い。なんというか大きい話になるけれど、そういう違和感を覚えないようにウソのものに必然性を感じさせることが小説の面白さなのでは。
「おやすみラジオ」「母のいる島」の最初の方の設定は好き。
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犬、と認識されている謎の生物を育てる三姉妹の話。
古いアパートで暮らす子供たちと、個性的な住人の話。
緑豊かな離島で暮らす、不思議な力を持った母と16人の娘たちの話。
SNSで展開される子供たちの密かな冒険譚が、現実世界に影響を及ぼす話。
幻想の戦時下で、青森を巡って交錯する複数の人々と神々の話。
うーーーん・・・SFというよりも「幻想小説」といった方がしっくり来ると思います。理屈や結論を求めてはいけないタイプの作風なのだと思います。そうした作品、世の中でSFとして認識されているものの中にはたくさんあります。理屈や結論が曖昧でも、その作品なりのイメージや世界観を示すことが出来れば、SFまたはそれに類する作品として十分成立し得ると、鴨は思います。
でも、この作品集に関しては、残念ながら最後までイメージも世界観も掴むことが出来ませんでした。「で、結局何を表現したいの?」と疑問符ばかりが浮かんでしまい、今ひとつ楽しめず・・・ほんわかとしつつも不条理に満ちた雰囲気、嫌いじゃないんですよ。北野勇作氏の作風に近いものも感じますが、北野作品にある世界観の強固なバックボーンが感じられないし、不条理SFの大先輩である筒井康隆作品のような迫力もない。ほんわかしているのに、正直読むのが疲れました。
かなり読む人を選ぶ作風だと思います。鴨は偶々合わなかったのだと思いますが、ハードル高めですねー。
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「少し不思議」の方のSF短編集。
どれも粒ぞろいですが、核心を書かない&明らかにしない書き方は好みが分かれるところだと思います。ガチガチゴリゴリのSFやファンタジーを読みたい人にはおススメできませんね…昨今流行のゆるふわ系とか日常系もありけり。
「シキ零レイ零ミドリ荘」が好きです。何か起こりそうな要素がたっぷりなのに!(笑)平和な日常で終わってしまうあっさり感が、もう何とも。
「母のいる島」も、途中までは重たい話かと思い読み進めていくと「はー…そうですかぁ」脱力させられるという…。
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2020.9.21読了
SFのアンソロジーを読んでると、度々このタイトルが目に入って読みたかった作品。うどんキツネつきのってタイトルだけではどんな話かも想像つかない。本屋さんにはなかろうなぁと思ってたら平積みになってたので、即レジに持っていった。(なんで平積みになってたんだろう…)
短編集なのだけど、表題作が一番好み。やっぱり犬なのか? どうなのよと思いながら日常から非日常へシフトさせられる。
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2020-12-27
少し不思議系かと思ったら、わりとガッチリ系。
ふわっと終わるのが多いので、好みは分かれるかも。
1番好きなのは、「母のいる島」かな。オチがあるというか、スッキリした。
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「うどん キツネつきの」は、声に出して読んでほしい。会話のはね方が心地よくって、楽しくなって笑いながら読みました。
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「うどんキツネつきの」★★★
「シキ零レイ零ミドリ荘」★★★
「母のいる島」★★★★
「おやすみラジオ」★★★
「巨きなものの還る場所」★★★
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また一人好きな作家を見つけたぞ。
乙一や古川 日出男や山本弘に出会ったときに感じた喜びに似てるかな。
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「うどん キツネつきの」☆☆
ある日女子高生が拾ってきた不思議な犬が狐につかれていて宇宙人とも関係があって?
何を読まされているのか全く分からなかった。
読書を始めたばかりのころはそういうこともあったが、久ぶりに何の話なのか理解できない作品に出会った。
「シキ零レイ零 ミドリ荘」☆☆
1作品目でわけのわからない作品を書く作家だということはわかったので身構えながら取り掛かったところ、わずかながら理解が及んだように思う。それでも奇想天外すぎて感想を書くまでに至らない。
在日外国人とか低所得者向けのオンボロアパートの住人たちの間で起こる奇怪な非日常的日常。
「母のいる島」☆☆
母から特別な訓練を受けている十五人姉妹のお話。
だから何?という感想しかわかない。
「おやすみラジオ」☆☆☆
主人公は、不思議なラジオを拾った小学生が書いているブログを読んでいる。ある日、ブログに書かれている町とそこでの出来事は、主人公が住む町と同じであることに気づく。主人公は小学生たちとラジオの正体を追っていくが、そこには同じように彼らを追ってきた人たちが集まり始める。実はラジオについて記述されているのは主人公が読んだブログだけではなく、他のブログや媒体でも発信されているものだった。
ここで、これはテロ行為なのではないか?という考えに至る。インターネット上で攻撃を予告したり、テロ行為を煽動するような内容を発信することはアウトだが、ほんの少しだけ民衆を動かす内容を媒体や形を変えて発信した場合はどうだろうか。小さな一つ一つの行動が全体として大きなテロ行為になるのだとしたら。
やっと私にも理解できる作品が出てきてよかった。社会や集団の大きさというか不確定さというか、そういう怖さがあった。
「巨きなものの還る場所」☆☆☆
登場人物も時代も違うシーンが次々に入れ替わるのでまた話についていけなくなりそうだったが、共通するのは巨大なものが登場するという点。いわく、巨大なものには一つに戻ろうとする力がある。
物語に登場する巨大なものと同様に、それぞれの物語が構成要素として一つの大きな物語につながっていくのが面白かった。