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紙の本
推理小説としての面白さはこたえられない
2016/12/25 22:12
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
逢坂剛が描く火付盗賊改めの長官、長谷川平蔵の物語である。テレビでは中村吉右衛門が鬼平を演じる鬼平犯科帳が最後の幕を閉じてしまった。鬼平だけでなく、密偵や与力、同心いずれもが年を取ってしまい、痛々しい演技を見なければならなかった。時代劇が廃れてしまったこのご時世では主役を変えて再演することは難しいかもしれない。残念ではあるが、致し方ない。それにしても吉右衛門の鬼平は素晴らしかった。誰しも老いには勝てない。
本編は逢坂剛が描く鬼平シリーズである。池波鬼平と同様に複数の短編から成っている。本書は六編の短編から構成されている。巻末に逢坂剛と諸田玲子の対談が収録されている。以前の『平蔵の首』でもそうであったが、平蔵はいつも編み笠を被っており、素顔を誰にも見せないということが前提となっている。素顔をさらすと狙われやすいと考えてのことであろうか。その説明はない。
長編ももちろん悪くはないが、池波作品もそうであったが、短編に分かれているのは大変読みやすい。巻末の対談でも話は出ているのだが、池波は小説家であると同時に脚本家である。長谷川伸の弟子なので文体は簡潔で脚本調なのである。したがって、歯切れがよく、明快である。一方、逢坂の方は説明が書かれているので、事は調子よくは運ばないという特徴がある。どちらが良い悪いではないが、読後感の違いはそんなところかもしれない。
本書の平蔵は池波の平蔵とは別人格のように感じる。密偵も与力、同心も池波鬼平とは共通していないのだから当たり前かもしれない。池波の鬼平とは全く異なる鬼平像が描かれているのだ。池波の馴染んだ読者はどうしても池波の鬼平をイメージしてしまうが、読み進むにしたがって全く異なる鬼平像を思い描くに至るのである。
本書で登場する密偵も魅力的な脇役たちが揃っている。与力、同心も同様である。池波鬼平がテレビ化されて、鬼平や周りの脇役たちのイメージはもう役者によって明確になっている。それを逢坂の平蔵に当てはめるのは難しい。
池波鬼平では、全体が舞台で演じられているような感覚であるが、逢坂平蔵では、本来は推理小説が平蔵や火盗改めという設定で展開されていると考えた方がよい。したがって、文中で説明調になるのはやむを得ないのである。現在は、続編『闇の平蔵』が単行本で出版されているが、是非とも続けてもらいたいものである。似て非なるものであるが、独自のエンターテイメントとして読者を楽しませてもらいたい。
紙の本
タクタク読み
2016/12/19 20:53
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投稿者:たくちゅん - この投稿者のレビュー一覧を見る
自らの顔を見せずに悪と対事する・長谷川平蔵。平蔵の対局的な思考で、解決されていくストーリー。
「本所のへいぞう」という父親を探す京からやって来た女絵師。意味深な笑いを浮かべる長谷川平蔵…謎が…誰が父親なのか…
逢坂氏、真骨頂の短編集です。
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