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ショッキングなタイトルは受け狙い。
而して実態は、「平安京は大きすぎた」。要らなくはないでしょう。
曰く、「平城京はいらなかった」でも全然構わないでしょう。語感とインパクトの差です。
平安京を、建築的・面積的・実用的側面からアプローチして如何に無用の長物であったかを延々と書き連ねています。
なるほど!と膝を打つような指摘もありますが往々にして記述は冗長です。
律令政治から武家の時代に移ればもちろん政庁を装う必要もなく、単なる京都と言う公家の入れ物になっていくのは致し方のないところ。
古代日本というのは判りにくい時代で時代考証が難しいからかNHK大河ドラマでも全く取り上げて貰えません。
だからこそのインパクト勝負なんでしょう。読み物としては面白かったですよ。
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平安京の成り立ちから顛末まで。唐の構想や思想を移植した理念ありきの都で華夷秩序まで真似ているとは初めて知りました。名前の呼び方と官位の対応とか、そもそもの基礎知識から語り起こして頂き、勉強になりました。京都学にも興味が湧きます。次巻の武家の京都も期待しています。
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2020/09/28:読了
軽い本かと思ったら、専門的な内容だった。
もう少し、写真とかイラストとかふんだんに使った、軽い内容のが読みたかった。
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なんとなく平安京というと隅々まで手入れが行き届いた、美しい夢の都みたいなイメージだったが、それがいい意味で覆された。理想の都は一度も完成することがなく、民衆にとっては住みにくい、天皇の力を見せつけるための舞台装置であったことを考えると、むしろ荒廃している都こそ本当の姿なのかなと言う気がする。舞台装置という意味では現在のブランド化された「京都」もその性格を引き継いでいるようであるし、京都の本当の姿というのは我々の憧れとは程遠いものなのかもしれない。
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平安京はいらなかった。すごいタイトルである。書き出しもまた、平安京はいらなかった、で始まる。
なぜいらないものが出来たのか? 碁盤の目と称される平安京は、実のところ、ああいう形で完成はしなかったし、けれど一方で北には伸びていく。
伸びるのは、狭くなったからではない。平安京は最初から最後までオーバースケールであった。大内裏の門のバランスの関係から、北に伸ばされたりするが、これは狭いからではなくて格好の問題だ。
平安京は、そんな風に、格好つけるための都市だったわけだ。唐を真似て、町も律令制度も取り入れてみたが、そもそもあの広大かつ大量の人口を抱える国を真似ても、大は小を兼ねなかった、というわけだ。
アホい。このアホさに気づいていた人も多いが、しかし「劇場都市」として、意地(?)で維持されてきた。そんな平安京も、天皇の、もうやめようぜコールであえなくおじゃんになる。平安京はオートファジーによって京都に生まれ変わる。
むう、京都ってやっぱり闇が深いのね。
著者は近年まで立命館大学で京都学を教えていたといい、京都の虚像に辟易としていた。京都という陳列棚の向こう側を見たい、清濁あわせた京都を知りたい、と。
まあ、京都はいまもなお劇場都市なのであって、そういう意味では平安京があってこそ、なのかもしれないけど、京都をよく知る人なら、なおのこと、平安京はいらなかった、と思うのかもしれない。
ぼ、僕は京都好きだけどね!
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著者が事実陳列罪で平安京から告訴されないか心配になるくらい、平安京をDISってる。
京都の土地勘があれば、もっと面白く感じれたんだろうなぁ。