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題名は不必要にセンセーショナルだが、中身は冷静かつ客観的に現在の中国政府の内情を記した良書。
著者が示した今後の5つのシナリオの内、平和的なベストシナリオの実現を期待するが、現状はワーストに向かっている気がする。
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久しぶりに紙の本を読んだ。なかなか刺激的なタイトルで、これを日本で買って中国に持ちこむのは少々度胸がいった。ただしこのタイトルは出版社か編集者の意向によるもので、著者は別に反中本のつもりで書いたわけではないようだ。タイトルが品位を下げているようで、もったいないと思う。
内容は習近平政権の分析が中心であり、比較的最近の出来事を解説している。2016年11月に出版された本だが、その直前までの状況が扱われている。
現在の中国トップである習近平の経歴、政治思想、方針についての論評が多くを占めるが、どちらかと言えば批判的な論調が中心。それは著者の情報源になった人々に偏りがあることが影響しており、もっと政権に近い立場の人々から取材すればまた違った論調になるかもしれない・・・と、あとがきで述べられている。
2年近く前に、若い中国人社員から「習近平は人気あるんですよ。汚職と戦っているから」と教えられたことがある。日本人である私との会話だから本心だっただろう。反汚職は習近平が好むキャッチコピーのようだ。しかし本書によれば、中国の政治家で汚職と無縁な人物など皆無であり、叩けば誰でも埃が出る。つまり「汚職政治家を追放している」のではなく「追放したい政治家の汚職を暴いて追放している」に過ぎないということだ。どこまで事実かわからないが、そういう面があるということは否定できない。
習近平が本書の分析通りの人物だとすれば、日本はかなり危ない状況にあると言えるだろう。中国の言論はますます潰れていくかもしれない。戦争は起きるかもしれない。経済は破綻するかもしれない。しかし確かなことは結局わからない。我々にできることは未来を正確に予測することではなく、何か起きた時に迅速に対応することだけなのだろう。
確かなことは何もない。確かでないことだけは確かだ。それを当然の前提として理解しつつ、常に警戒と注視を怠らないことが大切だと思う。
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中国の指導者による権力をめぐる内部抗争を詳細な解説する取材力は見事。冷徹で客観的な目で習近平政権の現実や、中国で台頭しているリスクを解説している。習近平政権の危うさは、対外的な強硬姿勢、固定化された貧富の差、軍制改革(軍区制から戦区制への変更)による特に陸軍の反発。
農民工と呼ばれる農村から都市部に出稼ぎに来た労働者の中で、特に1980年代生まれの若い世代は、SNSやネットを使った情報収集能力が高く、新しい形の知識層。既得権益を持つ都市部、共産党幹部との格差が、どこかタイの社会を分断する格差に似ている。
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御本人は御写真で明らかなのですが
京人形のような美人さんですね。
嗚呼人生とはなんと残酷なんでしょう。
こういう方でもジヤーなリストで御座いますよ。
ああいう笑顔で「きついこと」を糾弾されるのは正直アレですよね。
もうこれ以上は虐めないで欲しい・・とか思ってしまいますが。
保守系は美人さんが国防女子として頑張っておられます。
そういう趣味の方は喜ばれるのやもしれませんが。
オレ的にはきついな・・・という感じです。
言葉を発する前に謝罪しそうです。
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人権弁護士狩り、香港書店関係者失踪事件、赤いAKB、天津大爆発、ゴーストタウン、シャドーバンク、大量のゾンビ企業、様々なキーワードがただ消費されていく中国関連報道だが、やはりきちんと体系化していかないと全体像が見えてこなかったり、意外なモノが繋がっていたり。
一党独裁ではあるが、集団指導体制を敷いている中華人民共和国。
果たして、習近平は毛沢東の再来となるのか、その苛烈な権力闘争の報復として、失脚あるいは実力で排除されるのか。『チャイナリスク』とは、ミリタリーな物だけでは無く、無理に無理を重ねている中国経済の破綻(あるいは破綻の表面化)、独裁体制強化に対する民心の離反及び事実上の反乱、暗殺による権力からの強制的な排除とその後の混乱など様々なケース及びそれらの複合した形態が予想されると言うことである。
それらの『チャイナリスク』を未然に防ぐためにも、日本に出来ることはやっていかねばならない。特に、今年は党大会が開かれるので誤ったシグナルを出さないように細心の注意が政府に求められる。