マイケル・ジョーダン 父さん。僕の人生をどう思う？ みんなのレビュー

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実に700ページを超える膨大な記述量。
訳者あとがきによるとこれでも割愛した流れがあるとか。
個人的にはブルズ退団以降、ウィザーズ時代や球団経営に乗り出してからのことを詳しく知りたかったのだが、そこらへんは取材が薄かったのか、言及が少ない。
代わりに、プロに入るまで、大学時代等のエピソードが豊富で、マイケル・ジョーダンというバスケットボールプレイヤーがいかにして形成されていったのか、その片鱗を窺い知ることができた。
彼のメインキャリアたるブルズ時代については一般に広く知られていることも多いが、本書ではさらに詳しく、様々な関係者のインタヴューを交えて多角度から述べられている。
ルーキーイヤーのオールスターゲームでの出来事、ジェリー・クラウスとの軋轢、歴代のヘッドコーチたちとの向き合い、スコッティ・ピッペンとの関係、ギャンブル癖、家族や"取り巻き"のこと…、あの盤石と思われたダイナスティの裏で何があったのか、実情はどうなっていたのか、そのあたりが著者の視点で詳細に語られており、非常に興味深い。
とは言いながら、離婚のことであったりとか、本当にネガティヴな部分はかなりマイルドにアレンジされているような印象も受けるが…。

マイケル・ジョーダンといえど我々と同じ1人の人間なんだ、ということが感じられるのと同時に、やはりバスケットボールの"神"は我々の持つ常識では図れない、という相対する感嘆も新たにした。

邦題のセンスは、うーん…。