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言ってしまえば壮大な出オチなんですけど、ちゃんとSFとして成り立っているところはすごい。人が文明を失い、どこか終末感さえ漂わせているのに、舞台はあくまでもエキナカ。このギャップがなんともいい。
あと、舞台はあくまでも「横浜駅」ですが、横浜駅っぽい感じはあまりしない。さらに言えば、作中に横浜は登場しないよね。
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発想はユニークだし、設定は細かいところまで作り込まれている。これは確かにコミックや映画にするのも(難しそうだけど)面白そう。
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回収されない疑問点があったけど、続刊出るんですね、良かった。確かに『アド・バード』の雰囲気ありました。何も知らなかったヒロトに全部の重荷を背負わせちゃって、大丈夫ですか? と思ったりもしたけど、続刊楽しみにしてます!
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面白かったけど、ハマっ子心をくすぐる横浜駅固有の事情なり、横浜周辺に詳しいからこそ楽しめる何か、みたいなものは特になかった。駅が自律的に修復拡大していく、という設定や世界観は好き。
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「横浜駅は永遠に完成しない日本のサグラダ・ファミリアだ」
横浜駅SFという名の通り,かなりちゃんとSFしてた。
生物学研究者によるディストピア小説。
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数百年後(1千年位?)の未来、自ら拡張機能を有した横浜駅は本州の殆どを覆いつくし四国も侵略し、更に北海道・九州への進出を目指していた。JR北海道とJR九州はそれぞれ独自に対横浜駅戦を展開している。
宇宙開発や人口衛星、リニアなどの技術は高度文明時代のものとして既にほぼ消失。遺構となり一般には忘れ去られている。
日本人は横浜駅が自動生産する食料・生活物資に依存するエキナカの人、横浜駅から廃棄される物に殆ど依存しているsuica認証を体内に保持していない駅外の人。そして組織的な状態を保ち、横浜駅進行を食い止めている北海道・九州の人。それと横浜駅の侵攻を防げず、無政府状態となった四国の人に分けられている。
そんな中、横浜駅による日本完全支配を阻止しようとする人達の活動を描いたSFである。
開設以来現在に至るまで、延々と改良工事をやり続けている横浜駅が、このように進化(構造遺伝界や脅威の自動改札やその進化の過程で名残として残された赤外線カメラ・・・)する設定も、未来に引き継がれた名称や技術などは、読んでいて楽しい。かつて無い世界観が表現されており、実に面白かった。
実は横浜駅は腐海で、何かを浄化しているのかと勝手に想像していましたが…
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生物学者の方が書いたとだけあって、SFの要素が全開の、横浜を中心としたディストピアを描いている。ただ、見方を変えればある人にとってはユートピアなのかもしれない。つまりは世界はいくらでもひっくり返れるということ。
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設定は本当に素晴らしいです。ブクログからのツイートで思わず借りてしまった本で…。実際に読んだら、ちょっと評価が辛めになったのは申し訳ないくらい。角川のニュータイプに連載してた他作家さんの作品に共通する、ドライでクールな文体も、悪くないのに。
状況説明が最初に少しあって、駅の様子が思い浮かべられたら、もっと入り込めたかな。少し読んで図書館に返すことにしてしまいました。なんとなく私が読みたかったものとは違うのかなと、勝手に感じてしまって。再読するといいかな、今合わないだけだな…と思い、待ってらっしゃる方もいるということで。
鉄道についての細かな知識が豊富に生かされているのでもっと冒頭から駅内部の描写が欲しかった…。是非、ゲームやアニメにして欲しいような世界ですね。巨大な横浜駅の細部から、ずーっとカメラを引きその異常な質量を全景で見せて欲しい。感覚が斬新なので、ハマる方はどストライクかと思います。気になられたら少しでも試し読みして楽しかったらガッチリ読了をオススメします。
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日本のサクラダファミリアこと横浜駅。なぜ改装工事が行われているのか、誰も完成系を知らないまま工事は続けられている。現在横浜でジワジワとそして確実に人間の所有する面積を蝕み続ける我らが横浜駅を描いたそう遠くない未来を予見した一冊。
僕らは今だってベイプを吸いながらエナジードリンクを飲み横浜駅の自動改札をアップルウォッチでくぐり抜ける。そんな未来でディストピアSFな現代に生きているじゃないか。
*本の内容からだいぶ逸脱しましたが本書とユナイテッドステイツオブジャパンはSF好き日本人としてはマストな小説なので読むべき。
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確かに横浜駅=ずっと工事中というイメージはあるwでもそれをこんな風に料理するとは!荒唐無稽には違いないんだけど、多数の劇中用語で構築された世界観にどんどん引き込まれる。何となく『進撃の巨人』と重ねたり。欲を言えば「なぜこの世界の謎を解くのが彼なのか?」に対する答えも欲しかった。
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よくある世紀末?SFではあるのだけれど、自分自身が毎日毎日使っている駅が舞台だというだけで、ちょっとだけ違う視点で読めたような。ただ、せっかくなので、横浜駅知ってる人ならではのあるある話などがあればもっと楽しめたかな。
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おもしろかったけどちょっと難しかった気もする。
イマイチ頭の中に映像が描けなくて、物語の世界に入っていけなかった。
でも設定はなんだかわからないけど、面白いし、次巻もあるようなので楽しみ。
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面白かった。横浜駅が本州全体に増殖し、本州全てがエキナカ。至るところに人型の自動改札がありSuica内臓の人間だけがエキナカで生活できる世界。北海道と九州は増殖を防ぐべく、工作員を送ったり武器を作ったり。なぜ横浜駅かはあとがきでわかる。今なら渋谷かな。
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「あなたのSuikaは不正認定されています。強制排斥を実行します」
本州の99%を覆う横浜駅。人々は脳に埋め込まれたSuikaにより管理されるエキナカ社会を生きていた。
横浜駅の外で暮らす非Suika住民のヒロトは「18きっぷ」を託され、横浜駅へ入る決意を固める。タイムリミットは5日間。
ヒロトが果たすべき使命とは。「42番出口」にあるものとは何なのか。
これぞまさに青春18きっぷ!
うーんなんだこれ好き。
JR北日本の工作員アンドロイド、JR福岡の前線基地、無法地帯四国、キセル同盟、JR統合知性体。
「位置情報が不正です。改札機能を実行できません」「改札プログラムを終了し、通常モードに移行します」自動改札こわい。でもなんか好き。
あとアンドロイド好きだなーーーやっぱり!あーネップシャマイ…AAT互換…。トシルも好き。最後の台詞が…見当違いだけどいやむしろだからこそ…だからこそいい。
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神奈川県民の常識のひとつに【横浜駅の工事は一生終わらない】というものがある。
事実、現在の横浜駅が開業した1915年(大正4年)から現在に至るまで、工事を終えたことが一度もない。さらに言えば、初代横浜駅(現在の桜木町駅)が開業したのは1872年(明治5年)で、そこから数えても工事をしていなかった時代はないという。145年間工事を続けていて、その終わりの兆しは未だ見えない。
そこからアイディアを見出して、Twitterで著者アカウントが<横浜駅は「完成しない」のではなく「絶え間ない生成と分解を続ける定常状態こそが横浜駅の完成形であり、つまり横浜駅はひとつの生命体である」と何度言ったら>とネタツイートし、物語をつぶやきはじめたのが『横浜駅SF』の始まり。
小説投稿サイト「カクヨム」で掲載され、第1回WEB小説コンテストSF部門で大賞を受賞。その後書籍化にあたり大幅に加筆修正された。
自己増殖をはじめた横浜駅に本州の99%を覆われた日本が舞台のSF作品。横浜駅の侵攻を阻止すべく、北海道ではJR北日本が、九州ではJR福岡が横浜駅と闘っている。
横浜駅に覆われた地域は「エキナカ」、横浜駅外のエリアは「エキソト」と呼ばれ、エキソトの人間はエキナカに入ることができず、エキナカの廃棄物を頼りに生活するしかない。一方、エキナカの住民は脳内に「Suika」を埋め込まれ、「自動改札」の厳しい監視下で生活をしている。
エキソトのひとつである九十九段下という海辺の地域で生きてきた主人公の三島ヒロトは、横浜駅に迫害された現在の生活にも特に疑問感じることなく暮らしてきた青年。ある時横浜駅への反逆でエキナカを追放され九十九段下に漂流した男から、ヒロトは5日間限定でエキナカに入ることのできる「18きっぷ」を受け取る。彼からヒロトへの依頼は、横浜駅からの解放を目指しエキナカに潜む女性を助けることだった。
横浜駅と闘う人たちの「目的をもって生きる姿」と、それをみてヒロトが自分自身の心に見出す「目的をもって生きることへの渇望」にぐっとくる。
そして何といってもネタツイートから始まったトンデモ設定にも関わらず、世界観を細かく紡いでいることに圧倒される。
小説を読んで、映像を見たいと思ったのは初めてかもしれない。自分の創造の範囲を超えていて想像が難しい。漫画やアニメで見てみたいと思ったら、「ヤングエースUP」で漫画を無料連載中だった。これから読み進めます。
ひとつだけ気になるとしたら、ちりばめられた伏線の回収が粗いような気がした。外伝があるようなので、そこで回収されるのだろうか……。