紙の本
「高齢期の労働と貧困」
2019/04/25 20:21
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルのとおり、「下流老人」の続編。前作も読みましたが、非常に深刻な内容。
“3ない”状態(「収入がない」「貯蓄がない」「頼れる人がいない」)、高齢者の就職の困難さ、「健康寿命」の問題など、見に積まされます。
無策では済まない感じです。
電子書籍
鋭い指摘と提言
2018/12/05 09:30
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『続・下流老人 一億総疲弊社会の到来』は、前作の『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』が現状報告と問題的に重点が置かれていたのに対し、「ではどうすればいいのか」という解決の糸口の比重が大きくなっており、その際に財政社会学を専門とする慶応義塾大学経済学部教授の井上英策の考察やフランスの社会保障制度などが紹介されているのが興味深いです。
著者の最も切実なメッセージは「汝、理想を語るバカになれ」ということではないでしょうか。「仕方ない」とあきらめてしまうのではなく、「自己責任」論を振りかざして助けを求める人たちを攻撃するのではなく、また困難を「自分で何とかしよう」と個人の限界を超えて頑張って自殺したり家族と共倒れしたりするのではなく、みんなが安心して健康で文化的な生活を送れるような社会にしていくために、一人一人が声を上げ、つながりを形成し、少しずつでも社会がよくなる努力をしていくことが肝要ということですね。権利は「与えられる」ものではなく戦って「勝ち取る」もの。
紙の本
真っ暗な日本の近未来
2016/12/18 14:42
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
たった5つのケースと自説に都合の良い最新統計データを駆使し、誰でも「下流老人」になると恐怖心を煽り、北欧並の「高福祉高負担国家」を目指せという、リベラル原理主義本でした。
以前「高福祉高負担」は支持が広がらず、麻生内閣が「中福祉中負担」を提唱し今に至ったと記憶します。
確かに、新自由主義偏重の安倍による福祉全般に対する無策は腹立たしく、攻めきれない野党にも責任はあります。しかし20%以上の消費税負担に耐える覚悟はあるでしょうか。格差社会が臨界点まで進展しない限り、著者の主張が広がるとは思えません。
とにかく、本書は巧みに将来不安を煽っていて、「一度脱線すると追い詰められる」社会だと思い知らされ、読後は暗い気分となりました。中でも最も不安なのは突然の病気です。収入が絶たれる上に医療費負担のダブルパンチとなります。今は高額医療制度のお陰で、医療費を抑えることができますが、新自由主義崇拝の安倍が健康保険の形骸化(医療の商品化)を進めると、気軽に病院にも行けなくなるでしょう。
数兆円も使ってオリンピックを開催した後の日本に、一体何が残っているのだろうかと思いました。
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「ルポ貧困大国アメリカ」堤未果著
http://booklog.jp/item/1/4004311128
の時は、隣国の情報として知識を得られたこともあり、興味深く読めたが、日本の貧困は、身につまされる。またこの本は事例の描き方がリアルで秀逸だが、最後の解決策が、解決策になっていない感じがして、不完全燃焼。
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2015年新語・流行語大賞にノミネートされた「下流老人」を生み出した筆者による続編。前著から1年半という期間しか経っていませんが、深刻さが増す高齢者をめぐる貧困と格差の状況等を伝えています。
先の臨時国会では年金カット法案が強行可決され、1月末から開会される通常国会では介護保険法改定法案が上程される予定です。自己責任に押し込めない権利を保障する制度のありようについて、基本的な方向を確認すると同時に徹底的な議論が必要です。税の使われ方を主権者としてきちんとチェックすることも大事だと感じます。この本を読んで、自分としてもよく考えたいと思いました。
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2017年1月
前作「下流老人」がベストセラーになり、多くのメディアで下流老人という言葉が聞かれるようになった。しかし、どうも多くの人は下流に陥る原因を、「自己責任」にしたがる傾向にあるようだ。
この本は、単に「自分が下流に陥らないにはどうすべきか」という問いに答える本ではない。恥ずかしながら、私も自分の老後について不安があったのでこの本を手に取ろうと思っていた。
では、著者はどのような事を訴えたかったのだろか。
それは日本の社会保障システムの脆弱さではないだろうか。
下流に陥る原因は様々ではあるが、少なくとも国が助ける事は出来る。しかし現実には、社会保障に充てられる予算は決して多くない。そんな現状を変えるためにこの本が書かれたのだろう。だから決して老人をいかに助けるか、といった観点だけで語られることはなく、広く日本に生きる我々が少なくとも住居や生活の心配がなく生活ができるために何が必要なのかを考えさせらる本になっている。
個人的には、教育に携わる仕事をしているため、大学の学費(特に国立大学の学費)が非常に高額な日本の現状が変わっていくことを望んでいる。また、最近話題になる生活保護の家庭に生まれた子供が大学に行くことができない制度など、貧困のループをなんとか改善できればと思う。
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前著は些細なきっかけで誰しも貧困に陥る危険性と、それを生む社会システムの問題を述べ、センセーショナルを呼んだ。続編では高齢者になっても働き続けないといけない我が国の現状と、出来なければ貧困化する現状をデータを用いて説得力のある議論を展開。一億総活躍社会は一億総疲弊社会の到来と、皮肉のある言葉で警鐘。我が国の社会保障への財源も含めた問題提起だが、方法論には色々と議論はあるだろうが、今の政策では改善が得られないのは明らかで、根本的な転換が必要と考える。
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良かった。事例部分は他人事ではなく、明日は我が身感があります。
今後への提言もありますし、あとは(この提言の通りではなくても)どこまで実現できるか、でしょうか。
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下流老人。
健康は、人生の最大の財産であり、最大の買い物だと思いました。
年金受給額の引き下げや生活保護の問題。日本人は、ひとに頼ることが苦手な民族の様に思う。こどもの貧困も結局は、回り回って現役世代の老後に負担がのし掛かる。
まわりの批判を反らす意味でも、ベーシックインカムの話もそうだけど、現物支給もひとつの手段だと思います。
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今、『続・下流老人』を読み終わった。現代社会の定年後の私たちに突き付けられたいろいろな問題に身につまされて読んだ。真面目に働いてきても、家族環境、経済環境、健康問題、それらのことがジワジワとわが身に迫っている。この本を読んでいてそのことを実感として感じた。
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日本全体の約6〜7割の高齢者が月額10万円未満の年金しか受給されていないことに驚いた。これでは65歳になって年金が受給されたとしても、働かざるを得ないことになる。
日本はいつのまにか国民のほとんどが貧乏人の国になってしまっていたのだ。
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離婚,配偶者との死別,病気,介護…。一部の富裕層を除き誰でも下流老人になってしまう危険性がある。筆者はいたずらに自己責任を問うのではなく,下流老人を生み出す社会の仕組みに目を向け改善を図る必要があると主張する。なるほど,頷ける主張だ
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理想を語るバカになれ──まさしく著者
前著が話題になり「下流老人」が
他人事ではないのかも?と気付かせてくれたのも
理想を語り続けてくれた結果だなと納得の今作でした
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http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18665 ,
http://www.hotplus.or.jp/
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■一度職を失うと高齢なほどキャリアを生かした職を得にくい。
■「そもそも日本に金がないのは当たり前」。なぜかというと先進国の中で税の負担率を見たときに,日本は明らかに低い。税の負担率だけでいうのであれば消費税を18%ぐらいまで引き上げて,ようやくOECD の平均率並みになる。
■過去20年の所得分布の変化をグラフにして並べてみると年数を追うごとに平均年収100万~400万円の階層のボリュームが大きく膨らんでいることがわかる。つまり日本の格差は高所得者と低所得者の両端が増加したというより,中間層が全体的に下方に推移した結果だといえる。