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クルマ好きは楽しめそう。
一台のクルマの開発ヒストリーで、こんなに細かくリアルに書いてた本はなかなか無いと思われです。、
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取材対象とされたマツダの方々が、クルマに対して持っている熱い思いを伝えようとする筆者の気持ちはわからないでもないですが、残念ですがそれが空回りしていると言いますか、読者に適切に伝わらないと言いますか。
そのような印象を持った一冊です。
マツダさん、そしてロードスター。
いずれも私自身が特別な思いを持つ対象であるので、これらを対象にした本については、これまでつい贔屓目に評価してしまうことが多かったように思いますし、私個人がしがらみなく好き勝手に書かせてもらっているレビュー・感想ですのでそれで何ら問題ないと思うのですが、そのような私でも星3つを差し上げるに至らなかったこの一冊。
この本、とにかく文章が冗長に感じます。
失礼な言い方になりますが、中途半端な知識を持ち合わせた個人ブログのブログ主が文章を書き連ねるような文体です。
一文が何行にもわたるような長い記述で解説文を綴っているオレカッコイイみたいな雰囲気がにじんでくるのです。
その物事を深く理解されている方の文章ほどシンプルであり、わかりやすいものだと私は理解しております。
事実、自動車に関連するか否かを問わず、そのような文章、そのような本にはこれまで多数出会うことができました。(もちろん本書ではありませんが)
難しい物事を長い文章でさらに難しく表現し、その難しい文章に酔いしれているようなところが随所に感じられ、これを個人ブログ的文体と表現させていただきました。
編集者の意図が入っているのかもしれませんが、機構的な解説を上記のような冗長な文体で書きつられるのではなく、分かりやすい図なり表なりで解説されると、はっきりと読者に伝わるのにと思った箇所は両手では数えられないほどありました。
正直、これであれば、もっと筆者は黒子に徹して関係者のインタビューなりフリートークなりをどんどん文字起こしされたほうが良かったのではないかと思います。
モーターファン別冊のさらに別冊みたいな位置づけで増ページされるようなイメージでしょうか。
各ページの下段には語句の解説らしきものがありますが、巻末に索引はなく。
それでいて、体裁はハードカバーだったり。
原理原則に忠実であり、首尾一貫しているロードスターをネタにしている本でありながら、これほどまでに様々な点でミスマッチな本は稀有な存在だと思います。(それが筆者の狙いであれば、私はまんまとのせられたということでしょうか)
付箋は22枚付きました。
まだお読みでない方は、是非、「ロマンとソロバン」(宮本喜一 著)もお読みください。
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4代目のマツダ・ロードスター(ND)にまつわる話。
ITmediaでの氏の連載が面白い。
けれど、この本はあまり面白くない。
たぶん、凄いことが書かれているんだろう。だけど、それが頭に入ってこない。
それが、ITmediaの連載との大きな違い。
ちなみに、この本は書き下ろしで、連載をまとめたものではない。
読み終わって思うのは、もっとマツダの人たちの話が聞きたいってこと。
ロードスターの開発に関わった人たちの声が、あまり聞こえてこない。それが宮本さんの書かれた『ロマンとソロバン』との一番の違いだろう。
残念。
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●Sの存在意義
Sは50km/h以下の低速でダイヤゴナルロール姿勢をつくる設定。
リアスタビは要らない。
サーキットに近い高G域は姿勢変化過大になる。
リアサスの動きが自由な分、悪路に強い。
Sパッケージは80~100km/hで定常旋回の安定性が高く、
万能性が高いセッティング。
●振動と音
気筒ごとにバランスを取るフルカウンタークランクで振動を取る。
中低音は315Hzの音を聞かせるために
PPFの穴とデフマウントのウエイトをチューニング。
高回転域は400Hz。
インテークマニフォールドを4000rpmで共振。エンハンサーでさらに共鳴させた。
●空力
低いノーズでフロントダウンフォースは増加。
リアはランクが短く、不足。
リアウイングを付けるとテールのボリュームダウンとトランク容量のために
キャビン後方に設けたハイマウントストップランプの視認規制にかかる。
NCは前上がりの姿勢でバランスを取ったが、
NDは水平の姿勢にするためにフロントバンパー両サイドの穴で
前後リフトバランスを取った。
●シート
ネットシートで小型薄型化。
ヒップポイント低下での大腿部サポート調整のため、調整機構を採用。
シートスライド角は通常3度。NCの6度から10度にし、シートリフターを廃止。
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丹念に聞き取り、描かれている。
他の車がどうなのか、が分からないから比較はできないが、ロードスターの作り手がいかに乗り手のことを思ってロードスターを作っているか分かる。
山本主査の
「全てユーザーのためです……と言うのはカッコつけすぎでしょう。みんな、自分が欲しくて仕方ないクルマを作ってるんです。だから頑張れる。自分が一番のお客さんなんですよ。」
というコメント。
初代ロードスターに乗ってたことがあるけど、新しいロードスター欲しいなぁと思う。
この本に関していえば、もう少し説明文はシンプルにして、図と写真を大きくするといいのではないか、と思いました。
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【概略】
1989年以来、4代にわたり日本だけでなく世界を魅了してきたマツダ・ロードスター。世界の潮流で廃れていたジャンルであるオープンタイプのライトウェイトスポーツカーが、なぜマツダ・ロードスターから再爆発をしたのか?そして、30年以上にわたり世界中から愛される理由、「2人乗り小型オープンスポーツカーの生産累計世界一」でギネス記録を更新するほどの魅力はどこにあるのか?今回、4代目となるNDロードスターの開発秘話を中心に、マツダ・ロードスターに込められた想いが綴られる。
2021年12月08日 読了
【書評】
既に YouTube 動画で紹介をしているのだけど、今回久々にFR車を、しかもNDロードスターRFを購入する運びとなった。ロードスターのことをより深く知りたくて手に取って読んでみた。読んで大正解だったよ。
スカイラインやクラウン、RX-7だってそうだと思うけど、どこか突き抜けた要素を持ってる車って、先代がライバルになると同時に先代までに積み上げられた歴史が味方にもなる。このマツダ・ロードスターなんて、特殊な車だからこそその要素ってめちゃめちゃ強いと思う。職人の国、実用性・機能性を重んじるこの国・日本で、2人乗りオープンカーという贅肉を削ぎ落とすと同時に実用性・機能性を捨てた車が、これほど愛されてる訳だから。そのプレッシャーたるや。
興味深かったのは、以前にも読んだマツダに関する本でもあったけれど、部門相互の横展開が最初からなされて、且つイメージやコンセプトというモヤッとした部分に相当な時間と熱量をかけていたこと。それを許してくれる企業風土、凄いと思う。だってその間は、売上が経ってないんだもの。でもこのフェーズってめちゃめちゃ重要だと思うし、だからこそ素敵なロードスターとなって世に出てきているのだと思う。「感」なんて禅問答で出てきそうな言葉をエンジニアの皆さんがやりとりしてるんだもん。面白いよね。
技術的な点、メカニックな点についての言及も、素人としての読み手ながら凄くわかりやすい内容になっていると思う(多分)。ロードスター(特にND)を所有している方、またはNDロードスターに興味のある方は、是非手に取ってみるといいと思う。前者はより一層ご自身のロードスターを好きになるだろうし、後者にとってはきっと購入の決め手になるのではと思う。