紙の本
夜に読みたい本
2017/05/11 22:14
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投稿者:秋桜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大好きな北村薫さんのアンソロジーが入っていたので手にした本です。
個人的に好みの短編集でした。初めての作家さんもいらっしゃいましたが、それぞれの個性がありながら、「夢」にまとめられるバランスが良かったです。
なんだか夜に不思議な話を語られるような、少し怖かったり、ほっとしたり、幻想的な風景を感じたりできるような作品です。
気軽に読めて想像力を掻き立てる一冊です。
紙の本
贅沢なアンソロジー
2017/02/16 16:22
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投稿者:mino - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏目漱石『夢十夜』にインスパイアされた10名の作家が描くアンソロジー、『眠れなくなる 夢十夜』読了です。
まず目を引くのは表紙に連なるビッグネーム!こんなにたくさんの人気作家の作品がいっぺんに読めるなんて贅沢ですね。
こういうアンソロジーがあると「はじめまして」な作家さんの作品も手に取りやすくなっていいと思います。お試しってやつですね。
収録された10編は全て「こんな夢を見た。」というフレーズで始まります。
しかし実際に夢の内容を語る話ばかりとは限りません。内容も心温まるほっとするものから、夢と現実の境がわからなくなるような空恐ろしいもの、夢でしかありえないような幻想的な物語など、様々です。
一編あたりのページ数が少なく、読みやすいかなぁと思いましたが、もう少し内容にじっくりと浸りたいようなもどかしい思いも抱きました。しかしどのお話も作家さんの個性が出ていて面白いです。
誰か1人でも興味のある作家さんがいればどうぞ、読んで見て下さい。
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なんだか、既読作品がちらほらあるので、同じタイトルで出版されていたアンソロジーを読んでいたのかも。
全部は覚えてなかったけど。
阿刀田高さんが、独特の雰囲気が全開な感じでテーマにびったりでよかった。
小路さんの作品もとてもよかった。でも、ホラーちっくな作品集と思っていたので、ちょっと予想とは違う雰囲気。そういう雰囲気が小路さんの作品の好きなところでもあるのだけど。
夢の話がテーマなので、きっちり決着のついてない感じの作品もあって、はまりきれなかったのは残念。
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現代作家十人が一夜ずつ書いていく。
どれも面白いんだが、特に、最後の小路幸也の「輝子の恋」は面白かったかな♪
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ストーリー
あなたにも、「忘れられない夢」がありますか。
見知らぬ橋で、いつか訪れるはずの誰かを待つ男。
父親から命を受けた幼い息子が赴く上総の海。
今際の際に現れた、思い出を食べる伝説の動物――。
100年の時を超え、夏目漱石『夢十夜』にインスパイアされた10名の人気作家が紡ぐ夢物語。
「こんな夢を見た」の名文句に始まる珠玉の10篇を編み込んだ、儚くも美しい「夢」アンソロジー。
阿刀田 高 夢一夜
あさの あつこ 厭だ厭だ
西 加奈子 小鳥
荻原 浩 長い長い石段の先
北村 薫 指
谷村志穂 こっちへおいで
野中 柊 柘榴のある風景
道尾 秀介 盲蛾
小池 真理子 翼
小路 幸也 輝子の恋
の10編
夏目漱石の『夢十夜』を読まないと分からない内容なのかと思いましたが、
読まなくてもこの本を単独に読むだけでも大丈夫でした。
本のタイトルを見るとまるでホラーや妖怪の怖い本だと想像させられましたが、
恋愛、SF、ファンタジー、ホラーなどの様々な要素を含んだ作品で
どれも夢というのを独自の世界観で表されています。
印象的だったのは『厭だ厭だ』のラストのオチに吃驚し
女性の執拗な怖さが伝わったり、
『長い長い石段の先』の父と子が同じ経験から不思議な話へ。
荻原さんらしい世界観がここにも出ていて和まされました。
『翼』の切なくも悲しい想いなどが女性らしく伝わりました。
野中さんと小路さんの作品は読んだこともなく知らなかったですが、
小路さんの作品は夏目漱石の書かれた時代を彷彿とさせ
レトロ感と当時の恋というのもよく表現されていたような気がします。
また思い出を食べるという発想もまた斬新だったので
他の作品も読んでみたいなと思いました。
夢ということで実際の夢から、夢のような出来事などと
夢とひとえにいってもこんな様々なテイストになって面白いかと思います。
どこかおぼろげでもやもやとしている所が共通し、
生死について語られているような気がします。
それがどこかぞくっとさせられる気もします。
このようなアンソロジーの作品を読んだのは初めてですが、
普通の小説とはまた違い、色々な作家さんを知る機会にもなり、
同じテーマで違うテイストの作品を何度も味わえるというのも良いので
たまにはこうゆう作品も読んでみたいと思いました。
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夏目漱石の「夢十夜」上梓から100年。同作にインスパイアされた10人の人気作家が、「こんな夢を見た」という有名なフレーズから続く短編を描きました。少し怖いような神秘的なような不思議な短編ばかりで、とても面白かったです。普段敬遠しがちな道尾秀介、あさのあつこの作品が思いがけず心を打ちました。こういう新鮮な気づきがあるからアンソロジーは良い。小路幸也の短編の良かったです。道尾秀介「盲蛾」は、長編「獏の檻」の作中作とのことなので、今後長編も読んでみたいです。
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「こんな夢を見た」という書き出しで10人の作家がエッセーあるいは短編の小説を書く止めた一冊。
夢二の夢十夜より
それぞれに心を込めた短編が並ぶ。
私的には盲蛾という道尾秀介の一文が心に残ったがそれぞれの作家のそれぞれの短編が心に響く。
ぜひ一読を(^^)
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言わずと知れた夏目漱石の名作『夢十夜』を下敷きに、十名の作家たちが一篇ずつ「こんな夢を見た」と語り出す。
それが本当に夢の中の出来事なのか、それとも現での出来事なのか、それは誰にもわからない。
『夢一夜』では本家の第一夜と第三夜をミックスしたような物語になっている。
美しく静謐な、しかし不気味な夢の中。
『長い長い石段の先』は少年時代の恐ろしい体験を思い起こさせる。
迷ってしまった道の先。
どこか知らない場所。
ジブリの『千と千尋の神隠し』にも登場する、現世と異界との境。
どちらも物語だとしても、実体験として、記憶にある人もいるのではないか。
祖父母の家までの帰り、乗り過ごしてしまったバスの先。
永遠にも思える帰り道、幼い弟の手を握りしめながら不安と恐怖と戦う夏の日。
あれは、現実、のはずだ。
『輝子の恋』
本書の中では唯一の明るい話。
悪夢だらけの中、今宵の夢さえあれば、救われよう。
いや、悪夢の方がまだましとも思える現の夜、今宵の言葉があれば、慰めにもなろう。
人生は壮大な夢という。
そうであるならこんな終わり方なら、全て良し。
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2017年、47冊目は、隙間読書用にしていたもの。「こんな夢を見た。」で始まる、夏目漱石の『夢十夜』(文学音痴の自分は原典読んでません。)にインスパイアされた十作家によるアンソロジー。
「眠れなくなる」とお冠があるので、ホラー系の作品達を期待したが、ホラー度は低め。抽象的作品、ダークファンタジー的作品が多め。
ラストの小路幸也『輝子の恋』が★★★★☆。後は★★☆☆☆~★★★☆☆の作品ばかり。全体としては、オマケの★★★☆☆。
小路幸也は『七つの死者の囁き』収録の『最後から二番目の恋』も良かったので、『リライブ』は来年読む候補としよう。
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「こんな夢を見た」で始まる10編の夢物語。
眠れなくなるというほど怖くもない。小池真理子、道尾秀介は好きな作家さんだからか、好みのタイプの話だった。
アンソロジーはカタログ的でまとまりがなくて、本としての評価はなかなか厳しくなる。
初読みの小路さんが良かったことが唯一の収穫でした。
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漱石の「夢十夜」にならって、10人の作家それぞれの9「こんな夢を見た」で始まる小説集。タイトル通り、眠れなくなりそうなおはなし。
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7月12日読了。
「こんな夢を見た。」で始まる、現代小説家10名による、漱石の夢十夜インスパイア短編集。
どれも「眠れなくなる」インパクトのある短編ばかり。だが、ラストの小路幸也さんの話に全部持っていかれた。ほんのり漱石風味でもある気がする。
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2009年6月に新潮文庫から発行された版を加筆修正した版らしい。
「こんな夢を見た」から始まる10の短編。
解説の類いが一切なく、短編が収録されているのみ。
解説や、せめてこの企画が立ち上がった意図などの事項がほしい。
私は解説などの周辺知識を読むのが好きなのだ。
折角本で購入しているのだからそういう特典がある方が読者サービスになると思うんだがなあ。
解説が欲しいというのは、一部よく分からない作品があったからでもある。
まあ人の趣味嗜好は色々だから、特に私は選り好みが激しいから、作品に相性があるのは仕方ない。
荻原浩 長い長い石段の先
子供の頃に体験した田舎の山の不思議な経験。
30数年後に息子が同じような経験をし、血は継承される。
(私自身は精神を病んだために系譜を繋ぐことはできなかった。自分を省みると哀しくなる)
北村薫 指
学問や人生の成り難さを象徴するかのような夢。
中国の故事成語のよう。
小路幸也 輝子の恋
何と言っても巻末のこの作品が圧巻。
『夢十夜』と『こころ』をアウフヘーベン!
https://diletanto.hateblo.jp/entry/2020/05/08/201725
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最末の小路幸也 輝子の恋 が素晴らしかった。
星4はこの作品に対しての評価です。
それ以外は星2かなぁ。
自分には合わなかったという意味ですが。
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夏目漱石(1867-1916)没後100年&生誕150年を記念しての新潮文庫編集部企画による10篇のアンソロジ-。「こんな夢を見た・・・」で始まる夢物語を夢中で読み耽ったのは、あさのあつこ作の『厭だ厭だ』萩原浩の『長い長い石段の先』野中柊の『柘榴のある風景』小池真理子の『翼』小路幸也の『輝子の恋』でした。